うだつの上がらないエッセイ集(2)

思いつきで気楽に更新します。基本的に一話完結なので、お好きなページをご覧いただけると嬉しいです。
月澄狸
月澄狸

草に呼ばれて

公開日時: 2021年10月14日(木) 23:29
文字数:288

 ある朝。

 いつも通る道の、いつもは足を止めない場所で、野草の葉の美しさに見とれて立ち止まりました。


 写真を何枚か撮りました。

 色合いや模様がとても美しかったのです。


 そして数時間後。帰りに同じ道を通ると、草たちは草刈りで姿を消していました。

 あの朝、野草たちは自分が刈られることに気づいていたのでしょうか。

「美しい今の姿を撮っておいてほしい」と呼びかけてきたのかもしれません。


 以前にも、野草を撮りに行った日が偶然草刈りの日で、今撮ったばかりの草を、草刈りの人が刈ってゆかれたことがありました。


 生きているものってなんだか、儚くて切なくて愛おしいですね。

 それは人間も同じなのかもしれません。




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