うだつの上がらないエッセイ集(2)

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月澄狸
月澄狸

アドバイスへの不信感

公開日時: 2022年6月7日(火) 16:25
文字数:1,493

 私はアドバイスをいただくのがちょっと苦手です。命令みたいに聞こえ、重荷に感じてしまうのです。アドバイスをくれた人に次会ったときに、「こないだ言ったアレやった?」と聞かれたらどうしようとか。気の進まないことを勧められると、難しい宿題を与えられたみたいに憂鬱になります。


 以前は、人から言われたアドバイスを実行しようとしてみたこともありました。でも、モヤモヤしました。アドバイスをくれたその人みたいには振る舞えない。タイプが違うからです。

 言うとおりにアドバイスを実行してみたつもりだけど、変な空気になりました。一言アドバイスされた程度では、正解もよく分からないし。


 的確に一言、「これやっとかないといけないんだよ」といった、仕事のアドバイスなどだったら非常にありがたいのですが、答えのない人生とかのアドバイスには困惑します。「それやって良くなる保証ある? というか、何を元に、それの方が良いって言ってるの?」と。


 人から勧められたことを実行したら大抵、「申し訳ないけどあんまり、良かったとは思えないな」という結果になる。学校の授業や仕事じゃないんだから、アドバイスを実行して報告したところで何もありません。時間を取られるだけで、お金になるわけでもなし。

 そんなことを繰り返して、アドバイス不信になりました。そもそも私は人の意図が分からないし、言われたことを言われた通りにできもしないのです。


 私は学校でいじめられていたことを未だに引きずっています。あのとき誰かが毎日、私がいじめられる度に相手に「そんなことしちゃいけないんだよ!」と言って守ってくれたら、どんなにありがたかったことか。

 でもそんな都合の良い人、いません。もしそんな人が10人に一人でもいれば、世界からいじめが消えていることでしょう。クラスって大抵、30~40人くらいですもんね。


 結局アドバイスをくれる人って、安全地帯から無責任にああだこうだ言うだけ。私の個性とか状況を完璧に見抜いて言ってくれるはずないと思うのです。こちらの幸せなどどうでも良いはず。みんな忙しいし、専属カウンセラーじゃないんだから。その割にテキトーに口出すけど。


 こちらの幸せを願うなら。的確に見抜けるんなら。「そんなことよりこうしてくれた方が嬉しいな」ってこと、たくさんあります。アドバイスは人の幸せ云々のためではなく、「私はそのやり方、気に入らない」という意思表示に過ぎないのかもしれません。それをまるで「あなたのため」みたいに正当化している。


 たとえ誰かの言うことを聞き続けたって、私が誰かの好みの人になることなどないでしょう。元が「好きじゃない」のでしょうから。苦手な人に、「もっとこうしてくれたら良いのに」と伝えて、それを相手が1つや2つ実行してくれたところで、その人のことが好きになることはなく、次から次へと不満が沸いてくるものだと思います。

「あなたのキャラクターが好きじゃないからこうしたら?」と言われているのだとしたって、私は私でしかありません。根本的に感性が合わないのでしょう。


 もっと振り切れるようになりたいです。相談しているつもりではないけど、相談しているかのような話ばかりしてしまっているのかもしれません。私も世界に対して、分かってもいないのに「こんな社会になれば良いのに」などと言うし。無意識に、誰かに何かを強く勧めてしまっているかもしれません。

 余計なことを自ら言い出さなければなぁ。キジも鳴かずは撃たれまい、ですね。


 自信はないけど、自分しか信じられません。自分の思った通りにやってうまくいったことはないけど、思った通りにできる方が幸せなのでしょう。




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