地球にインターネットを探しに来たと言うエメラダ
「いやいやバカ言っちゃいけねぇよババ様、インターネットってのはキノコみたいにそこらに生えてる物じゃないんだよ?コンピュータ通しを電波で繋いでいるシステムの事を言うのだよ」
僕はエメラダにチッチッチと指を振って見せる
「誰がババ様じゃ、バカはお主じゃ、世の中のインフラが停止してネットを使えない状態でそこ等の端末から通信出来るわけなかろう、その仕組みから星のあちこちにメインサーバーとして量子コンピューターがある筈じゃ、それを回収するのじゃよ」
聞いた事あるな、世界中のどの箇所でトラブルが起こってもシステムを補完し合える様に一箇所ではなく、同じシステムを数箇所に置いてあり、その場所は最高機密であると、それを僕の簡単な説明で予測してここに来たと?神だね
「む、やはり、ここの地下に人工施設があるのじゃ、行くぞい」
パッと転移したのは地下施設、どのくらい深いのかは不明だが、地下世界と呼んで良い程広い
「まだ電力が生きておる場所は…お、こっちじゃ」
また細かく転移する
「うむ、当たりじゃの、よしルシエル、この量子コンピューターをアイテムボックスにしまうのじゃ」
早っ、地球に来て1分で人類の最重要機密箇所を暴いちゃったよ
「ええ?入るかな?てか回収しても使い方わかるの?」
「わかるわけなかろう、保護した地球人にやってもらうのじゃよ、十万人くらいは保護出来ておるから、仕組みを分かっておる人間もいるじゃろう」
「あ、成る程、地球人の存在、すっかり忘れてたや、でも地球のインターネットなんか回収してエメラダは何に使うのさ?」
「ふっふっふぅ~それは後のお楽しみじゃ」
「もったぶるなー、まぁ良いけど、ホイッ」
僕はアイテム収納と念じて量子コンピューターを回収した
「よし、もう地球は爆破しても良いが、お主の鍛錬に良いシステムも考えたのじゃ」
「爆破って…あ、敵を一掃するならその方が手っ取り早いのか、それよりも良いシステムってなんだぁ?」
全く分からん、そもそも今の僕が勝てる相手っているの?
「うむ、それも地球人にインターネットを使える様にしてもらってからの事になるのじゃ、一旦ミッドガルドへ飛ぶのじゃ」
「ミッドガルドぉ?」
(それは何ぉ処?)
「地球人を保護してある星じゃ、地球とよく似た星じゃから、インフラ整備もしやすかろうて、発展状態も見に行くのじゃ」
エメラダが僕の肩に手を置き転移する、ニュウウゥゥーーーーンンと景色が引き延ばされ別の宇宙空間へ転移したのがわかる、そして引き延ばされた時空のトンネルを進むと地球とよく似た天体が現れた
(あれがミッドガルドか)
そして大きな河に面した広い平原の上空に降りる、周りは既にちょっとした町ができている
「ありがとうエメラダ、今のでそのうち自力でこの星に来れるよ」
「うむ」
目的が伝わりエメラダもニッコリだ、エメラダは僕の身体を通して能力を使い、ワザとゆっくり転移して場所を教えてくれたのだ、僕が力を得た時に自力で来れる様に。
「地球人よ、其方等の代表者に話がある、出て来るのじゃ」
拡声魔法でもを使ったのかエメラダが辺り一体に聞こえる様に声を掛ける、人々は直ぐに気付いたが逃げ去って行った…
(いや空中に浮いた状態の魔女が轟音レベルで、こん中で1番偉いヤツちょっと面貸せや、と言って来たらそりゃあ恐怖だろう)
しかし直ぐに1番大きな建物から3人のオッさん達が走って出て来た、僕等の足元まで全力で駆けて来たオッさん達は息も絶え絶えで言葉も発せずへたり込んだ。可哀想に…別に取って食おうと言うわけでは無いのだ、どうか警戒しないでほしい、ムリな話だな…地球人からすれば僕等は絶対者だ、少しでも機嫌を損ねれば消滅させられると思って行動するのが自然の流れだ。
