異世界金融

〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件
暮伊豆
暮伊豆

216、アレクサンドリーネの要望

公開日時: 2022年1月26日(水) 10:44
文字数:1,251

セルジュ君とスティード君は夕方、手紙を携えて我が家に来てくれた。ついでに夕食も食べていくことになった。


「うわー大きな狼だね。真っ白できれいだよ。カース君のペット?」


セルジュ君って魔物に抵抗ないのかな?


「そうだよ。フサフサしててかわいいよね。カムイって言うんだよ。」


「ガウガウ」


ペットじゃない、友達だって? 当たり前じゃないか。お前も妙なところに拘るな。かわいいやつめ。


「どこで見つけてきたの?」


スティード君も意外に興味を持ってくれたのかな?


「ノワールフォレストの森の南側かな。衝撃の出会いだったよ。」


そんなことよりスティード君もセルジュ君も、そしてアレクもオリハルコンの指輪をしている。まるで私だけが仲間外れのようだ。これにサンドラちゃんが加わると五人組で私だけが……早まったかな? まあいいや。




「あら、来てたのね。セルジュ君は随分と久しぶりね。大きくなったわね。」


「エリザベスお姉さん! お久しぶりです!」

「お姉さん! この間はありがとうございました!」


姉上が起きてきた。そしてセルジュ君のお腹を見て言ってるようだ。


それからは姉上を交えて雑談、そして夕食となった。




その時、アレクが思いつめたような顔で言った。


「あの……お姉様、カース……王都への出発を三日ほど遅らせてもらえないですか?」


「僕はいいけど姉上は?」


私に急ぐ用事などあるはずがない。


「三日ね……まあいいわ。どうしたの?」


「テストがありまして、それが終わったら冬休みなんです。私も王都に連れて行っていただけないですか……」


「帰りのことを考えるとアレクが来てくれると僕は助かるかな。」


「そう。それならいいわよ。なら三日ほどのんびりさせてもらうわ。」


私ものんびりしようかな。ハードな日々だったもんなぁ……


「ねぇカース……明後日、アグニの日に実技のテストがあるの。見に来てくれない?」


「部外者が入ってもいいの? いいんなら行くよ。アレクの活躍を見たいしね。」


「ありがとう……私、頑張るから。」


おや、セルジュ君とスティード君が心配そうな顔をしている。アレクに心配なんかいらないさ。


「それなら明日は騎士学校に来てみない? 昼から実技のテストがあるよ。」


「それも面白そうだね。ぜひ行ってみるよ。」


でもどうせスティード君の圧勝なんじゃないかな? まあ弟君も気になるしね。

私も今後は剣をメインに生きていくわけだし、見ていて損はないな。


「それなら貴族学校にも見に来て欲しいけど、日程が同じだもんね。それにうちの魔法対戦はヌルいしね。」


セルジュ君は首席だったな。見に行きたくもあるが、スケジュールが被ってるのなら仕方ないな。


「じゃあ私が行こうかしら。セルジュ君の勇姿をサンドラちゃんに伝えておいてあげるわ。」


姉上にしてはサービスがいいな。珍しい。


「ホントですか!? ありがとうございます! 実技は明日の午後からです!」


何か良からぬことを企んでないだろうな?

まあ何にしてもたまには学校もいいよな。青春の香りがプンプンするもんな。クタナツに帰ったら中等学校に途中入学するのもいいかも。

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