セルジュ君とスティード君は夕方、手紙を携えて我が家に来てくれた。ついでに夕食も食べていくことになった。
「うわー大きな狼だね。真っ白できれいだよ。カース君のペット?」
セルジュ君って魔物に抵抗ないのかな?
「そうだよ。フサフサしててかわいいよね。カムイって言うんだよ。」
「ガウガウ」
ペットじゃない、友達だって? 当たり前じゃないか。お前も妙なところに拘るな。かわいいやつめ。
「どこで見つけてきたの?」
スティード君も意外に興味を持ってくれたのかな?
「ノワールフォレストの森の南側かな。衝撃の出会いだったよ。」
そんなことよりスティード君もセルジュ君も、そしてアレクもオリハルコンの指輪をしている。まるで私だけが仲間外れのようだ。これにサンドラちゃんが加わると五人組で私だけが……早まったかな? まあいいや。
「あら、来てたのね。セルジュ君は随分と久しぶりね。大きくなったわね。」
「エリザベスお姉さん! お久しぶりです!」
「お姉さん! この間はありがとうございました!」
姉上が起きてきた。そしてセルジュ君のお腹を見て言ってるようだ。
それからは姉上を交えて雑談、そして夕食となった。
その時、アレクが思いつめたような顔で言った。
「あの……お姉様、カース……王都への出発を三日ほど遅らせてもらえないですか?」
「僕はいいけど姉上は?」
私に急ぐ用事などあるはずがない。
「三日ね……まあいいわ。どうしたの?」
「テストがありまして、それが終わったら冬休みなんです。私も王都に連れて行っていただけないですか……」
「帰りのことを考えるとアレクが来てくれると僕は助かるかな。」
「そう。それならいいわよ。なら三日ほどのんびりさせてもらうわ。」
私ものんびりしようかな。ハードな日々だったもんなぁ……
「ねぇカース……明後日、アグニの日に実技のテストがあるの。見に来てくれない?」
「部外者が入ってもいいの? いいんなら行くよ。アレクの活躍を見たいしね。」
「ありがとう……私、頑張るから。」
おや、セルジュ君とスティード君が心配そうな顔をしている。アレクに心配なんかいらないさ。
「それなら明日は騎士学校に来てみない? 昼から実技のテストがあるよ。」
「それも面白そうだね。ぜひ行ってみるよ。」
でもどうせスティード君の圧勝なんじゃないかな? まあ弟君も気になるしね。
私も今後は剣をメインに生きていくわけだし、見ていて損はないな。
「それなら貴族学校にも見に来て欲しいけど、日程が同じだもんね。それにうちの魔法対戦はヌルいしね。」
セルジュ君は首席だったな。見に行きたくもあるが、スケジュールが被ってるのなら仕方ないな。
「じゃあ私が行こうかしら。セルジュ君の勇姿をサンドラちゃんに伝えておいてあげるわ。」
姉上にしてはサービスがいいな。珍しい。
「ホントですか!? ありがとうございます! 実技は明日の午後からです!」
何か良からぬことを企んでないだろうな?
まあ何にしてもたまには学校もいいよな。青春の香りがプンプンするもんな。クタナツに帰ったら中等学校に途中入学するのもいいかも。
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