うだつの上がらないエッセイ集(2)

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月澄狸
月澄狸

イライラすることで、自分の「大事なもの」「好きなもの」まで潰してしまう

公開日時: 2021年8月2日(月) 21:51
文字数:852

 泣きっ面に蜂。弱り目に祟り目。


 嫌なことがあって考え事をしていたせいで、あるいはイライラして乱暴になってしまったせいで……お気に入りのものを壊してしまった。そういうこと、皆様にはあるでしょうか。



 最近、気づくと私の足に蜘蛛が乗っていることが2度ありました。私はそれを「何かのメッセージかな」などと微笑ましく感じつつ、外に逃がしたりしていました。


 しかし今日、「腕がかゆいな」と思って見てみたらゴミが付いているのが目に入り、反射的につまみ取ってしまいました。



 ……それはゴミではありませんでした。小さな蜘蛛でした。



 やってしまった。

 生きていたのに。潰してしまいました。



 腕や足がかゆいということは、虫が「歩いている」可能性が高いので、自分に余裕があって気分がスッキリしているときなどは自然に「あれっ、虫かな?」と気づくことがあるのです。なのに今日は反射的に潰してしまいました。


 命を奪ったというのに言い訳が沸いてきます。


 今日は疲れていました。

 あと、上手くいかないことがあってイライラしていました。

 そういうときはよくこういうことが起こるのです。逃がせたはずの虫を潰してしまうようなことが。



 イライラしてさえいなければ、反射的に蜘蛛を潰したりしなかったかもしれないのに。

 さらにイライラしてきます。



 でも、「疲れていた」「イライラしていた」って、どんなことに対しても言い訳にならないんですよね。「もしこうだったら……」と言ったって、失った時間は取り返せません。「常にベストであれば良いのに」と言ったって、常にベストではいられないのが人生かもしれません。



 今回のことで分かったのは、イライラすると余計に嫌なことを起こしたり、自分にとって大切なもの・好きなものをぞんざいに扱って潰す羽目になるということです。



 怒りに身を任せるのもいい。愚痴ったっていい。

 でもどこか冷静に、余裕を持って。自分に対して客観的に振る舞って、さらに大事なものを失わないように気を付けないと。


 せっかくの蜘蛛との触れ合いを潰してしまったことで、そんな風に思いました。




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