現代社会では自由には生きられない……黒野翔はそんな諦念を抱きながら、猫をかぶり、良い生徒として振る舞い無難に過ごしてきた。
そんなある日、自室である手紙を見つけた。
『三年生の俺へ』
そんな見出しの手紙は、二年生だった自分が書いたもののようだった。
しかし、それを書いた覚えはない。
『彼女を救ってやってくれ』
そして退屈な繰り返しだった日々は、一転しはじめる。
――2006年頃の現代日本を舞台にした恋愛青春ミステリー!