神奈さんとアメリちゃん

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第百六話 猫崎屋の特製牛丼!

公開日時: 2021年4月23日(金) 07:01
文字数:2,330

今日も今日とてお仕事なう。だいたいプロットも煮詰まってきて、もう一息で完成というところ。


 それはそれとして、今夜の晩ごはんどうしよう?


 山芋はお昼にとろろごはんにして使い切ったけれど、昨日使いきれなかった紅しょうがを絶賛持て余し中。青のりのほうは冷蔵庫に入れとけば結構持つと思うけれど、紅しょうがは早めに使い切りたい。どう使おうか。


 案、その一。お好み焼き。うーん、粉もの連発はちょっと飽きるなあ。


 案、その二。焼きそば。お、悪くない。青のりも一緒に消費できてグーね!


 でもここで止まらずに、次の案を考えてみたい。


 案、その三。牛丼。これも良さげ。特に牛丼屋さんって女だけだと入りづらいから、食べる機会があんまりないのよね。


 あとは……特に思い浮かばないな。よし、この二択でスーパー行ってから決めましょ!


 時刻も四時半ちょっと前。買い物行くなら今のうちだねー。


「アメリー。お買い物行きましょー」


 椅子から立ち上がり、ブロック遊びしていたアメリに声をかける。


「おおー、お出かけだー!」


 彼女も元気良く立ち上がり、外着に着替え始めた。


 さて、私も外着にチェンジしたら出陣だあ!



 ◆ ◆ ◆



 おなじみ、いつものスーパーにやってきました! ではさっそく、チラシチェーック!


 じゃん! 牛切り落としとお米がセール! あら、これはこれは。いきなり牛丼に大決定? 一応、精肉コーナーで豚肉も見てみましょ。


 ……うーん、やっぱり今日は牛切り落としのほうが安いね。焼きそばはまたの機会に~。


 お米一袋と玉ねぎ一個もかごに入れて、と。最近飲みすぎかなーと思うので、マスペとコーラは自重。牛丼に合わないしね。


 明日のぶんのパンはあるから、牛乳だけ買っていきましょ。あと、コーヒーが切れそうだからそれも。今日はこんなもんかな? では、お会計~。



 ◆ ◆ ◆



 ただいまーっと帰宅! そうそう、猫耳人間になりたての頃は靴を脱ぎ散らかしていたアメリも、今ではきちんと揃えてくれるようになっています。「偉い偉い」と頭を撫でると、「うにゅう」とおなじみの気抜けボイス。


 手洗いとうがいの後、お米を水に浸してお仕事再開!


 うーん、はかどる! かくてるハウスでのお手伝いが、いいリフレッシュになったのかな? 今扱ってるの、優輝さんとミケちゃんだしね。特に、ミケちゃんも子供同士のほうが気が合うからか、意外と今まで深く話す機会がなくて、ちょうどいい体験だったのかもしれない。


 おっと、スマホのアラームが。炊飯スイッチ押しに行きましょー。


 ……戻り! 


「おねーちゃん」


「なーに?」


 アメリが話しかけてきたので、くるりと椅子を回して振り向く。


「問題出してー」


 漢字と九九のお勉強をしていたようで、そろそろまた実力を試したいってところかな。


「OK、OK。じゃあ、問題出すねー」


 というわけで、テスト開始!


 ……おお! 漢字、九九ともに正答率が約五割! すごいなー。


「アメリ~。半分ぐらい当たってるよー! すごいすごい」


 頭を撫でると、「うにゅう」とおなじみの気抜け声を出す。


 すると、いい感じにちょうどスマホのアラームが鳴りました!


「アメリー。ごはんの時間だよー。すぐ作るからね!」


 というわけで、一緒にキッチンへ~!



 ◆ ◆ ◆



 さーて、さっそく三分でクッキングする例のBGMを脳内再生~。レシピ動画もスマホで再生。お料理頑張るぞっ!


 まず、蒸されたお米を切りまーす。


 続いて、牛肉を食べやすい大きさに、玉ねぎは半月状に薄くカット。


 そして、お鍋を用意! 火に掛ける前に、玉ねぎ、チューブ入りしょうが適量、水四百ミリリットル、お醤油百二十ミリリットル、料理酒とみりん百ミリリットルずつ、お砂糖大さじ六杯をイン!


 中火で煮立たせたら、お肉を投入~! ある程度アクを取ったら、中火と弱火の中間ぐらいの火力でコトコト二十分煮まーす。


「ふう。アメリちゃん、休憩タイムです。動画でも見ましょ」


 というわけで、お魚や猫の動画を見ながら和みタイム。やっぱりというかなんというか、猫ではアメショがお気に入りみたい。シンパシーを感じるのかな?


「おねーちゃん」


「なーに?」


 アメリが何やら真剣な面持ちで話しかけてくる。どうしたのかな?


「あのね、アメリ包丁使えるようになりたい! そしたら、もっとおねーちゃんのお手伝いできるから」


「包丁かー」


 正直怖い。でも、いつか教えなければいけないことでもある。私が最初に包丁を握ったのっていつ頃だったかな……。


「わかった。でも、本当に危ないから慎重にね。明日、包丁の使い方を教えてあげる」


「おお~!」


 瞳をキラキラ輝かせる彼女。本当に、向上心の強い子だな。頭を撫でると、本日三度目の「うにゅう」という気抜け声を上げる。相変わらず可愛い。


 そんな話をしていると、キッチンタイマーが二十分経過を教えてくれた。


「よっし! それじゃあ、ごはんにしよっか!」


 ごはんをよそって牛丼を載せ、おつゆをかけまわす。あとは、紅しょうがをひとつまみ。


 お茶をれて配膳し、テーブル中央に紅しょうがを置く。


「アメリのは、紅しょうが少なめにしといたよ。物足りなかったらそこから追加で入れてね。あんまり入れすぎると、辛くなっちゃうから注意~。じゃあ、いただきます!」


「いただきます!」


 ぱくっとひと口。うん、いい感じいい感じ! 安いお肉だけど、十分じゅうぶん美味しい。むしろ、牛丼にはこのぐらいのほうがいいよね。


「美味しい!」


 アメリもキラキラと瞳を輝かせる。良きかな良きかな


 こうして牛丼も食べ終わり、後片付け。紅しょうがは使い切れなかったけど、まだ使い道があることでしょう。


 あとは、アメリが自習する傍らでプロット執筆。そして完成! 真留さんに送信すると、まだ会社にまだいたみたいで、「明日二時に伺います」と、いつもの時刻をご指定。


 さーて、明日も頑張りましょー!

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