366日

世界のどこにも、存在しないもの
平木明日香
平木明日香

星が降る夜には

公開日時: 2024年6月9日(日) 16:45
文字数:226


 一年に一度、星が降る。


 その日に一度だけ、星は夢を見る。


 失われた過去と、まだ生まれてもいない未来。



 7月7日。


 織姫は、彦星を探しに旅に出ていた。


 何億光年も離れた空の果てから、昨日と明日がすれ違う。



 人はいつか、星に還る。


 それは運命でもあり、時の約束でもあった。


 星が流れる天の川で、束の間の安らぎを得るための希望と、——夢。



 人々は探していた。


 明日が続いていくことを夢見ていた。


 だから織姫は、彦星を探しに行ったのだ。


 たとえそれが、帰り道のない航路だったとしても。


読み終わったら、ポイントを付けましょう!

ツイート