「負けられない戦いと聞いて…」 セクター35に降り立ったメルは現場と募集条件がまるっきり違う事に戸惑い、安堵した。 |追憶都市《ポリス》の求人にありがちな齟齬だ。 自動小銃を帯びたメイドが二人、新人などお構いなしに談笑している。 罠なのか本気で怠けているのかわからない。 だが油断は禁物だ。 最後の肉体が地上から消えて百年。 戦争は仮想化されて続いている。 徴募局で支給された銃は本物だ。 当局の認証がなされ引き金を絞ればプレイヤーキルできる。 ただ、いきなり初陣でそれは御免被りたかった