殺人願望時々食人思想

殺人鬼の生活
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プロローグ

0001 殺人名誉

公開日時: 2021年1月8日(金) 16:00
更新日時: 2021年1月27日(水) 16:27
文字数:4,350

世の中には『人間が先天的に持っているモノの論争』

つまり生まれながらに善の存在なのか、悪の存在なのかと言う論争が永年繰り広げられている。

性悪説_人間の本性は悪として、優しさや愛は偽りだと言う。

性善説_人間の本性は善として、生きていく中で悪を知ると言う。

性無記説_人間の本性は無く、生きていく中で双方を知ると言う。

どの説が正しいにしろ″あの事件″は今も尚続いていて終了の兆しは一向に見えない。

毎日1人ずつ増える被害者。

9年経っても犯人が捕まる気配も犯行を止める気配も無い。

 

"あの事件"の話を語るならば9年前に遡る__

ある地域のみで起こる2012年X月X日から始まっていると言われる連続殺人事件がある。

何人目からの死者が連続殺人事件の被害者になっているのか公表されておらず闇の中にある。

初めの頃は、殺した後に殺人事件だと悟られ無いよう証拠隠滅をしていたのかもしれないと言うのが警察の結論だ。

しかし、1人の刑事がこの地区の不信感に気が付いた事により殺人事件なのでは無いのか・・・と疑問に思ったそうだ。

1度不信感が出てしまえば、その地区で亡くなった人の死因におかしな点がある事に気が付いてしまうもので、瞬く間に連続殺人事件へと格上げされた。

しかし、9年経って今では、被害者は約2800名にまで上る。そして、今も尚続いている。

誰も殺されない日があり、必ず日曜日だと決まっている。逆を言えばそれ以外の日には誰か殺されていると言うことだ。

そして、連続殺人事件であると発覚した後、5人目以降には殺される順番の予測が立てられ、警察の警護がついていたと言うのに守りきれたのはたったの5人だった。

不思議なことに"その日"殺される予定だった人が"その日"生き残れば以降襲われる事も殺される事も無かったそうだ・・・。

つまり"その日"だけだけ守り切ればいい話なのだが最大20名の警護が付いていたとしても約2800名が殺されている。

この状況で皆"その日"が来ると家に引きこもり誰とも会おうなどとは思わないのだ・・・。

"その日"誰とも会ってない筈の被害者が亡くなっている。まるで、魔法にでも殺されたみたいだと警察官Bは語った。

一度だけ犯人と思われるDNAが検出されたが1人分しか検出されなかった為、一応犯人は1人と言うことになっている。

しかし『これ程の人数の被害者が出ているのなら複数犯である』と言う説も出ている。

 

この殺人事件の全容の殆どが分かっている上に、次狙われる人も分かっていると言う事件でも数年たっても犯人が見つからないと言う有様、警察の無能さが日に日に煽られている。

いつからだろうか、その地域は、『殺人地区』と言う通り名がつくようになっていた。

日に日に守られていても殺されると言う恐怖から殺人地区にはお金や身寄りのない無法者以外家を手放し、例え殺されても良いと思う程に人生を諦めている者が集まるようになっていた。

この事件は毎日の様に起こっていると言うのに一向に解決しないと言う不可解で怪奇的なせいで、不気味さを増している要因になっているのだろうか・・・。




ワタシが、罪を犯したのは2XXX年X月X日で、ヒトリ目のワタシの餌食は、実の母親だった。

殺した理由は無いに等しい強いて言うのなら『人を殺してみたかった』と言うのが理由になる・・・・筈だ。

第一ワタシに母親を殺す理由など、10年探しても無いと言える。自信を持って母親として愛してくれていたと思っているし、金銭トラブルも無かった為、家族仲は非常に良好だ。

毎日のように『かわいい子ね』『賢いわね~』こんな言葉を飽きるくらい言ってくれていた母。ワタシはずっとそれが嬉しかった。

そして、この言葉達がワタシにとって『頑張らなきゃ』『期待に応えないと』と言うプレッシャーになった事は一度もない。

ワタシは母がワタシを愛す度に『ワタシに殺されたらどんな顔をするのだろう』『狂気に満ちたワタシに愛を与えてなんて可哀相な人なのだろうか』と思った。

もし、ワタシに殺されたり裏切られたりした時には『お前は、私の子供じゃないわ‼』『化け物』とワタシを罵倒するだろうか。

それとも『なぜ・・・・・』と疑問の答えが見つからぬまま息を引き取るだろうか。

はたまた殺される時の痛みで、苦しみで、何一つ思考出来ぬ間に息を殺すだろうか。

 

ヒトリ目の母親を殺した理由はたったのこれだけだ。

ワタシはいつからこんな狂った思想を持つようになったのかは私にも分からない。

分かることは、ワタシの記憶の隅々まで探しても幼い頃から狂っていた気がする。

いや、狂っていた。

 

人を殺したのは母が一番初めで10歳の頃だがその他生物は前々から殺していた。

それも、まだ何も経験していない幼い子供にしてはあり得ないほど残忍で残虐な方法で・・・勿論罪悪感は無かった。

いつからか分からないが誰かを何かを殺したい欲求がワタシの中に存在していたのは確かで10歳のワタシの誕生日の日に欲が理性に勝ってしまった。

初めの方はバッタやザリガニなんて言うような脆弱で田舎なら何処にでも沸いていそうな生物の手足を捥いで動けなくて藻掻いている姿を愉しんで弱るまで待って最後に頭を捥いでいた。

