「「おおおおおおお~!!」」
アメリ&ともちゃん、駐車場の海側出入口に立ち、眼前に広がる海に大感動。
「広いでしょー」
こくこくと、激しく首を縦に振る二人。福井では、水族館でも遊園地でも、あまり海のそばには行かなかったからね~。
「さ・て。ほーかーのーみーなーさーんは~?」
LIZEをチェック。あ、かくてるの皆さんが多目的スペースで待機中ですって。
近井さんご夫婦に、かくかくしかじか。
「じゃあ、行きましょうか」
良夫さんが仰るので、そうしましょうそうしましょうと、移動~。
あ、サンバイザーにサングラスしてるけど、こっちに手を振ってる、あの背の高い女性は!
「お待たせしました~」
かくてるハウスの皆さんに、ご挨拶。良夫さんも、初顔合わせということで互いに自己紹介。
やはりというか、ミケちゃんもアメリも注目の的ね。F市では名物と化してしまったけど、横浜来たことないもんねえ。これだけ珍しがられるということは、横浜には猫耳人間はいないのかな。なんか残念。
それにしても、ミケちゃんスマホ向けられて、ノリノリで千多ちゃんの決めポーズ取ってるし。さすが、アイドル志望。パフォーマーだなあ。
「まりあさんによると、もう少しで着くみたいです」
と、優輝さん。しかし彼女、サンバイザーとサングラス似合うなあ。女性に対してあれだけど、イケメンだわ。
「意外と混んでないですね」
ビーチを改めて一望する。
「そのための、夏休み前の平日行ですからね。さすがに、貸し切り状態とまではいかないですけど、まあまあ空いてて良かったです」
一緒にビーチを眺める彼女。
「じゃあ、順に更衣室使っていきましょう。皆さんは、ここで白部さんを待っていていただけますと。お先に失礼します」
そう言って、ぞろぞろと更衣室に向かう五人。「いってらっしゃーい」と声をかける。
LIZEを見ながら近井さんご一家と雑談していると、白部さんたち到着! 多目的スペースにいることを告げ、到着を待つ。
……あ、来た来た。いらっしゃいましたよ! 手を振ってアピール!
「お待たせしました。……角照さんたちはどちらに?」
「今、着替えています。こちら、親子さんの旦那様の良夫さんです」
「はじめまして」
互いに、ご挨拶。
「しかし、いい天気ですねえ。こないだまで、じゃんじゃか降ってたのに」
晴天を見上げ、素朴な感想を漏らす。そういえば、太平洋側の海ってこれが初めてだなー。
「本当に。皆さん、脱水には気をつけてくださいね。水中でも起こしますから」
「そうなんですか」
白部さんのアドバイスがちょっと意外で、思わず訊き返す。
「はい。実感しにくいですけど、普通に汗はかいてますので」
へー。持つべきは、お医者様の友人ですねえ。
「だって。アメリ、気をつけようね」
「うん!」
「では、私たちも着替えてきますので、ここでかくてるの皆さんを待っていていただけますか?」
「わかりました」
というわけで、更衣室へ。
すると、サングラスにサンバイザーを装備した、黄と黒ビキニの長身イケメン美女と出入り口で遭遇! ってこれ……。
「優輝さん、終わったんですか。かっこいいですねー。イケメン!」
あっ、いけない。思わずイケメンとか言っちゃった。
「あはは。よく言われます」
「こいつ、高校・大学でむっちゃ女にモテたらしいよ」
後ろから久美さんも出てきました。
「へー。なんか、わかる気がします」
「趣味を披露したら、みんな逃げちゃいましたけどね」
と、優輝さん苦笑。ああ、映画……。
「後ろ、つかえてるよー」
由香里さんが苦情を述べるので、脇に退く。
「これで、全員っすね」
ミケちゃんの手を引いて、さつきさんも出てきました。
「あ、そうだ。白部さんたち、着きましたよ」
「ありがとうございます。じゃあ、ご挨拶の後、車に道具取りに行きますね。あたしら、持ち物多いんで」
一礼して、多目的スペースのほうへ、ぞろぞろと向かっていきました。
さて、私たちも着替えましょうか。
◆ ◆ ◆
「はぁ~ん……太陽の下で見ると、一段と可愛いわあ~」
我が娘の、プリチー極まる水着姿にうっとり。記念に、スマホでパシャリ。ふっふっふっ……。今日はお陽様の下、ビーチで遊ぶマイ・エンジェルを撮りまくりますよ~!
「とりあえずさっきの場所に戻りましょうか」
「ですね」
親子さんの言葉で我に返り、多目的スペースへ。途中、白部さんたちとすれ違ったので、互いに会釈。
多目的スペースでは、さつきさんがぽつねんと待機してました。
「ほかの皆さんは、パラソルとかの設営ですか?」
「そっす。かといって、ここから誰もいなくなるわけにもいかないんで、お留守番っす」
肩をすくめる彼女。
「皆さんも設営があると思うんで、お先にどうぞっす。白部さんたちは、自分が待ってるんで。みんなはあのあたりっすよ」
ビーチの中央あたりを指差すさつきさん。たしかに、とくに目立つ優輝さんとミケちゃんを含めた四人が、ちょこちょこ動いてるのが見える。
「わかりました。では、お先に失礼します」
というわけで、丸めたシートと重し、浮き輪などを抱えて、そちらに向かうのでした。
読み終わったら、ポイントを付けましょう!