三話 転生
僕はまたもや見知らぬ場所へにいる様だ。動かそうにも体が上手く動かせない。僕は不安になりながらも周囲に目をやる。そこには木目の天井が見えた。
これからどうしよう
天井を見上げてからどれぐらい経っただろうか、動かない体を他所に僕の不安は時間が経つほどに大きくなっていく、すると何やら騒がしい音が聞こえた。
「dapm_pwepr」
これは人の言葉なのだろうか、僕の聞きなれない言葉が聞こえる。
スッ
僕の顔に大きな影が映る。
次の瞬間僕の全身に恐怖というなの震えが襲った。
ば、化け物
怯える僕の目に映る物とは、それは大柄の狼だった。その狼は二足歩行で立ち、僕を見下ろしている。爪は鋭利で、上がった口角からは狼の白い歯が光って見える。
僕はまたもや死んでしまうのだろうか?
その狼の毛色は朱色で珍しい色味の毛並みだった。狼は僕をじっと見下ろす。10秒ぐらい経っただろうか、その間の僕は肉食動物に睨まれた草食動物になった気分だった。
泣きそう、誰が助けてくれ、
グイッ
何かが朱色の狼を押し除ける。
すると僕の視界から狼は消え、そこにはキレイな女性が映る。僕の目に映った女性は青髪ロングの綺麗な人だった。
化け物の次は、人間?
助けてくれ!!
僕の体に手を回し、僕を優しく抱き抱える。
その女性は目には涙を浮かべ、綺麗な瑠璃色の瞳を濡らしている。
僕は混乱した。
目を覚ましてから起きた出来事とこれまでに体験した出来事がグルグルと頭の中で駆け回っていた。
そして導き出した答えとともに行動に起こす。
僕は思い通りに動かない体を何とか動かし、泣いている女性の涙を拭く動作をした。するとその女性は嬉しそうに笑い、僕を強く抱きしめる。
なんか嬉しいな、こんな綺麗な人に抱きしめられるなんて、、、、、、、、、、、、、、、、、、ん?
そこでしばらくの硬直のが入った。自分の脳みそと現実に起こっていることの乖離によって不思議にも時は止まった。
そして思考を開始する。
たしかにこの手を動かしているのは僕だし、感覚もある。でもおかしくないか?
僕は女性の涙を拭こうと動かした自らの手をじっくり見る。
これ、わんちゃんの手じゃね?
涙を拭う僕の手はふさふさの可愛らしい肉球に変わっていた。
え、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、あっ!
停止しかける思考の中、点と点が結び合う様に僕は答えに辿り着いた。
黒い部屋で犬に変えらたんか!!!
確か、黒い部屋で僕以外のみんなは人ではない化け物に変えられていた。それで、僕は犬か!!!
そして追い打ちをかける様に朱色の狼と青髪の女性が僕のほっぺにキスをする。
キスによって頬を潰されながら僕は思った。
てぇんしぇいか!!(略、転生か!)
そしてだした結論とともに視界に広がる未知の情報に対して僕はそこで思考を辞めた。
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それから簡単だった。思った通りこれは転生で僕は新しい両親を持ち、別の世界で狼人(ワーウルフ)という魔物に生まれ変わった。人間を辞め(辞めさせられ)僕は新しい世界で長生きすると心に誓った。
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