「ハァァ・・・何度思い出しても・・・アレはとぉぉぉっても愉しい記憶だなぁ・・・・今がいっっっちばん愉しいか」

足が捥がれても尚『動こう』『移動しなきゃ』とでも思っているのか、近くの餌を求めて蠢く姿はとてもとても生物的な生存志向が見られた。

足が捥がれて多量出血の生物は痛みより死ぬ事への恐怖が勝つのだろうか・・・そんなことが気になったワタシはついに殺す段階レベルを上げて、犬・猫・ハムスター・ネズミ・鳥などペットとして売られている様な動物に手を出していた。

虫より動物の四肢を捥ぐには、力が多少必要だが関節を外す時の擬音では表す事の出来ない音もワタシの手に伝わる感覚も堪らなくワタシを興奮させた。

引き千切る時のブチブチなんて単純じゃない音は非現実的で果物狩りとは全く違う興奮を初めて味わった時は快楽的に失神するかと思った程だ。

こんなに残虐に殺すことで快楽に溺れているワタシのこの本性が誰かにバレ悟られる事は無かった。

ワタシは愉しんだ後の『死体処理』は完璧だからバレ悟られる事など無いのも、当たり前だと自負している。

ワタシは死体ネクロ愛好フィリア性では無いので手早くしてしまう。勿論処理時の感覚は愉しむに限る。

そもそも、死体は化学的な話してしまえば、『有機物』と言う分類で放置しておくといずれ腐敗によって異臭・病害虫と言われるハエなどの発生源となるなど、不快感を催させる以外にも感染症などの原因ともなりうる。

それのせいもあり、廃棄物処理法によって『動物の死体』は適切な方法で処理しなければ犯罪になってしまうのだ。

死んだ後は、ゲームの世界のように腐敗する前にキラキラと消えて仕舞えばいいのに・・・と思う。

だから、ワタシは其処そこら辺に死体を投げ捨てておくなんて野蛮なことはしない。

紳士に、彼らワタシに殺された可哀相な運の無い動物の死体処理は完璧にしてあげている。

死体のサイズや肉の量が増えるにつれ、面倒さは増えていくばかりだが、バレてしまった日には止めさせられた上に警察に捕まってしまうだろうから死体処理は綿密に・・・・

虫などの頃は完璧に乾燥させて粉々になるまで擂り潰していた。

そして、そこら辺に撒いたところで『それ』が元々虫だったなんて誰も思わないだろう。

特に、ワタシの住んでいるこの地域は人里離れた田舎と言う典型だからそこら辺に撒けば単なる肥料になる。

細かければその分地中の微生物による死体分解速度があがり、ワタシの犯行であると足が付きにくい。

その為、鳥類は家から少し離れた深い森の木々に血抜きをして開いた後に乾燥粉砕が常だった。

ワタシの住む地域に昼でも薄暗く感じる森があったのはとてもありがたかった。

遠くから自殺しに来る人が過去に数人いた程だ。そのおかげでこの地域では森に行くと自殺者の幽霊が見えると噂されていて近づく人間は肝試しの為に入る子供くらいだ。

問題があるとするなら子どもは好奇心旺盛であるせいで動物の死体の様なモノがあれば気になって近くで見ようとする子がいる。

それも、兼ねてワタシは木々が密集していてより暗い木の上に上り吊るしておくようにしている。

勿論、上を見ても葉っぱに隠れて見えない。

干している死体から血が滴り落ちる事を防ぐために血抜きもしている徹底ぶりだ。

 

鳥までのサイズ感ならば粉砕も多少楽だが・・・犬猫のサイズになると手やそこら辺の石で擂り潰すのは数日使ってしまいそうなので流石にしていない。

犬猫に手を出す頃には森に住めるくらいの設備が出来ていた。

電気とかそういう物じゃない方の設備だ。

真夜中に死体処理をすると言うのに電気や炎を使えば、自分は此処だと信号を送っているようなモノだ。

暗いところで長時間作業していると暗順応によって作業しやすくなるから暗さを気にしたことはない、それに木々から漏れる月明かりが少し手元を照らしてくれるから真っ暗に感じない。

犬猫の処理は基本的に骨と肉を分けて肉は鶏のから揚げ程度に切って・・・骨は勿論砕いていた。

至って単純だけど面倒としか言えない、ワタシからしたらわざわざ死体処理なんてしたくないものだ。

その時間を他のナニカを殺していきたい。

ワタシは死体処理の際に部位ごと臓器ごとに一旦分けていたのもあって小学生にしては生物学が特に得意だった。

その頃年齢的に生物学なんて教科は学校で習わなかったのが残念だ・・・きっと学年トップの成績だっただろうにとか思ってみる。

こんな長い前置きは置いておいて、今日から毎日殺した人達の記録でもしようか・・・

殺し方、感想、日にちたったこれだけでも愉しい物語だ。

今では、殺した人の肉を食べる趣味もある。所謂、人肉嗜食カニバリズムだ。

過去に、薬になるとして飲む事や飢饉や戦争、遭難など、食料不足によって人肉を食べざるおえなくなったと言う話が存在するがワタシは栄養より食べることに対する嗜好が理由だ。

そもそも、栄養学的には人間は栄養が豊富じゃない為、栄養的な面ではメリットはあまりない。

 

旧約聖書の一文に『もし神に逆らい続けるなら処罰として、疫病や敵への敗北、不作や野獣による荒廃の後、ついには自分の息子や娘の肉を食べることになる』と書かれ神に逆らうなと警告されている。

それならワタシは神に逆らい続けたのだろうか、神の存在を否定している私はきっと逆らっていることになるのかもしれない。

この10年程、ワタシは人を殺し続けたのだ、人肉嗜食カニバリズムに目覚めてしまったのも、それが理由と言われれば納得がいくが、ワタシの願望は未だに叶っていないのだから、処罰は時期早々だと感じてしまう。

後書き

校正:やすやす

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