━━━━━━
名前: 【アカツキ】
種族: 【緋翼】の聖獣ルースター
属性: 晴
レベル: 1
体力: 100
SP: 70
ステータス:
力: 5 防御: 5 敏捷: 30|(+5) 器用: 30 霊力: 20 幸運: 10
状態: 健康
感受性: 100
信頼度: 100
忠誠度: 50
信仰度: 20
容姿: 美しさMAX
スキル
【比翼Lv1】【足蹴りLv1】【鳳凰の恩恵Lv1】【受け流しLv1】
装備 なし
━━━━━━
属性が晴れ……だと!? えっ、そこは炎とかじゃないんだね。意外だったなあ。従来の属性と違うとなると、他の属性も気になるところ。ネットで今見ることはできるけど……つぶらな瞳と目が合う。うん、今度調べておこう。今はこの子のことだね。
次に忠誠度。これはなんとなく分かる。説明書きにも……え?
【忠誠度】
聖獣の共存者への信頼性の更に上の値。信頼度がMAXになると初期値の10から上がっていく。致命的なダメージを受けた際の食いしばりが発生しやすくなる。
食いしばり。つまり、HP1で耐えるってことだよね。
なるほど俺が今倒れるわけにはいかない!って思ってくれるようになるわけかな?これはすごく嬉しいね。
【信仰度】
聖獣へ向かう人間からの信仰の値。10上がるごとに進化が可能となるが、一段階目の進化以降、一人だけの信仰ではパラメーターが上がりにくくなる。経験値で代替可能。
信仰! そういうのもあるのか!
私からの『可愛い! 好き!』という思いが信仰になって20まで上がった結果、この子は進化可能になったと。なるほどね。こうして自分の愛も数値化されると思うと少し複雑だが、モチベーションもぐんぐん上がるよね。もっと愛でよう!
それから容姿の状態を確認
【容姿】
美しさMAX!
羽繕いにより完璧な羽毛を手に入れた聖獣。人目を惹き信仰度が上がりやすくなる。
ほうほう、最高に美しいとな? そうでしょうそうでしょう! アカツキくんのこの羽毛の毛並み! ピカピカだし、鶏冠だって元気に満ち溢れていて、尻尾は地面に擦れるほど長いのにふっわふわのもこもこ。手で梳いても引っかかるところなんぞどこにもない! 完璧……! まさに完璧な美ニワトリである!
システムさんもよく分かってらっしゃる。
確認した忠誠度もどうやらMAXまで行っているようだし、感受性も信頼度もMAXだ。三時間でこれってすごくない? これは称号を貰えるのも納得ですね。
称号の【聖獣を愛するもの】の効果は聖獣へのサポート効果が1.5倍になるというものだ。強い! 文句なし! 最高!
……と内心のテンションを上げ上げにしたところで、実際の私はにやけ顔にならないように口元をひき結んで真顔で、それも高速でニワトリにブラッシングし続けている女である。すごくシュールだ。変人だと思われているに違いない。
さて、ここでアカツキの進化をしちゃいますか。
不思議と、いや多分、いや絶対私が変態ムーブしているからだろうけれど話しかけてくる人はいないし、ちゃっちゃと進化させていったんフィールドに出てみたい。
ということで進化します!
アカツキのステータスから進化のボタンをポチッと。
「コケーッ!」
アカツキが鳴いた途端、その尻尾から火花が散る。そして火花から育った美しく、大きく揺れる薔薇色の炎に包まれていった。少し心配になったものの、すぐに鎮火する。
その場で薔薇色の火花を纏いながらゆっくり舞うように回転し、ばさりと緋色の翼を広げてから力強い咆哮をアカツキが行う。
もちろん道行くプレイヤーの視線を独り占めだよね! 美しさはなによりも勝る素晴らしいパラメーターなのだ! ザ・目の保養! 舐め回すようにじっくりと己のパートナーの変化を見下ろしていく。
進化をしたアカツキの姿はひと回り大きく、しかしデフォルメされたニワトリから火の鳥系の美しいニワトリへと変化していた。尻尾の先にチラチラと燃えるような炎の模様が入っている。こ、これは! 正統進化していったら鳳凰さんになるやつなのでは……?
━━━━━
【緋翼】の聖獣ルースターが【緋翼】の聖獣情熱のクックへと進化しました。
ステータスポイントを10取得しました。
━━━━━
内心、きたー!!! としか思えなかったものの、冷静に。そう、努めて冷静にしゃがみ込む。
「おいで、アカツキくん」
「クウー!」
「私のアカツキ、その美しさをもっと間近で見せてくださいな」
「クウ」
「よしよし、いい子ですね。ご褒美にこのあと、お姉さんとイイコトをしましょうね?」
「クーッ!」
まずいまずい、嬉しすぎて言動が変態のそれだ。
一文無しだし、エサも買うことはできない。でもニワトリならエサは昆虫系や穀物系だろう。外のフィールドに行けば、なにかしら見つかるかもしれない。
急いで行って、この子にイイコトをさせてあげなければ!
そうして私は、変な視線を受けつつもアカツキを抱え上げてその場を去るのだった……。
読み終わったら、ポイントを付けましょう!