うだつの上がらないエッセイ集(2)

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月澄狸
月澄狸

やっぱりまだ化かすの下手だな

公開日時: 2023年5月6日(土) 06:29
文字数:992

 男性キャラを描くとき、「女性が思う男性キャラ」しか描けないことを、ちょっと嫌だなと思ってきました。性欲の欠片もない若者キャラとか。「異性ってこうだよな」と想像で描いても、本当はなんかちょっと感覚的に違うんだろうな、とか。


 映画とかで、明らかに危ないシーン、危ないシチュエーションで、女の子が男性を警戒していない、「人は人を信用していいんだ」と思わせるような描写を見るのも、なんかちょっと嫌でした。私は性善説を信じたために性犯罪に遭い、しかも「隙があるお前のせいだろ」と責められたので。

 優しい世界を信じたことを責められるくらいなら、最初から醜い本性を露わにしておいていただきたい。今、「性的なことを不快に思う人も多いので、安易に口に出してはいけない。セクハラは犯罪」とかいう風潮ですが、そうやって包み隠され、社会が美化されることで、一種の平和ボケみたいなヤツがいっぱい育つんじゃないでしょうか。「現実は思っていたのと違った」ってこと、多そうです。


 けどなんかどうでもよくなってきました。現実と創作物は違うのです。自由に想像し、美化し、世界のすべての人が信頼し合う世界を描こうが、性善説でもなんでも繰り広げようが、いいじゃないですか。理想の限りを詰め込んだ王子様キャラに好きなセリフを言わせても、すべて独りよがりに突っ走っても構わない。だって創作なんだから。


 創作と現実は違う。でも私みたいなドリーマーは未だにその境界線が分かっていない、夢見る阿呆なのかもしれません。それでいて夢に浸り切れてもいないから、世に認められる最高傑作を生み出せていないのかも。もっと歯の浮くような奇麗事をうまいこと紡げれば、多くの人の心を酔わせることが可能なはずなのですが。


 現実とかけ離れた幻想で華麗に化かし、大儲けしてみたいもんです。

 つっても仮に大当たりで100万円くらい当てても、安泰でも何でもないであろうこの世の中。

 やっぱり世間知らずなままでは以前の二の舞かもしれません。まだどこか性善説に浸っているのかも。


 人に夢を見せ、単純な人はその夢を真実だと錯覚してしまう……。幻術で金を得ようってのも、けっこう罪なことかもしれませんね。

 すると私がネガティブを垂れ流しているのは、人を化かしたことへの償いというか、警告の意味もあるのかもしれません。「気ぃ抜いて食われても知らんぞ」と。悲劇すらもどこかズレていますけどね。




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