「腹の虫が治まらない」
日本にはそういうことわざがある。意味は怒りがおさまらないといった意味だ。
じゃあ何故「苛立ちがおさまらない」みたいにいわなかったのか。実は昔の日本人は心に虫がいると思っていたらしい。
……この言い方だとヤバイ奴らみたいだな。でも、現代でもこういう例え方はあるはずだ。例えば……
「誰しもが心に怪物を宿している」
みたいに。あれのようなものだ。
ちなみに、この心に虫がいると思っていたという話は今日、公共の先生から聞いた。だから、折角だし今日はそれについて考えているのだ。
さて、本題に入ろう。
こうは言ったものの、今の日本人は虫が嫌いな人が多い。それは自然がどんどん消えていき、接する機会が減っているからと勝手に想像してみた。うん、我ながら悪くない考察だろう。
そして、自然が減るのと同時に心のゆとりも減っているはずだ。
森のような自然には心をリフレッシュする効果があることが証明されてたりする。そんな森が減っているのだ、心のゆとりも減らないわけがない。
心のゆとりは自然に依存し、虫も自然に依存している。昔の人はこれをわかって心に虫を宿していたのかもしれない。そう考えると少し面白い。
先人達も今の人間達も自然の大事さを知っているのに理解もせず、そこから離れて言っているのだから。そして、今になってようやく理解し、自然と共存しようとする……滑稽だな。
「面白い。それでは私達も自然に触れるために明日から森へ散歩に行こうではないか。
なるほど、嫌か。実は私もだ。自然は良いが動きたくない。いや、わかっている。私達のような人間にこそ運動が必要なのも。うん、ごめん、散歩でもキツイんだ。……ってソウスケくんもかい!なんで責めた!謝って損したぞ!」
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