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連載中 長編 現代世界 / 日常

山と海と空と果てと ありがとう

公開日時:2023年12月9日(土) 10:41更新日時:2023年12月9日(土) 10:41
話数:1文字数:484
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あらすじ

 

 

あの日、僕は山にいた。

 

大好きだったお婆ちゃんが、行方不明になった日に。

 

 

 

高校を卒業して、家を継ぐことになった木下ユウスケ。

 

彼は学生時代に、いじめられた過去を持っていた。

 

人と馴染めない日々。

 

バラバラになった家族。

 

そんな彼の元に、1通の手紙が届く。

 

遠方に住んでいる祖母からだった。

 

『もし貴方が良ければ、いつでも遊びに来なさい』

 

住む場所も、行くあてもなく、祖母の家に足を運んだ彼は、それから10年間、彼女の家に住むことになった。

 

生きるとはどういうことか、夢を持つとはどういうことか、祖母は教えてくれた。

 

いつか、家族と、——みんなと笑い合える日々を取り戻したい。

 

 

彼女はいつも願っていた。

 

山の麓にある海の店。

 

かつて家族と共に過ごしていた小さな店に、海で溺れた娘がいたこと。

 

あの日の出来事を変えることができないとしても、前を向こう。

 

あの子の分まで笑っていよう。

 

——そう、口ずさんで。