それはまるで 猫のように。

液体。
ロット
ロット

それはまるで 猫のように。

公開日時: 2021年3月1日(月) 00:00
更新日時: 2021年3月1日(月) 00:03
文字数:584

初投稿です。ノベリズム初めて使ったので至らぬ点もかなりあるとは思いますが。

朝の教室。

今日もいつもと同じ様に窓際の最後尾という中々いい位置の俺の席で本を読む。


「おはよーっす!」「おはよ〜」

功と文が目の前にやってきた。


このクラスになって、いや、学校に通ってから初めての友人になってくれた3人の内2人。


「…おはよう」

不器用に笑いながら挨拶を交わす。


文から話し始めた。

「ねぇ、昨日テレビで 猫は液体である って研究がなにかの賞をとったっていうのを見たの!すごくない?」

猫好きの彼女はにこにこと話す。

「あっ!それオレも知ってんぜ!あれだろ…えーと、ノーベル賞だろ?」

俺は開いていただけの本を閉じて言う。

「ばか。イグノーベル賞だよ。ジョークって事。」

「あぁ〜あったねなんかそういうの」


俄然にこにこしていた彼女は急に顔を上げて言った。

「そういえば いつもこのくらいの時間にはもう優来てなかったっけ?」

「あっ…そーいやいねーな」

「確かにだ。今日は休みなのか?」

2人がキョロキョロと教室を見回す。

俺も立ち上がって優を探す。



外から鈍い音が聞こえた。

廊下側じゃない。「学校の外から」の音。

首筋になにか温度の無いものが走り、

2人と同時に校庭を見た。



優がいた。




「っっ……」

「また……っ……」

「………俺の、せいだ」


「…なんで、なんで…なんでだよッ!!」

錯乱した功が頭を掻き毟る。クラスの他の連中も何があったかを把握し言葉を無くす。





窓の外、屋根の上の猫だけが

いつもと変わらずに。



登場人物は登場順に

瓜子 英 (うりし えい)

動柳 功 (どうやぎ こう)

歴繕 文 (れきぜん ふみ)

白向 優 (はくこう ゆう)

と なっています。

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