神奈さんとアメリちゃん

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第百六十五話 打ち合わせとモンテ・クリスト

公開日時: 2021年4月25日(日) 15:31
文字数:2,972

今日のお昼は二人には有り余るお餅を消化するべく、わかめ力蕎麦をいただきました。


 真留さんを待つ間、単行本表紙を描き始める。構図は、由加がにゃんでしょー光線ペンライトでミキをじゃらしているというもの。ミキの躍動感がキモね!


 ちなみに裏表紙は、残りのみるきーハウスメンバーを描く予定。さつきさんと久美さんのご要望にお応えし、作中ではそれぞれ美人度マシマシと高身長にしています。


 そんな感じでお仕事をしていると、インタホンがピンポンと。二時ジャストの真留さん時報!


 迎え入れると、アメリがピンとしっぽを立ててじゃれつく。


「真留おねーさん、久しぶりー!」


「久しぶり~、アメリちゃん」


 ごろにゃんモードのアメリを、撫で撫でする真留さん。いつもの「うにゅう」声を上げるアメリ。


「あ、こちら帰省のお土産です」


 皐月ヶ浦さつきがうら煎餅の袋を差し出す。ついでに、私たち用に買ったぶんもお皿に入れて供する。


「ご丁寧に、ありがとうございます」


 深々とお辞儀し、申し訳無さそうに受け取る彼女。


 ちなみに彼女は実家住まいなため、帰省しない。なので、帰省土産はいつも私から一方的に渡す形になっている。彼女が申し訳無さそうなのは、きっとここが理由。


「いえいえ、真留さんにはいつもお世話になっていますから。そういえば、川内せんだいさんはお元気でしょうか?」


 初代担当・川内さん。彼女が見出し、鍛えてくれたから今の私がある。とはいえ、別部署に栄転してしまったものだから、なかなか連絡が取りづらい状態が続いていた。お正月には年賀メールを送り、簡単な挨拶を交わしたけれど、ここ最近の詳しい様子はわからない。


 互いに薄情と言われてしまいそうだけど、仕事上のお付き合いがなくなってしまうと、どうしても疎遠になってしまうものです……。


「私も部署が違うので、なかなかお会いする機会がないのですけど、相変わらず忙しいながらもご健勝だと伝え聞きます」


「それは良かったです。久しぶりにお会いしたいものですけど、作品をもってメッセージに代えるとしましょう」


 「私は変わらず『ねこきっく』で元気にやっています」と示すのが、一番のご恩返しではないかと思うのだ。


「そうですね。川内さんの性格的にも、それが一番喜ばれることでしょう。では、そろそろ本題に入りましょうか」


「はい」


 ノートPCを立ち上げ、真留さんに向ける。スクロールしながら、真剣な面持ちで見つめる彼女。


「良いと思います」


「ちなみに、新キャラの案がありまして……」


 まりあさんとクロちゃんの漫画内キャラの腹案を伝える。


「なるほど、まだまだご近所さんに猫耳人間が……。出すなら、せめてもう一回この五キャラで話を回してからのほうがいいでしょうね」


「はい。私もそう思っていたところです」


 これで、さらにノーラちゃんのことを話したら、さすがの真留さんもびっくりするかしら。まあ、最初のアメリインパクト以上の衝撃は受けないと思うけど。それにしても、白部さんはどういう立ち位置にしたらいいものやら。


 ともかくも、打ち合わせも無事終わり、再度仕事に取り組むことに。続きはネーム作業に切り替え、早めに真留さんのチェックを受けられるようにしないと。


 お出ししたお煎餅は、真留さんご遠慮されたのか手を付けてくださらなかったので、私たちのおやつに。


 そうして過ごしていると、時刻は四時に。お買い物ターイム!


「お買い物行くよー」


「おお~!」


 ブロック遊びに興じていたアメリ先生が、謎オブジェの制作を切り上げ外着に着替え始める。今度はいかなるゲージュツ品が生まれるのかしら?



