神奈さんとアメリちゃん

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おまけ編・その十三 たんけん、はっけん! みんなのまち

公開日時: 2022年5月28日(土) 21:01
更新日時: 2022年5月29日(日) 04:28
文字数:2,626

「自由研究、どうする?」


 学校も夏休み。今日もお隣で宿題してたけど、そろそろそれ自由研究もやらないとと、クロが提案してくる。


「あー……。すっかり忘れてた~」


 ぐでーっと、机に突っ伏すノーラ。


「何にしようかしらねー?」


 下唇に人差し指を当てて、考え込むミケ。


「えっとね、四人で一つの自由研究をするのはどうかな!?」


 そう言うと、みんな一斉にこっちを見る。


「たとえば?」


「おお? うーんとね、えっとね」


 ミケの返しに、考え込んでいると、ふとひらめいた!


「このへんの、地図作ろう!」


「えー? そんなのマップ出してプリントしたら終わりじゃない」


 不満そうなミケ。


「違うの、違うの! たとえば、いつものスーパーあるでしょー? そこでね、インタビューする! お仕事のこととか! そうやって、インタビューしたことを地図にしてまとめるの!」


 みんなから、「おお~!」と声が上がる。みんなアメリみたい。


「面白そうだね。でも、どこからどこまでやる?」


「だいたいアタシらが行くとこつったら、東と北は『カトレーヌお菓子屋』、南はドラッグストアだろ。で、西はクロがよく行くほうだけど、『さわきスーパー』。そのあたりでよくね?」


「たしかに、松戸先生のとことかまで入れると、範囲広すぎるね。その四方にしようか」


 ノーラの提案を、クロがまとめる。


「よし、善は急げね! みんな、スポドリとスマホ持ったら、自転車で行くわよ!」


 みんなで、「おー!」と盛り上がる。今度は、みんなノーラみたいになっちゃった。



 ◆ ◆ ◆



 まずは、カトレーヌさん!


「いらっしゃいませ」


「すみません、インタビューさせてください!」


 さっそくお話しを切り出すと、お姉さんが「少しお待ち下さいね」と、おじさんと話し始めた。


「ええと、何が聞きたいのかな?」


 話し相手は、おじさんにバトンタッチ。


「自由研究するんです! それで……」


 今回のアイデアを話す。


「なるほど。うちはチェーン店のお菓子屋でね。メインはケーキだけど、見ての通り、お団子なんかも売ってるんだ」


 スマホのメモアプリに、みんなで一所懸命メモっていく。


「大変なことって、やっぱりありますか?」


 クロが質問。


「みんな立ち仕事だし、やっぱり雨の日はお客さんが減ったりで……色々とね」


 メモメモ。


「やりがいはありますか!?」


 今度はアメリが質問。


「あるよー。やっぱり、お客さんが笑顔で帰ってくれると嬉しいよね。みんなも、一所懸命働いてくれてるしねえ」


 四人で、ほかにもう質問がないか打ち合わせ。なさそうだったので、お礼を言って、ぺこりと頭を下げる。


「ありがとーございました!」


「どういたしまして。研究、頑張ってね」


 次は、コンビニ。でもここでは、仕事が忙しくてインタビューできなかった。がっくり。


 でも、店内の様子をメモしていいですか? と尋ねるとOKをもらったので、売っているものなんかを書いていく。写真はダメだって。


 コンビニの次は、ラーメン屋さん。ここにもあったんだね。店長さんに、人気商品とか、色々訊いていく。


 次は……ともちゃんの学校だ! 夏休みだから校庭でみんなが、いろんなことして遊んでるね。


 入っていいですか? って訊いたけど、ここの生徒じゃないとダメだって。残念だな。アメリたち、もっと離れた学校に通ってるから。


 そして、いつものスーパー。クロ以外、みんなじょーれんさんだから、色々丁寧にお教えてもらっちゃった。「正直な商売」がポイントなんだって!


 道路を渡って、ドラッグストアでも取材。T地方あちこちにお店があるけど、ここが本店なんだって! すごい!


 その上の、パソコンショップでも取材。


「……疲れたね」


 クロがため息をつく。


「なんだー。もうへばったのかー?」


「ボクは、インドア派だから」


 スポドリを飲みながら、ノーラの言葉に答えるクロ。


「一日で、全部回らなきゃいけないってこともないわよね。続きは、明日にしない?」


 空のペットボトルを、残念そうに見るミケ。


 一同、「さんせー!」ということで、続きは明日にすることにしました。



 ◆ ◆ ◆



 ドラッグストアの続きは、つけ麺が美味しいラーメン屋さん。みんなのおねーちゃんたちから、「ただでインタビューも悪いから、なにか食べてきなさい」って、お金もらっちゃった。


「おじさん、ここのつけ麺、ほんと美味しいよね!」


「ありがとうね! 嬉しいから、味玉サービスしちゃおうかな!」


 玉子もらっちゃった。


 というわけで、お食事しながらインタビュー。このお店は、「青坂屋」っていうもとのお店があって、そこから、のれん分けしてもらったんだって。


 「のれん分けってなーに?」って訊いたら、修業を終えたら、お店の名前を貸してくれるんだって!


「ごちそうさまでした!」


 満腹!


 ほかにも、細かいことをインタビューして、次のお店へ!


 次は、道路を戻って「コジカペットショップ」さん。生き物を扱う苦労を、色々聞きました。


 お次は、「ニコリ《家具屋》」さん。お布団なんかも売っているから、面白いね。ここでも、色々インタビュー。


 そして、「マンマ・トラットリアイタリアン・レストラン」さん。お腹いっぱいだけど、残ったお金でケーキを買いました。お土産にしよう。


 で、ここでもインタビュー。ここも、美味しかったよねー。また、食べに来たいな。


 二日目はここまで! 明日で、完成させるよ!



 ◆ ◆ ◆



 三日目、もうあとは、H街道の住宅街ぐらい。いつもの公園は……今更取材しなくても大丈夫だよね。


 さらに進むと、途中、「おもいで」っていう、目立たないところにある休憩所があったので、インタビュー。趣味でやっているお店で、「ほっと落ち着く空間」をてーきょーしてるんだって。


 とりあえず、今日もお金をもらっているので、飲み物を飲みました。


 そして、「さわき」さんを取材。お肉と魚に自信があるらしい。クロも、「たしかに、ここのは美味しいよね」って言ってる。


 あとは、郵便局とか、お医者さんとか。ここのお医者さんは、猫耳人間は診てくれないみたい。だから、わざわざクロは、遠い松戸先生のところに行くんだね。


 コンビニもあったけど、最初の日のところとあまり代わり映えしないな。とりあえず、メモメモ。


「こんなところかな?」


 みんなに訊くと、「うん!」と返事がくる。


 じゃあ、ミケのおうちにもどろー!


 あとは、由香里おねーちゃんから大きな紙をもらって、スマホの地図と照らし合わせながら、地図を描いていく。


 ……できたー!


「「いえーい!」」


 みんなでハイタッチ! うん、よくできたと思う!


 学校が始まって、地図を出したら、「たいへんよくできました!」って褒められちゃった!

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