レーセル帝国随一の才女リディア・エルヴァ―ト皇帝が統治していた時代から二百年後。
下級貴族の娘で十七歳のイライザ・バルディはレーセル城で侍女見習いとして働くことになった。
その頃,若き皇帝には立派な妃がいたが,皇后アンとの間には後継ぎとなる子供がいなかった。そこで,「皇帝は近々,側室を迎えられるのではないか」と噂になっていた。
同じ頃,イライザは仕事中に不思議な貴族風の好青年レオンと知り合い,彼への恋心を自覚するが,しばらく後,皇帝の側室に彼女が選ばれてしまう。
皇帝の顔を知らないイライザは,考える猶予をもらうために皇帝に面会を申し込むが,そこにいた人物はレオン=皇帝レオナルド・エルヴァ―トで……!?
彼女は想い人であるレオナルド皇帝や尊敬するアン皇后の頼みを受け,側室として後宮に入ることを決意する。
身分違いの恋と側室としての重責の間で,彼女はどう生き残っていくのか――?