「わふぅん」
「よしよし、このくらいかな」
真っ白になったオボロの毛並みをもう一度整えて、甘えてもたれかかってくるもふもふを抱きとめる。それからもう片手でステータス確認だ。
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名前: 【オボロ】
種族: 聖獣スノウホワイト・ウルフ
属性: 雪
レベル: 1
体力: 100
S P: 60
ステータス:
力: 30 防御: 10 敏捷: 30 器用: 10 霊力: 10 幸運: 10
ステータスポイント: 10
状態: 健康
感受性: 100
信頼度: 100
忠誠度:100
信仰度: 20
スキル
【責任感Lv1】【送り狼Lv1】【風花の調べLv1】【ウルファングLv1】
装備 なし
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【責任感Lv1】
己の群れに対する責任感。パッシブスキル。
仲間が倒れている数だけの回数、30%の確率で食いしばりが発生することがある。
【送り狼Lv1】
アクティブスキル。SP消費10。
護衛クエストの際、NPCに一度だけ攻撃を無効化するバリアが張られる。
転倒状態の相手に対する攻撃威力が1.3倍になる。
【風花の調べLv1】
アクティブスキル。SP消費20。
基本値20。霊力値10につき+5のダメージ。
晴天の雪。ブレスを吐き出し雪属性のダメージを発生させる。
10%の確率で相手を凍らせることがある。
【ウルファングLv1】
アクティブスキル。SP消費10。
基本値10。力の値10につき+5のダメージ加算。
ウルフ系聖獣の持つ噛みつき攻撃。
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ふんふん、オボロは力と敏捷が高い典型的な二極振り向きの子なんだね。
そしてこの子は雪属性と。アカツキが晴れだから相反しているようだけど、スキルの【風花の調べ】ってやつがあるから相性はいいと思う。風花って晴天に降る雪のことだもの。
はじめての魔法属性……いや、神獣郷オンラインだと霊力系の攻撃技といえばいいのだろうか? レベルが上がっていけば多分もっと便利になるんだろうな。この場合、スキルレベルを上げるにはやはり使っていくしかないんだろうか。
送り狼は確か妖怪の名前だったかな?
転ぶと襲ってくる狼の妖怪。ここはなんとなく魔獣っぽさがある。魔獣上がりの聖獣だからかな? なんかこう言うと元ヤンみたいなイメージに……。
真っ白ですごく綺麗なお姉さん(狼)が実は元ヤン……? あ、いける。ギャップ萌えだね。ものすごく甘えてくるのがまたいい。
責任感があるというのも義理堅い狼っぽくていいよね。
それじゃあ次は二匹共進化してステータスポイントが10手に入ってるから、さっさと振らないと。もちろん私自身にもね。
まずはアカツキ。アカツキはこのまま器用値特化でいってもらおう。
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名前: 【アカツキ】
種族: 【緋翼】の聖獣情熱クック
属性: 晴
レベル: 6
体力: 125
SP: 95
ステータス:
力: 5 防御: 5 敏捷: 30(+5) 器用: 40 霊力: 20 幸運: 10
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器用値に10振って40にしてみました!
それから、レベルも上がって体力やSPも上がっている。レベル1上がるごとに体力もSPも5ずつ上がっている感じになるのかな?
ちなみにオボロのほうは敏捷に10入れて40にしました。敏捷が高いならそっちを伸ばしたいよね。力のほうは後回し。だって倒す必要ないし。
それから自分のステータスポイントも振る。二匹が進化しているので、私に入るステータスポイントは20だ。
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名前: ケイカ
種族: 人間(共存者)
レベル: 6
職業: 舞姫
体力: 125
S P: 75
ステータス:
力: 0 防御: 0 敏捷: 0 器用: 120 霊力: 0 幸運: 0
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うん、清々しいほどに極振りだね!
まあレベルが上がって体力もSPも上がっていくからなんとかなるでしょう! ステータス自体は上がらないけど! ステータスの上げかたは特殊で、戦闘しないといけないか、なあ……。
でも本格的に戦闘に入る前に、もう少し体を動かすのに慣れたいかな。よし。
「オボロ、背中に乗ってみても大丈夫?」
「わふぅん」
オボロも大きくなり、私が小柄とはいえちょっと申し訳なくなるが、なんとかなるだろう。オボロに乗って立ち上がってもらい、動き回る。
騎乗スキルもなにもないのでてっきりすぐ振り落とされると思ったけど……あれ、意外と平気だな? なんでだろう……あ、器用値か! 振り落とされないように器用に乗れてるとかそういう?
でもちょっとオボロが動きづらそう。
「ごめんオボロ。無理しなくていいんだよ?」
「くうん、わふわふ!」
ぶんぶん首を振って意地でも足を踏ん張り、私を乗せたままオボロがその場を歩き出す。そしてだんだんと軽快に歩くようになり、10分、20分と経つごとに走れるほどまでに慣れてしまった。早くない?
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聖獣【オボロ】がスキル【騎獣】を取得しました。
積載物によるステータスのマイナス効果を解除します。
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「お、オボロ……!」
「くふんっ」
オボロは私を乗せたまま誇らしげに胸を張った。
なんていい子なんだ! なにげに積載物とか言われたけどそこは気にしない!
まさか、私を乗せて走るためだけにスキルまで取っちゃうなんて! 途中で降りようとしても意地でも降ろしてくれなかったからどうしようかと思ってた! ごめん! 大好き愛してるぅ!
「よくできました」
「わう!」
オボロは撫でようとする私に反応してその場でゴロンと転がった。
「……オボロ」
「くーん……」
そしてお腹を見せようとしたオボロに乗っていた私もまた、地面に落ちて寝転がることになった。
こら、顔をペロペロ舐めても誤魔化せませんよ。
そんな申し訳なさそうな顔されても……されても……。
「くんくんくん」
「可愛いから許す!」
「わふーん!」
がばりとオボロの体が私に覆いかぶさってくる。可愛いからしょうがないよね!
「ケェーッ!!!」
「ぎゃんっ!」
そして私がオボロの重さに潰されたあと、アカツキの飛び蹴りがオボロの脳天に決まるのであった。
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聖獣個体名【アカツキ】がスキル【飛び蹴り】を取得しました。
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こんな冗談みたいなことってある!?
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