うだつの上がらないエッセイ集(2)

思いつきで気楽に更新します。基本的に一話完結なので、お好きなページをご覧いただけると嬉しいです。
月澄狸
月澄狸

見返りを求めてしまうのが嫌だ。縛られるのが嫌だ。

公開日時: 2022年7月18日(月) 07:31
文字数:3,367

 これはだいぶ前に書いたエッセイです。文中で出てくる私のルーティンなどはもう変わっています。





 SNSでフォローしてくださった人の投稿を見ていいねを押していて、しばらくすると「この人一回も私の投稿にいいねしてくれないな」と気づく。しかもそのようなフォロワー様ばかり増えていく。

 するとタイムラインがゴチャゴチャになります。そして「読んでもくれないのになんでフォローするんだろう……。そうか、これがフォロー集めか」と知ることになります。


 不特定多数の人をバーッとフォローして、フォロバを集めて、あとでフォローを解除しまくって、フォロー数よりフォロワー数が多い状態にする人もいますね。そうするとなんか、すごいアカウントに見えるのでしょう。

 ズルいなぁと思います。でもなんか、いいねしてくれるとかくれないとか、ちまいことでモヤつく自分が嫌です。


 やっぱり、「返す」というのが違うのですよね。

 誰かがいいねしてくださっても、別に返す必要ありません。自分の見たい投稿を見れば良いのです。「いいねありがとうございます!」とかコメントがきても、「いえいえ、すごく好きなので!」で終わり。「よかったら他の投稿も見てください!」と言われても「気が向いたら」でいいし、こちらをフォローしていいねしてくださったとしても、返す必要ないのでしょう。


 いいねもフォローも何も返ってこなくても、好きな方の投稿は見ているだけで幸せです。

 マンガを買うときも、見返りなんて求めません。ひょっとしたら作者様が振り向いてくれるかも……なんて、そんな理由で買うはずありません。作者様が振り向いてくれたり喋ってくれたり、そういうことを求めているんじゃなく、純粋に作品が好きだからお金を払う一方です。それで良いんです。


 なのに、SNSだと。こっちは読んでいるんだから、読んでほしいな~とか。どうせならいいねや評価をくださる人と繋がりたい、いいねが返ってこないのに人の投稿ばかり見ていると、時間だけ経ってこっちは何も得られないから……とか。他の人が評価されているのを見て嫉妬するとか。まぁ、自分の感情の醜いこと。


 SNSに向いていないのかもしれません。

 図書館であれば、作者と繋がることはありません。フォローやいいねをするとかしないとか、そんなことで一喜一憂もしません。純粋に読みたいものを読むだけです。


 読みたいものは、日によって変わります。動物が主人公の話を読みたい。虫の話が読みたい。絵本が読みたい。SFが読みたい。

 それが、SNSのフォローだと、フォローする人は選べるけど、タイムライン巡回が主となってしまって、自分で読むものを選べないのです。


 じゃあ、そのときそのとき気分で読みたい人をフォローしまくって、気分じゃなくなったら解除しまくる?

 いやいや、「作品好きです!」って言ってフォローしまくっておいて、気分が変わったらフォロー解除とか、個人的にはナシです。


 フォロー解除されたら傷つきます。それも、話したこともない、投稿に興味ないような人なら別に良いけど、いつもいいねやコメントをくれていた人が去ったらショックです。

 フォロー解除はされずとも、いつもいいねしてくれていた人がいいねしてくれなくなり、いいねしても返ってこなくなったりしたら、「なんで嫌われたんだろう……」って思います。私は来るもの拒まず去るもの追わずでありたいですが、嫌われたかなと思うと悲しく、そうサッパリした気持ちではいられません。


 ……ってなことが絡んできますが……。

 ゴチャゴチャ、ゴチャゴチャと考えて、創作もせずタイムロスしているのが嫌です。

 いいねが少ないからと、誰かの投稿にいいねして回ったりとか、そういうことしてしまうのが嫌です。

 かといって、「◯◯だから好き」「◯◯だから嫌い」みたいな、選民意識的に人と付き合うのも嫌です。

 で、フォロワー様の投稿じゃなければ素通りしていそうなものを、フォロワー様だからといいねするのも嫌です。


 私はマイブームの変化はあるけれど、基本的に人外萌えです。でもSNSだと人が人気で、イラスト等で検索していると女の子が多く、人、人、人、人……。人のイラストが多いです。

