いやっふうううううっ!! お花見から三日後、ついにお仕事脱稿~!
「アメリちゃーん! 今月のお仕事終わりだよ~!」
「おお~! おめでとー!」
頬ずりすると、頭を撫で撫でされる。うふふ、こうやってアメリ姫様によしよしされるのは至福でござりますなあ~。
さて、時刻は四時。これは祝賀料理の買い出しに行く流れですねえ。
なーんにしよっかなー? まあ、行ってから決めますか。
では、参りましょう~!
◆ ◆ ◆
今日もおなじみ、いつものスーパー! 店内BGMがファンファーレのようですよ。ふふふ。
チラシチェーック! 天然真鯛がお値打ち価格! ふむ。真鯛ももう旬ギリギリ。食べ納めといきたいところ。
真鯛も色々使い道あるけれど……そうだ、王道の鯛めしにしよう!
「アメリちゃーん。今日は鯛めしにしようと思います」
「おおー? 鯛の料理?」
「うん。鯛の炊き込みご飯ね。これに、副菜で何か作ろうかと」
副菜はどうしましょうね。一汁一菜を付け加えたいところ。……一汁一菜の用法違うけどね。
はまぐりのお吸い物とかおめでたさ炸裂って感じだけど、砂抜きが大変なのよねー。よし、紅かまぼことお麩でお吸い物を作ろう。結構おめでたさが出るはず。三つ葉が使えたらなー。ほんとに、二枚だけとかバラで売ってくれたらいいのに。
かまぼこもだいぶ使いきれず余っちゃうけど、アメリが寝たら板わさにしてビールのおつまみにしましょ。お花見で飲めなかったのがちょっと残念だったし、たまのおめでたい日ですものね!
汁はこれでいいとして、菜はどうしようかな。ふむ。旬の締めを愉しむというコンセプトで、菜の花のおひたしにしますか。よし、これでけってーい!
「アメリちゃん、コラ・コーラ買ってあげるよー」
「おお! いいの!?」
「うんうん。でも、飲むのは明日ね。今日は色々ごはん作るから」
「はーい!」
というわけで、コーラとビールもかごにイン。
では、乾燥昆布も買ってお会計~。
◆ ◆ ◆
ただいまっと。アメリもだいぶ補助輪なしでの自転車、上手くなったよねー。
さて、炊き込みご飯なので、鯛めしは今から用意しないとね。
一度メイクを落としスウェットに着替えた後、再びキッチンへ!
「アメリちゃん。お米一合をザルで水にさらしてもらえますか?」
「りょうかーい」
私は今のうちに鯛の切り身に塩を振り、十五分放置。
「動画かテレビでも見てようか」
「猫ちゃん見たい!」
ほいほい。今回もアメショ動画をチョイスし、一緒に視聴。アメショってほんと可愛いよねー。隣に座すシルバータビー髪をした猫耳姫の頭を撫でながら、ほのぼのと眺める。
おっと。のほほんと動画にふけっていたら、タイマーが鳴りましたよ。もう一度十五分にセットし、切り身の水分をキッチンペーパーで拭き取る。
続いてフライパンに油を引き、皮側から焼き目をつける。皮が焼けたら、ひっくり返して身側にも軽く焼き目を入れる。あとは、火から下ろしてごはんの用意が整うまで放置。
再び、アメリちゃんと時間潰し。アメショはいくら見ても飽きないなー。
おおう、再度タイマーが鳴りました! 炊飯器に一合ぶんのお水と一緒にお米、薄口醤油と料理酒大さじ一杯ずつ、みりん大さじ半、塩ひとつまみのやや少なめ、だし取りの乾燥昆布、そして鯛の切り身を入れ炊飯スイッチポン!
さーて、あとは炊きあがりを待つのみ!
アメリと一緒に寝室に戻るのでした。
◆ ◆ ◆
せっかくの空き時間、アメリちゃんを構い倒すことに。お仕事中はあまり構ってあげられなかったからねー。とにかくスキンシップ! それはもう、イチャイチャってぐらい抱きしめたり頭を撫でたりしましたとも! ああ、至福。
そんなことをやっているうちに、ごはんが炊きあがったので再びキッチンへ。
炊飯器をぱかっと開け、鯛と昆布を取り出す。もったいないけど皮と昆布は捨てて、鯛の身をほぐし再び炊飯器に入れてごはんを切るべし! 切るべし! いい感じに混ざったら、再び蓋をして保温。
続いて、お吸い物作りとおひたし作り。お吸い物、おひたしともに、いつもの要領でアメリと一緒に作っていく。かまぼこは、包丁の背を使って板から剥がすと、きれいに取れるのです。使わないぶんのかまぼこは冷蔵庫へ。
というわけで、完成~!
「アメリちゃーん、いつものー」
ハイタッチの構えを取る。
「「いえーい!」」
パチン!
お茶と一緒に配膳したら、エプロン外して着席~。
「「いただきます!」」
まずはメインの鯛めしを一口。うーん、美味しい~! やはり、旬の真鯛は美味しい! こんな美味しい鯛も、まもなく旬の終わり。思い残しがないように、味わいましょう。
そしてお吸い物。色鮮やかな紅かまぼこが、おめでたさを引き立てる。ちょっといいかまぼこ買ったからね。味も実に美味しい!
さらに菜の花。これまた美味し。これも、もう食べ納め。菜の花って、本当に味わえる時期短いよねー。
お嬢様も、三種いずれも「美味しい美味しい」と大絶賛。良き哉良き哉。
……ふう、美味しゅうございました。おめでたい料理って、食べてて嬉しいよね!
「ごちそうさま」
アメリよりひと足早く食べ終わったので、アメリちゃんがパクパク食べる姿を眺める。一所懸命、美味しそうに食べてくれるなあ。本当に、作りがいがある。
お嬢様も、ごちそうさま宣言。後片付けをし、歯磨き。
寝室に戻った後は、余裕のあるうちにアメリに新たなお勉強を教えるべく、筆記用具を用意するのでした。
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