異世界金融

〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件
暮伊豆
暮伊豆

102、復活の夜

公開日時: 2022年6月3日(金) 10:17
文字数:1,497

マリーからの手紙には一言『解呪していいですよ』とだけ書いてあった。


何だそりゃ!

私の覚悟は何だったんだ!

いや、まあ、喜んで解呪するけどさ。あ、だからマリーママは楽園で読めと言ったのか。村、もしあの場で読んでいたら……


ふふふ、まあいい。ありがたく解呪させてもらうさ!


「アレク、マリーが解呪していいって。」


「本当!? わ、私お風呂の準備してくるわ!」


ふふ、アレクったら正直なんだから。かわいいやつめ。ではやるか。


『解呪』


ふふ、ふふふふ、ふふはははは!

戻った! 戻ったぞ! 青臭い衝動が私の中から見る見る湧き上がってくるぞ! とても寝室まで我慢できない! 今行くぞー! いざ浴室!











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アレクにはたくさん我慢させてしまったもんな。今夜は……





結局湯船に浸かったのは一時間半後だった。アレクは私にしな垂れかかっている。かわいい……


「はぁ……カースが元気になって……よかったわ……」


おっ、ダブルミーニングかな?


「僕もよかったよ。まるで魔力を取り戻した時のように最高の気分だよ。ありがとう。」


「私の方こそ……天にも昇る気持ちって……きっとこのことだわ……」


濡れた髪のアレクは美しい。







〜〜削除しました〜〜






そんな時、浴室のドアが開いた。入って来たのはコーちゃんとカムイ。この二人はどちらもドアを器用に開けるんだよな。


「ガウガウ」

「ピュイピュイ」


カムイは洗ってくれって? コーちゃんは来ただけね。よーし。それならキアラ方式だ。水で人形を作ってそいつに洗わせてみよう。


カムイは大人しくこちらに背中を向けてお座りをしている。それを両側から二体の水人形でわしゃわしゃと洗ってやる。ここにはちょいとお高い石鹸だって置いてあるからな。これで洗えば毛並みがキシキシすることもない。当然安っぽい残り香すらないのだ。


それにしても水人形を二体同時に動かすのはやはり難しい。キアラは簡単にやっていたし、おじいちゃんだって何体もコミカルに動かしていた。私にセンスがないと言うのはこの辺りのことなのだろうか。まあいいや。よし、きれいになったぞ。


「ガウガウ」


さあ、カムイも浸かるといい。コーちゃんにはいつも通りタライに水を入れてあげようね。


「ピュイピュイ」


はーっ、幸せだ。全員で揃って入浴、幸せだ。お風呂サイコー。


少しお腹が空いてきたかな。昼は少ししか食べてないもんな。しかし私の魔力庫にはロクな食材が入ってない。二、三日食いつなぐ程度はあるが、ここでそんなショボい飯など食いたくもない。


「アレク、前回みたいな料理って作れる?」


あの深い味わいのスープなんか絶品だったもんな。


「ごめんなさい……王都があの調子だったから。食材がないの……」


あー、そりゃそうか。私の場合は香辛料だから買うこともできたけど、食材は真っ先に食べられてるよな。


「オッケー。じゃあ今夜は軽くクタナツギルドのお弁当にしようか。みんなで一個ずつ食べようね!」


悪いが普段食べてるバーベキューや一流店の食事に比べると数段劣る。冒険者の強い味方ではあるのだが。数十個はあるから今夜と明日の朝はこれを食べて、それから狩りだな。ロボ達に大盤振る舞いし過ぎてしまったか。


「ごめんねカース。また元気の出るスープを飲んで欲しかったんだけど……」


「大丈夫だよ。僕は元気だから。元気になったから!」


「カース!」


湯船で勢いのまま次の戦いが始まりそうになったが、コーちゃんからタライが揺れるから外に出てよーと言いたそうに見られてしまった。カムイからもお湯がバシャバシャして落ち着かないと……ふふふ……


私とアレクはかき込むように弁当を食べた。そして私は、アレクの手を引き……さあ……




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