神奈さんとアメリちゃん

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第三百二十八話 転んでもただでは起きない!

公開日時: 2021年8月22日(日) 21:01
文字数:2,239

 というわけで五月三日。楽しい連休も折り返し地点を過ぎたなあ、なんて思いながら車を走らせていると、懐かしの……ってほどでもないか……の「ディノ・ミュージアム」が見えてきました。相変わらず卵な外観ですねえ。


 駐車し久美さんに連絡すると、間もなく到着される模様。


 で、皆さんやって来ました!


「ふふん。恐竜なんて、アメリもノーラも、まだまだコドモなんだから……ひゃわっ!?」


 入口近くの吠えて動く恐竜像に、ミケちゃんびっくり! しっぽがぶわっとなる。


 ほほえまな光景に、一同つい顔がほころんでしまう。


「ちょっと! その反応やめてよね! ナシ! 今のなーしー!!」


 必死に取り消そうとする彼女。ほんと、背伸びしたいお年頃なんだねえ。


 ともかくも、一同中へ。もちろん、大興奮なのはアメリとノーラちゃん。ふたりとも、しっぽをピンと立てちゃって、大変わかりやすい反応。


 クロちゃんも、「おお~……」なんてアメリみたいな声を上げながら、感慨深そうに恐竜像を見上げている。


「お姉ちゃん、記念写真取って」


「いいよー。せっかくだから、みんなで撮りませんか?」


 提案してくる宇多野姉妹。


「そうですね。じゃあ、二回やりましょう。最初の撮影は私が」


 パシャリ。二回目の撮影はバトンタッチして、まりあさんが撮影係。


 かくして、化石や骨格標本を筆頭とした展示物を見ていく一同。


 アメリの反応も五ヶ月前にほぼ同じものを見たばかりとは思えない好感触だけど、ノーラちゃんはそれ以上!


 時刻も二時になり、そろそろレストランも空いてるでしょうという判断で、一同そちらへ。


 思い思いに恐竜モチーフの食事を取る子供たちがほほえま! 来るまで難色を示していたミケちゃんも、すっかりまんざらじゃないみたいで、良きかな良きかな


 そして、さらに館内の残り部分を巡った後は、お正月には体験できなかった化石堀り!


 ……のはずだったのですが。こちら、要予約だそうで……。やってしまったあああああああッッッ!!


 ああああ……、ほんとに思いつきでろくに調べないもせずお誘いしてしまった……。無計画ぶりは、つくづく悪癖中の悪癖だ。


「すいません! すいません!」


 案内所前で皆さんに平謝り。


「いえいえ。私たちここ初めてですから、展示物見てるだけでも大満足ですよ!」


 フォローしてくださる白部さん。


「ね? ノーラちゃんも楽しいでしょう?」


「おー! ここに連れてきてもらって、カンシャしてるぞー!」


 拳を突き上げ、元気に応える彼女。


「ノーラちゃんにそう言ってもらえると、救われるよ……」


 なにしろ、アメリともども、化石発掘体験をすごく楽しみにしていたであろうからだ。


「アメリも、すっごく楽しいよ!」


 アメリによしよししてもらう。平身低頭状態なので、アメリの小さな手が、私の頭に届く。


「本当に、私ってなんでこう粗忽なのか……」


 自己嫌悪でため息を吐く。


「まあまあ。そう、自分を責めないでくださいっすよ。自分なんて、ミス・ミステイクって感じっすよ?」


 自分を引き合いに出して、フォローしてくださるさつきさん。くさや騒動や、パッキーゲームなどの思い出が想起される。


「まー、そーゆーコト。ウチら、こんな楽しい体験毎日させてもらって、感謝こそすれ、責めるなんてとんでもないぜ」


 久美さんからもフォローをいただく。ああ、人の情けが身にしみる……。


「わたし、また福井に来たいなって思いますから、そのとき楽しみましょうよ」


 ありがとうございます、まりあさん。


「はい! いつか、絶対埋め合わせさせていただきますので!」


 本当に、皆さん優しいな。


「幸いまだ館外に出てないですし、せっかくだからもう一周していきましょうよ! 新たな発見があるかもですよ!」


 優輝さんの言葉に、皆さん賛成してくださる。返す返すも、皆さん優しい。


「あの、でしたら『ジュラ・パーク』に足を運びませんか? このすぐ北にある公園で、恐竜像がたくさん配置されてるんです! そちらは、間違いなく予約不要ですので!」


「いいですね! 行きましょう、行きましょう!」


 由香里さんが、ぽんと手を打つ。というわけで、河岸を変え、ジュラ・パークにGO!


 ディノ・ミュージアムからは車で三分という至近距離。


 入場料を払い、スタンプシートを取り、いざ中へ!


 鬱蒼うっそうと茂った森を進んで行くと……。


「いた! 恐竜だ!」


 ノーラちゃんが目ざとく反応!


 てててと走り寄る彼女の後を追う一同。


 すると、恐竜像が急に動いて吠えた! しっぽがぶわっとなるノーラちゃん。


「おー……びっくりしたぞー……」


 ノーラちゃん、ドキドキ。アメリもドキドキ。みんなもドキドキ。


 私が近づくと、また動いて吠える。なるほど、センサーで動くんだ。カラクリが分かってしまえばこっちのもの(?)だけど、急に動くとびっくりするわね。


 ともかくも、記念撮影の後、チェックポイントでスタンプをぺたん。


 こんな感じで順路を楽しんでいく中、全長二十メートルの巨大恐竜像に一同感動。特に、アメリとノーラちゃんは、それはもう大興奮で。


 マメンチサウルスとかいうらしい。


 大昔の地球は、こんなすごいのがたくさんいたんだなー。今の地球では、陸だと象が一番巨大だけど、それとすら比べ物にならないのだから、つくづくすごい。


 しばらく見とれ、またも記念撮影。


 こうして二十分強でジュラ・パークを堪能しきりました。意外と早く終わっちゃったな。まあ、とても満足度高かったけど。


 遊園地でお土産を買ってしまったから、こちらではちょっとしたお土産だけ買い、いい時間になったので、一路ホテルと自宅を目指すのでした。

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