クレイン・フォン・アースガルド
年齢:17(四章の時点)
髪の色:赤茶色
瞳の色:赤茶色
身長:173センチ
身分:子爵家当主
二百年続くアースガルド子爵領を、普通に治めていた青年。
両親や親類縁者とは死別しており、十二歳で領地を受け継ぐ。
親戚とは疎遠で、本来の歴史ならば天涯孤独に近い人生を歩んでいた。
気性は穏やかな方で。気安く話しかけられた方が心を許せるという、貴族らしくない性格をしている。
朝に弱く寝坊しがちで、放っておけば昼飯時まで寝ていることも。
細かいことは気にせず、大抵のことは前向きに捉えるが。
これは悪人が少ないアースガルド領で、悪意に晒されることなく育ってきたことに起因している。
趣味は畑いじりで、主にハーブの栽培を好む。
マリーが淹れるお茶にはクレインが育てたものもあり、主に親しい者が尋ねてきた時に振る舞われる。
初回の人生では平穏無事な毎日を楽しみ、平和な日々を過ごしていたものの。
ラグナ侯爵家の軍勢によって領地が滅び、気づけば時が巻き戻っていた。
彼自身が飛び抜けて優秀というわけではないが。失敗する度に過去へ戻り、常人ではあり得ない成果を残し続けている。
やり直しの特性を生かして、緩やかに衰退していた領地を飛躍的に発展させた。
彼自身の戦闘能力がそれほど無いため、戦の時は後方で指揮を執っているが。
身体能力は別として。
剣技や話術は、人生をやり直す度に洗練されていたりもする。
そして、隠された能力。
彼がまだ気づいていない力の使い道は三つあるが。
現在は単純なやり直し以上の使い方は見い出せていない。
続く五章で自分が「何故戦っているのか」を思い出した時、この物語が始まる。
称号:オブセッション・アベンジャー
◇
マリー
年齢:17
髪の色:茶色
瞳の色:茶色
身長:158センチ
身分:クレインのお付きメイド
アースガルド子爵家に仕えるメイドの一人。
クレインと同世代ということもあり、幼少期から共に過ごしてきた。
同年代の少ないクレインにとっては、数少ない友人枠。
幼い頃の彼から「将来はお嫁さんにする」などと言われたこともあり、たまにお互いを意識するような瞬間がある。
ただし。初回の人生ではいい雰囲気になったものの、気恥ずかしさからそれ以上には進展しなかった。
能力面を見れば簡単な計算ができたり、賓客への対応ができたりと汎用性は高い。
色々な場面でそこそこの優秀さを発揮するのだが。
イマイチ有能に見えないのは、普段の性格と言動のせいだろうか。
意外と気は使える方で、察しもいい方。
特に寝起きでクレインが荒れている時の撤退判断は、最速の域に達している。
称号:三枚目メイド
◇
クラウス
年齢:67
髪の色;白髪
瞳の色:黒
身長:171センチ
身分:執事長
三代に渡り子爵家に仕える執事。
線が細く、スマートな老人。
幼いクレインの後見人として領地の経営を補佐してきた。
領主の代行が務まるくらいなので、政治的な能力はそこそこ。
次々出て来る突拍子もない政策に振り回されながらも、クレインの先見性には舌を巻くことが多く。
彼の発案を実現させるため、裏方で事務仕事を取り仕切っていた。
屋敷の人間は皆彼の教育を受けており、一定水準の学力がある。
クレインの教育も行っていたが、二年ほど前からは完全に独り立ちを認めた。
後継者不足で悩んでいたものの、今では人材も豊富になっているので。育成中の文官たちが育てば、引退したいと考えている今日この頃。
称号:礼儀に厳しい執事長
◇
バルガス
年齢:39
髪の色:薄めの茶色
瞳の色:茶色
身長:172センチ
身分:労働組合長
白いタンクトップにツルハシがトレードマーク。
無精ひげを生やした、いかついオッサン。
アースガルド子爵家で働く人夫などを、まとめあげる立場にいる。
親分気質で下への面倒見がよく、労働者同士のトラブルがあれば仲裁していた。
人間関係の調整能力はそこそこ高い。
銀鉱山を開発する際には事故なども起きたが、遺族への謝罪なども彼の仕事。
裏方で損な役回りがあったとして、クレインのためなら笑顔で引き受ける気のいい男でもある。
上記のように、実は内政面や政策面で結構貢献している。
彼が決死隊の指揮を執らなければ、銀鉱床の発見ができたかは怪しいので。
バルガスが不在だった場合、実は序盤で詰んでいた可能性もあった。
称号:鉱山の親分
◇
ハンス
年齢:35
髪の色:白髪交じりの黒色
瞳の色:黒色
身長:171センチ
身分:衛兵隊長(警察部門)
アースガルド子爵家で純粋な兵士を務めていた、数少ない職業軍人。
とは言えアースガルド領では兵士が活躍する場面もなく、暇な毎日を過ごしていた。
そのため頻繁に畑仕事をしていたし、本格的な訓練も受けていない。
発展していく領地を見るのは楽しいと思っている反面。
拷問の仕事を唐突に振られたり。
大手商会への殴り込みに付き合わされたり。
反乱防止のために、戦後の荒れた地域へ派遣されたり。
農家に毛が生えたくらいの実力で、王国最強の騎馬隊を足止めさせられたり。
反乱防止のために、街中でリサイタルをさせられたり。
クレインから振られる仕事がどんどん無茶になっていき、近頃は軽く引いている。
能力は全体的に平凡だが、与えられた仕事はしっかりやるタイプ。
その分クレインから便利屋扱いをされており、常に走り回っている。
ちなみに歌は上手い。
称号:苦労人の戦士長
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末尾に付けた称号ですが。
この人物を一言で言い表すならこう。という意味でついています。
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