「才能は開花させるもの、センスは磨くもの」
クラスの女子がそんな言葉を言ってキャーキャー叫んでいた。
その後調べてみたのだが、どうやらある漫画のセリフらしい。スポーツ漫画で絵柄的にもかっこいいキャラクターが多かったので、女子からの人気も高いのだろう。
さて、そんなことはどうでもいい。この言葉についてだ。
この言葉は核心を付いていると思う。才能もセンスも、昔から開花や磨くといった言葉で表現されていたはずだ。
でも、この言葉を知らない人(この言葉を聞く前の僕とか)は、
「才能あるやつには勝てない」
「センスがないから無理だ」
といった考え方になっていたと思う。
そう、ただの言い訳だ。実際に才能やセンスがあるやつはいるだろうが、その人達はこの『開花させる』ということや『磨く』という行為を経て今の実力があるはずだ。
要するに、その事に対しての経験値が違うのだ。
「生まれ持ったものもあるだろ」という人もいるが、それはただ生まれて今に至るまでに効率的な行動を選ぶという才能を開花させた奴だ。生まれつき何もせずに得るものなど何もない。無意識のうちにも自分の才能の養分になっているのだ。
そしてセンス。センスは所謂潜在意識や感覚に基づくものだ。やればやるほど、関われば関わるほどどんどん研ぎ澄まされていく。これも、生まれつき持っている者などいないはずだ。
そして、この2つを成長させるのには「失敗」というものが効果的らしい。
正の感情より負の感情のほうが記憶に残りやすいように、成功の思い出よりも失敗の記憶のほうがより深く残る。
失敗することにより、改善点と成功との相違点、そして改善へ向けての計画を建てる力などを手に入れることができる。
かと言って、同じことばかりで失敗するのも良くない。失敗が当たり前になり、成長しようとする意志が無くなっていくからだ。
僕の場合は……人と関わる事に対してなにかしようとする意志がないので、手遅れなレベルだろう。その代わりに一人で考える才能は開花したようだが。
もしこの状態から改善できたのなら、そのきっかけになったものに一生足を向けれないだろうな。
「ああ、私もその言葉は聞いたことがある。友人が興奮しながら言ってきたよ、懐かしい。
実際、私やソウスケくんには考えるという才能がある。しかし、その伸ばし方が違ったので考え方が大いに変わっている。
才能も、センスも、自分自身と環境の化学反応により作られるものだ。もし私とソウスケくんの立場が逆だったらどうなっていたことやら。はは、そんな吐きそうな顔をするな……いやホントに冗談だから」
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