神奈さんとアメリちゃん

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おまけ編・その一 アメリと学校

公開日時: 2022年4月19日(火) 21:01
更新日時: 2022年4月20日(水) 21:09
文字数:1,555

「ただいまーっ!」


 やあやあ! 帰ってきましたよ、可愛い愛娘が!


「おかえりーっ!」


 寝室に戻ってきたアメリを抱きしめようとすると、「ランドセル降ろすから待ってー」と、ストップがかかる。もちろん、ランドセルの色は薄紫。


 改めて、ぎゅーっとハグ。「お疲れ様~」と労う。


 人権法案が通って、小学校に入学できるようになり、アメリもピカピカの小学生!


 ただ、やはりまだ、猫耳人間ごとに学力にあまりにばらつきがあるため、通常学級に入れるのは難しいということで、四人娘は少し離れた特別学級に、揃って入級しました。


 学校は学校で、猫耳人間の授業という経験を積ませたい思いが文科省にはあって、小学校の先生が新たに呼ばれ、教育にあたっています。


 じゃあ、押江先生はあれからどうなったかというと、土日に家庭教師するようになりました。


 学校ではゼネラリスト的に。押江先生はスペシャリストを育てるように、それぞれ教育しているわけです。


 お休みなく勉強漬けで大変そうだけど、当人はいたって楽しそう。


 おやつのドーナツとコーラを出し、アメリの学校生活トークに耳を傾ける。


「今日の給食ね! お豆腐ハンバーグと野菜スープが出たの!」


 ふふ、給食なんて懐かしいなあ。


 そういえば、小耳に挟んだところによると、給食レストランなんてのが世の中にはあるようで。


 給食そっくりなメニューを出すレストランで、内装も学校の教室そっくりにしてるんですって。


 給食。大人の郷愁を惹く存在なのね。


「美味しくて、おかわり食べたかった!」


「そっかー。今日も、美味しい給食で良かったねえ」


 アメリも、モリモリ食べ盛り。学校に通うようになって体育も始まったから、運動不足の心配もナシ。体も、一回り大きくなった。


 でも、食べ過ぎには注意してあげないとね。


 ほかにも、独学だった頃ネックだった、理科や社会の授業が十分じゅうぷんに受けられて、満足そうに「今日学んだこと」を語る愛娘。


 本当に、学ぶのが好きな子だ。


「ミケちゃんたちは、どんな感じ?」


「一所懸命勉強してるよー。ノーラが、虫の画像見て、『ギャーッ』って言ってた! こっちが、びっくりしちゃった!」


 虫嫌いなんだね、ほんとに。コンチュウジャーも、最後まで好きになれなかったみたいだし。


 ノーラちゃんは、通常教科は不得手のようだけど、体育ではやっぱり、やる気がグインッと上がるようで。実際、運動神経の良さを、十全に発揮しているらしい。


 ミケちゃんが頑張ってるのは音楽。クロちゃんは国語。


 みんな、それぞれに学校生活を謳歌しているようだ。


 思えば、アメリがそばにいない状態にも、だいぶ慣れてきたなあ。最初は、それはもうダメダメだったけど、私も成長しないとね! アメリも頑張ってるし!


 「新・あめりにっき」の連載も軌道に乗り、順風満帆!


「ごちそーさまでした!」


 おやつを食べ終わり、片しに行く愛娘。それぐらいやってあげるのに。


 アメリも、学校生活が始まったので、家事を朝食ぐらいに減らしています。これだけは、私がまともに動けないので心苦しいけど。今問題の、ヤング・ケアラーみたいな状態にさせるわけにはいかないものね。


 せっかく学校に行けるようになったんだから、よく学び、よく遊んで欲しいのが、親心ってもんです。


 おや。アメリのスマホに振動が。


 直後に戻ってきたので、仕事を再開しながら、着信があったことを伝える。


「おお? ……ミケが、うちかくてるハウスで遊びましょって!」


「そっかー。思う存分、遊んでらっしゃい」


「うん! 行ってきまーす!」


 たたたと、再度外出するアメリちゃん。


 かつては、私のアメリ依存症が原因で、みんなに家に来てもらっていたものだけど、もう、仕事に集中できないとかは、ほぼない。


 私も、自立できたってことかな。うん。


 さーて、今日の晩ごはんはグラタンですよ! 初人間食を思い出すね! 愛情込めて、作ってあげよう!

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