 ◆ ◆ ◆



 到着したので、チラシチェーック! 今日は加工肉とお野菜がお安いです、とふむふむ。


 となると、ハムとかベーコンで何か。チャーシューでラーメンというのもいいけれど……などと考えていると、ホットサンドメーカーを全然活用していないことにはたと気づく。


 十二月は多忙だったのもあるけれど、せっかく優輝さんから購入権を譲っていただいたのだから、使わないのも申し訳ない。


 ……よし! 今日はモンテ・クリストサンドにしよう!


 まずは、ハムをゲット! あとは、すぐになくなってしまう食パンと牛乳。卵は足りてるからいいかな。


 あとは、アメリの大好きなトマトとブロッコリー。


 うーん、ちょっと夕食にはあと一品足りない気がする。よし、ミートボール買っていきましょ。うん、これでいいんじゃないかしら?


 アメリも「うめえ棒」が残ってるので、特に買いたいものはないとのこと。では、お会計~。



 ◆ ◆ ◆



 ただいまーっ! と帰宅!


 さて、お仕事再開です! アメリちゃん、あまり構ってあげられなくてごめんねー。印税入ったら、どっかにぱーっと遊びに行きましょうね。


 かりかりとネームを描き進めていく。アメリ先生もブロックに夢中なようで、黙々と制作に取り組んでいる。


 そして、六時夕飯どき到来! それじゃあ、お待ちかねのホットサンドメーカーさんにご活躍願いましょう!


 二人でキッチンに移動し、脳内に三分でクッキングする例のBGMを流しながら下準備。


 まず、ホットサンドメーカーをきれいに洗う。ちなみにこちら、直火式。うん、きれいになった!


 続いて、アメリ先生に卵をバットに割り入れてもらいます。


「こうやってね、コンコンって固いものに打ち付けてヒビ入れて、割り入れてね」


 仕草を見せる。片手割りはまだアメリには難しいと思われるので、両手割りバージョン。


「わかった!」


 コンコン、ぱかっ! ちょっと殻が入っちゃったけど、菜箸で除去。


「うん、初めてにしては上手上手!」


 ぱちぱちと拍手。


 あとはこれに牛乳五十ミリリットルとお砂糖大さじ一杯を混ぜ、卵液作成! 同時に、ボットのお湯を鍋と手鍋に張り、沸騰させる。


「アメリちゃん。次はお野菜のカットです。さあ、頑張ってみよー!」


 包丁を手渡すと、少々ぎこちないながらも、丁寧にブロッコリーとトマトをカットする。ぱちぱちと拍手。


「上出来です! アメリちゃんパートはここまでね。あとは、私の出番~」


 まず、食パンにハムとシュレッドチーズを挟みます。あとはこれを卵液に浸し、ホットサンドメーカーでじゅうと焼く!


 その間に、ブロッコリーとレトルトのミートボールも茹でる。


 サンドイッチを様子を見ながら両面焼き。これは、計二セット作ってお皿に載せる。


 ブロッコリーが茹だったらザルに空けて流水に晒し、引き締めてと。


 あとは、トマトと一緒に盛り付けマヨネーズをかけてサラダ完成!


 温まったミートボールも小鉢に空け、晩ごはん完成でーす!


「今、紅茶れるからね~」


 二人で飲むだけなので、手軽にティーバッグのでいいよね。サンドイッチに使ってるから、お砂糖はなしでいいかな。


 配膳してエプロンを外し、アメリちゃんの対面に着席。


「じゃあ、いただきますしよう。いただきます!」


「いただきます!」


 まずは、主食をぱくっ! うん、美味しい! ホットサンドメーカーくん、いいお仕事してくれました。


 アメリも、「美味しい!」と瞳を輝かせる。良きかな良きかな


 サラダもぱくっ! ああ、アメリの頑張りの味がするわ~。


 そして合間にミートボール。うん、これも美味しいね!


「ごちそうさまでした!」


 二人で仲良くフィニッシュ!


 ちょっとブロッコリーが余っちゃったけど、明日の朝食にすればいいかな。


 というわけで、お片付け&歯磨き。かーらーのー、ストレッチ&入浴!


 その後は、それぞれの作業に打ち込みました。

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