うだつの上がらないエッセイ集(2)

思いつきで気楽に更新します。基本的に一話完結なので、お好きなページをご覧いただけると嬉しいです。
月澄狸
月澄狸

夢の中進歩

公開日時: 2022年1月11日(火) 16:10
文字数:631

 夢の中で、どこかの建物内にいました。スーパーか、ショッピングモールか何かでしょうか。

 そこでネズミをつかまえました。私はそれを、外に逃がしてあげようとしました。

 しかし建物内で目移りし、目的を見失い、気づくとネズミがいなくなっています。


 私はやっとの思いでネズミを探し出し、手に持ちました。

 それでもまたしばらくすると、うっかりネズミのことを忘れ、気づいたらいなくなっています。


 1つの目標もこなせないとは無責任な。逃がしたいならさっさと外に逃がしに行って、あとで建物を見て回ればいいのに。けれどなぜだかそうしません。


 小さい頃、お気に入りのぬいぐるみをなくして泣きましたが、あんな感じでしょうか。

 小さい頃って、大事なぬいぐるみや風船を手に持っていても、集中力が切れるのか、何かに夢中になるのか、すぐ手を放してしまうんですよね~。


 結局、夢のネズミは逃がせたんだかどうなのか。途中でネズミの死骸をたくさん見ましたが、私は殺しませんでした。


 こんなに無責任で意味不明な夢でも、今までの夢に比べたら随分と進歩しています。なぜなら私はよく夢の中で、小さな生き物を押しつぶしたり握りつぶしたりして殺しているからです。


 目的を達成できたんだかできていないんだか分かりませんが、「ネズミが建物内にいるから逃がしてあげよう」というのは、自分の現実的な理想に近いです。

 ネズミにとっては余計なお世話かもしれませんが……。この調子で、夢の中でも「自分本来の意志」に近づけていって、優しくなりたいです。




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