うだつの上がらないエッセイ集(2)

思いつきで気楽に更新します。基本的に一話完結なので、お好きなページをご覧いただけると嬉しいです。
月澄狸
月澄狸

仕事できないなりの仕事術

公開日時: 2022年12月25日(日) 22:02
文字数:2,533

 私は物覚えが人より悪いです。「そういう風に思い込まなくていいんじゃない?」とか言われるのですが、得手不得手は自覚しておいた方がマシになる気がするのです。干支の牛さんが、自分はゆっくりだと自覚して準備できたように。


「仕事を覚えるにはメモを取ればいい」という情報を見て、今はそうしています。前職では、とてもじゃないけどメモなんて取っている暇はなく、そんなことをしたらまわりの人からイライラされるのは目に見えていました。書くのにも時間がかかるので。

 私が、ちょこっとくつろぐタイミングや、てきぱきするべき場面などを把握できず、空気を読めていなかったということもありますが。前職では、私の仕事のできなさを見かねた上司からも「メモを取ったらどうかな?」とアドバイスいただきましたが、結局メモは取れませんでした。「マニュアルがあるよ」とも言っていただきましたが、その頃には仕事が大嫌いになっており、「仕事外でまでマニュアルを読んで勉強なんて無理だ!」という心境でした。定時で帰れるみたいに聞いてたのに、毎日残業が長くて定時帰りなんてめったになかったし、通勤時間も長かったし。


 今は、落ち込んでいるときは仕事を思い出したくないですが、基本的に楽しくできる仕事をやっています。相変わらず仕事というのは時間との勝負、そこはもっとみんなゆっくり生きられたらいいのにと思いますが(「仕事をする側」と「お客様」みたいな、立場の違いがなくなれば良いのかな)、「仕事が面白い」「次はもうちょっとああしてみようかな」という、前職のときは存在しなかった感覚も芽生え始めました。


 将来性云々を考えると頭が痛いですが、なんとかなればいいなぁ。私は人並みには生きられない、無理してもしょうがないと思っています。自分に甘々です。下手に厳しくしても、見当違いに消耗するだけ。


 子どもの頃などは、同年代の子とはほとんど喋れませんでした。ものすごく、対人恐怖症みたいなやつでした。で、虫ばかり追っかけてました。

 でも本当は友達が欲しくて、どうしても人と喋りたかったから、謎に文章を書いて先生に渡しまくったり(そうしたら物書きへの道が開けると思っていた。また、作文の宿題があったから、文章を書くのは良いことだと思っていた)、ネットに入り浸り始めたりしました。


 文章が私を進化させたか、退化させたか。私は進化だと思っています。昔は荒らし・喧嘩師で、ネット上の人とまともに喋れなかったけど、今はこれでもだいぶマシになりました。

 現実での人間関係の要領も、ネット上で人間観察をできたおかげで、少しはつかめました。人間というものが何を言ってくるか、どのように考えているか、ある程度予測可能になりました。まずは店員さんと喋れるようになり、今では、仕事で業務上の会話が成立しています。もう、「月澄狸は返事ばっかりで全然仕事しないってみんな言ってるぞ」とまで強烈なお叱りを受けることはないんじゃないかと思います。


 コミュニケーションが取れないのは、仕事ができない要因の一つになるんですね。仕事の内容にもよりますが、社会のルール的なやつが分かっていないと、感覚がズレます。仕事とプライベートは、まったくの別物でもなく、基本ルールは、学校の友達関係とかと一緒なのでしょうね。

 結局いつだって人は生きるために生きている、そこが大きな基本であり、そこを一方的に妨害すると(トイレとか食事とか睡眠とか)、ひどく立腹されるのでしょう。


 たまにネットで「なんでそれ言うんだ?」みたいなコメントしてる人見ますが、ああいう人も過去の私みたいなものかもしれませんね。ダンゴムシを見ていたらどういう生き物か少し分かるように、ネットという空間で、人のコメント欄をボケーッと覗いているうちに、多少人間というもの、コミュニケーションというものが分かってきた……気がします。


 小さい頃から基本的に友達もいない(いたとしても後で考えたら変な人、性的なことしてきたり勧誘してきたり)、コミュニケーションを学んでこなかった中で、「人間社会によくここまで適応したな自分」と賞賛してやりたいです。マイナス500からスタートしてマイナス50くらいにはなったんじゃないでしょうか。それは過大評価かもしれませんが。


 未だに仕事では基本を覚えられておらず、メモに頼りっきりです。何度も何度もメモを見る。

 これを毎回まわりの人に聞いていたら、ヤバかったでしょう。聞かないと分からないなら、一人で作業できませんもんね。メモは偉大です。どうしても分からないことは上の方に連絡を入れる、その線引きも少しは自己判断できている気がします。


 最近入ってきた新人さんが、全然仕事できないと言われています。前職の私みたい……いや、前職の私よりはみんな、誰もが頑張って生きています。

 能力の差は誰にだってある。仕事できる人にもできない人にも負担がかかりすぎない、誰もが幸せに暮らしていける社会になったら良いですね。

 ……などと大口叩ける立場ではありませんね、私は。おぶわれている身ですから。


 とりあえず、仕事できない人……心の中で応援しています。仲間だーって思っています。性格悪い人は無理だけど、優しくて仕事できない人には幸あれ。

 お互い辛いね。みんな好きなことで、まったり遊びながら生きていける世界になったらいいのにね。なんで仕事ってあんなに必死にやるんだろうね。客と企業とか、プロと素人とか、線が段々なくなって、みんなでやれば良いのかもね。


 ユートピアが実現できたらどんなでしょう。争いも防犯も、書類にハンコ押す時間とかも、いらないもの全部なくなって、時間に追われなくて、食品ロスも物品ロスも減って、地球に負担がなく、野生生物たちとも快適に共存、人間の体力的・精神的ストレスも減る……そんな自然な世界。


 夢見る力で踏ん張りましょう。明日は思ったより良いかもよ。ずっと悩んでたことが、意外なものの出現で救われるかもしれません。明日はどうなるか分からない。それってハッピーかも。

 現実逃避が命を救うかも。批判されても、自分だけは自分の味方でいたいですね。ゆるゆると、ほどほどにテキトーに生きましょう。幸せになるために生まれてきたんだから。




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