無意識に、リアルに書こうとしていました。
小説を書くとき、それがファンタジーであれ、ちゃんと理屈が通っていて無意味な矛盾がないもの……キャラクターがブレたり、設定があやふやだったりしないものを目指していました。それぞれの心理や言動、「なぜそうなった?」「私だったらそんなことはしないけど」という部分を宙に浮かせたままにせず、「それならばこうしてしまうのも分かるな」などと共感できるように、「しっかり」書こうと。
しかし私の書きたいシーンやらキャラって、荒唐無稽でも書けそうだと思いました。訳分かんない、ヘンテコな夢の世界みたいな。
私は自分の創作物をカチッとさせようとして手が止まっている……
「自分なりにこんなに真剣に書いたのに読んでもらえない」と嘆いている……
だったら、意味のない「真剣」縛りなどやめてしまえば良いのでは?
荒唐無稽でもギャグ漫画みたいなのを目指すとなると、笑いのセンスが必要でしょうが、別にシリアスでもコメディでもなく訳分からん世界で良いのでは。
たとえば私は変な宗教の狂った教祖みたいなキャラが好きなのですが、それを書くとなると、序盤もしくはのちに、あるいは明かさないけれど匂わせるような「その人がなぜそんな思考になっていったのか?」設定が必要だと思っていました。狂ったり、人を殺したり、そういうことに何らかの動機があるはずだ、と。
しかし私は無意識に、そこのところのハードルを上げまくっていたため、小説を書けなくなっていたのではないでしょうか。
世間知らずな私がリアルなんて目指したってしょうがないのです。漫画でよく「頭脳明晰、スポーツ万能」「どんな仕事もきっちりこなす」優秀キャラとかいますが、リアル路線なら私は優秀キャラなんて描けません。自分が無能なのに、どうやって優秀な人の気持ちが分かるのか。分かっていたなら、自分自身をもうちょっと優秀にできたでしょう。
無能な私がリアルを追求すれば、無能キャラ、落ちこぼれキャラ、ニートキャラとかしか書けないでしょう。それが一人いるのはまぁ良いとしても、創作世界を回すには多様性が必要で、内気キャラが10人いたところで誰も動こうとせず、話が進まないでしょう。
でももう良いんです。リアルじゃなくて良いんです。「主人公はどういう人間で、どういう過去か……」とか、頭の中で温めたり、設定を練るだけ練ってポシャったりさせずとも、もっともっと訳分からん世界を書けばいいのです。
リアリティのない、訳分からん世界を描くのに、そこまで労力は必要ないはず。すると「あんなに苦労して書いたのに、アクセス数が……」と一々嘆く必要もないはず。夢みたいなメチャメチャなので良いから書きまくればいいのです、私の場合。それで試してみましょう。
……試すと言いつつ、また投稿できないかも。
読み終わったら、ポイントを付けましょう!