うだつの上がらないエッセイ集(2)

思いつきで気楽に更新します。基本的に一話完結なので、お好きなページをご覧いただけると嬉しいです。
月澄狸
月澄狸

可愛いクサギカメムシ

公開日時: 2021年8月29日(日) 17:16
文字数:576

 カメムシが若干苦手です。神出鬼没なところ、動きが速くてよく飛ぶところ、多分人を刺すところなど。

 でもこの間出会ったカメムシは可愛かったです。


 コンビニで買ったジュースを店内のイートインスペースで飲んでいたときのこと。目の前のガラス窓の上をてくてく歩いている、でっかいクサギカメムシが目に入りました。私は若干カメムシを避けながらジュースを飲み終えました。


 コンビニは出入りが多く、店が小さいからか、よく虫の姿を目にします。カメムシも、自動ドアが開いた瞬間に飛び込んでしまったんですかね。


 ジュースを飲み終えた私は、クサギカメムシを連れて外に出ようと思って、カメムシの目の前に私のポーチ(?)を差し出しました。カメムシは、急に目の前に出てきた謎の物体に驚いて脚を止めました。そのまま少し迷っています。私は腕をプルプルさせながらカメムシの動向を見守りました。


 と、カメムシはとことこ歩いてポーチの上に乗ってきました。

 私はポーチを持ったまま腕を引きましたが、私が動いてもカメムシは驚かず、外に出されるのを待っているようです。


 私は外に出て、駐車場の植え込みのところでポーチを置きました。


「それ、私物だから卵産まないでね」

 私が心の中でカメムシにそう頼むと、カメムシはおとなしくポーチから降りてゆきました。


 暴れも飛びもせず静かに歩き去っていったクサギカメムシ。可愛かったです。




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