市街地ダンジョンの攻略を始めて一週間という時間が過ぎた。子供の背丈しかないゴブリンに大人ほどの背丈のホブゴブリンは人型なのでほぼ人間と同様の武器による対処で済むの。
ゾンビは頭を吹っ飛ばさねばならず、それなりに射撃の腕が要求される。それに腐敗臭が凄いのでできれば近づかせずに撃つのが理想だ。
そのために銃はライフルを使用するかどうかで迷った。しかしダンジョンとは言え市街地でライフルを撃つことに抵抗があるというハルの意見を入れて、セミオートショットガンでM1040という銃を採用した。まぁ、これの説明のために、またハルが暴走したが割愛しよう。長くなるので。
なのでどれだけ凄いかの説明を簡単にして言えば、近年において日本やアメリカ。オーストラリアやイギリス。台湾などの特殊部隊や海を防衛している職務の方々が使用している銃だそうだ。
散弾銃と言うと射程距離って短いんじゃないの? という疑問もありそうだが、スラッグ弾ならライフル銃には劣るが、それでも百メートルほどなら十分に威力を発揮してくれる。熊と戦うならこの距離では怖いが、この市街地ダンジョンで戦うのはゾンビだ。彼らは動きが遅い。なので十分に狙いを付けて撃つことが出来る。
もはや的でしか無い。
ゴーストは、ヒメに聖属性を付与してもらった鳥撃ち用の小さな粒をばら撒くタイプの弾で、10メートルほどの距離から対処すれば綺麗サッパリに駆除できることが分かった。
スケルトンに関しても、ゴースト同様に聖属性を付与した、鳥撃ち用の散弾で頭を吹き飛ばすと活動を停止する。
出てくるモンスターのどれにでも対応できるという意味で、ハルを除く三人がM1040を持って活動。残りのハルは念の為にバックアップとして以前に紹介したM4A1というアサルトライフルを装備している。
散弾銃だけだと、数で襲ってこられたら堪らないからだ。
まぁ攻略情報に掲載されている限りに置いて、その心配はないのだが。まぁ念の為に用心することは悪いことでがないだろう。
こんな感じで、初級の市街地ダンジョンに関しては攻略の目処が立っていた。
後はボスだが、市街地ダンジョンのボスはゴブリンジェネラルという武装したゴブリンだそうだ。それがゴブリンリーダーが二匹とゴブリンメイジが二匹のお供を連れて街中を巡回しているらしい。
ハルがダンジョン攻略サイトで確認した情報を、皆と共有するために宿泊施設「白の間」のロビーで説明をしている。
「以上が、初級の市街地ダンジョンの全容です。街中の巡回は特定の地域をランダムで歩いているそうなので見つけ次第、駆除という方針で行きたいと思います。以上で説明は終わりですが何か質問はありますか?」
俺が手を挙げる。
「はい。ジンさん」
「ボスのゴブリンの武装だけど、スラッグ弾を込めた散弾銃で対処できるんですか?」
これにハルは頷いた。
「情報サイトによるとゴブリンジェネラルの防具の素材は、一番分厚い箇所でも3ミリの鉄板ということだから問題はないです。ただし近ければ近いほど射撃が有効なのは当然としてですが。それからフルフェイスタイプの兜をしているそうですが、そちらも問題ないです。なので見つけ次第、接敵。有効射程距離で撃ちまくりましょう」
今度はヒメが手を上げた。
「はい。ヒメさん」
「ゴブリンリーダーとメイジって、どういう敵なんですか?」
「リーダーの方は、そこそこの剣の腕をしているだけだそうです。近づかせずに銃で撃てば簡単に無力化出来るはずです。メイジはファイアーボールというバレーボール大の火の玉を発射するそうです。これは私がライフルで狙撃して真っ先に無力したいと思います。なので初撃は私が行うことになると思います」
こうして今後の方針を決めた俺たちは、そのまま能力強化施設へと移動をしたのだった。
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