 またファンタジー小説でも、人がメイン、色々な種族がいても、人の形、人みたいな文化がメインだったり。

 それが悪いなんてことは当然ありません。けど、もっと人外のも見たいなぁと思ったり。

 それも人外ならなんでも良いわけじゃなく、さらに好みで読んだり読まなかったりします。


 また、虫の創作がしたいけど虫の知識がない……などとも思います。虫の本を読み漁っていればいくらか知識やネタを得られるかもしれませんが、SNSのタイムラインを見るのが癖の場合、ずーっと人間の情報を見ることになり、それ以外を得る時間がなくなったりします。小学生の頃は虫の図鑑ばかり読んで虫博士なんて呼ばれていても、大人になって虫と関われる時間や情熱が減ったり。


 ブックオフで立ち読みなら(今は立ち読みダメらしいけど)、しばらくマンガを読んで、「もういいかな」と閉じて帰ったり、あるいは次に来たときに続きを読んだり、少し読んだ途端「超面白い!」と買っていく作品があったり、一度は閉じて帰ったマンガが気になって後日買ったり、買っていたシリーズを読むのをやめて売ったり、以前売った作品を買い戻したり……と、とにかく自由です。

 人に自分の行動を宣言することがないし、「自分の言動の辻褄を合わせなきゃいけない」なんてこともないから、「人外萌えって言っておいて歴史物ばかり読んでる」などと責められることもありません。ひたすら気まぐれに読めるのです。もちろん、マンガ以外のことが気になったら、ブックオフ通いをやめて、虫撮りに出るかもしれません。


 SNSだと言葉で語ってしまう分、自分の言葉に無自覚に縛られている場合があると思います。

 人付き合いが絡むと自由に動きづらい。けど人付き合いしていない作者様なのか、ミョ~に人々を見下した感じのエッセイ書かれる投稿者様とかいますが(「学のない素人の作品なんて、知識もないしつまんないんだよ」「馴れ合いとか傷のなめ合いとかウザい、馬鹿馬鹿しい」みたいな)、ああもなりたくありません。

 あんな排他的で感じ悪い人の作品が心温まるストーリーであるはずないし、「自分には一般人に染まれないほど才能がある」と思っているんだか何だか知りませんが、優しさを感じられない作者様は無理です。何が楽しくてその人の作品を読まねばならないのか分かりません(まぁそれも例外あるかもしれず、あまりに感じ悪い方に吹っ切れていると、かえってキャラ的に面白い可能性もなくはないですが)。


 つまり、あー、何でしょう。

「色々したい、全部したい」と、「色々削ってもっと好きなことに集中したい」の狭間です。


 そうです、誰も悪くありません。時間が無限なら良いのです。時間に限りがなければ良いのです。

 でも事実、時間があるから、何を選択するのか選ばなければなりません(重言だけど)。

 それが心苦しい。でも優柔不断だと、自分のやりたいことをする時間がとれず、自由時間なのに自由に過ごせない。特に私は人よりノロマなのだから、選ばないとすべてはできません。


 こうやって日々、時間を過ごし、老いていく。今後何か重大なことが起これば、SNSにも来られなくなり、創作もできなくなるかもしれない。手や体が動かなくなるかもしれない。死ぬかもしれない。ますます時間がなくなるかもしれない。ただでさえ、細かい雑用で創作は中断されるし、好きなことであっても時間がかかるのだから。


 そう思ったとき、今の状態で後悔ないのか? って、考えていきたいです。

「作品もあまり書けないまま終わったなぁ」と……「もっと書いておけば何かあったかもしれないな」と、思いそうな気がします。

 でも人と関わらなければ、創作せずにゲームばかりしていそうな気がします。


 誰も傷つけずに自由になりたい。

 でも嫌われるのが怖い。距離を置かれたくもない。人と繋がっていたい。お話したい。

 人の投稿を見るのが好きなのです。嫉妬したり、影響されてパクりみたいになったらどうしようとヒヤヒヤするけど。


 あー、煮え切らない自分がめっちゃウザイです。

 自分が何をしたいのか、何が言いたいのか、分かりません。




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