そんな事を気にしないエメラダが話を始める
「今地球からインターネットのシステムを回収して来たので是非其方等のインフラ整備に役立ててほしいのじゃ、そしてちとその使い方を実際に見せてほしいのだが出来るかのう?」
「「「はい?」」」
「ルシエルよ」
「はーい」
僕はアイテムボックスから量子コンピュータを広場に出した
「「「おおお⁉︎」」」
「どうじゃ、出来るかの?」
「「「ブンブンブンブンッ!」」」
オッさん達が高速で頷き1人が後方へ大声で呼び掛ける
「おおおーーーい!量子コンピューターだーーーーー!!!!、インターネットを接続するから近くにいるエンジニアは全員集まれーーーー!電源と端末を持って来るんだーーーーーー!!!!」
今度は大型トラックが先頭でその後ろからも数えきれない程の人数が走って来た
「おお、凄いコイツが有れば開拓が500年は短縮出来るぞ!」
回収して来た量子コンピューター群を見て1人のエンジニアが言葉をもらす
「うむ、取り敢えずで良いので直ぐに繋げるかのう?」
「ええ、繋げるだけなら直ぐです、状態を見るにデータも保持されている様ですし5分もあれば起動出来ますよ、みんなやるぞー!」
「「「「「おう!」」」」」
(仕事早えええーーーー)
「うむ、大体分かった」
暫くその様子をジッと見ていたエメラダがそんな事を呟くとスペースを空けさせ地上に降り僕の背中に手を当てて力を使う
まるで黒子に差し金を刺された操り人形だが、このやり方が力の使い方を伝えるのに1番効率が良いのだ
エメラダのエーテルの流れを感じる、辺一帯に力の効果範囲を広げた、その気になれば簡単にこのミッドガルド全体をすっぽり支配下に収められるだろう、だがその必要が無いので効果範囲をを絞る
何をしたかと言うと、必要とする鉱物元素やシリコンを大地や森から集めて一辺10cmの正方形のキューブを構築し、そこから隣の起動した量子コンピュータと電波による情報通信を始め、中のデータをコピーして退けたのだ!
僕の頭には殆ど記憶出来なかったがエメラダの頭には全データが簡単に収まったのが分かった
「性能を上げ小型化したものを造ったぞ、全部やってはお主等の為にならぬでな、1つだけ置いてゆく、後の発展はルシエルに任せるのじゃ、地球には住めなくなったがお主等も挫けず強く生きてゆくが良いぞ、ではルシエル戻るのじゃ」
今度は一瞬で地球の月まで転移した
地球人達は何が起きたのか理解出来ず神の功績を呆然と眺めていた
「それで?地球のデータを集めてどうするのさ?」
「うむ、その前に、暫し待て……………よし出来たのじゃ、ルシエルよ、ワシを鑑定してみよ、大丈夫じゃ、今は鑑定出来るぞ」
「は?」
めちゃくちゃ嬉しそうにするエメラダに鑑定を掛けてみた
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真名・エッダ
種族・神
性・女
年齢・47988歳
身長・179cm
体重・62Kg
3サイズ
B・90(Ocup)
W・52
H・85
Lv・9999
職能・ソーサラー
クラス・魔導師
ジョブ・神
HP・44/44
MP・9京9999兆8000億/10京
SP・19/21
AP・9京9999兆9900億/10京
STR・20
VIT・23
INT・21京
MND・20京
DEX・30
AGI・24
LUK・88兆
スキル・[創造LvMAX][森羅万象数値化][万物解明][思考量子加速][量子演算][情報量子保存][自動翻訳][自動通訳][神体掌握][万物干渉掌握][エーテル変換掌握][エーテル量限界突破][神眼][闘神][全魔法]
スキルポイント・9京
称号・[エッダ][神殺之咎人][原初之魔女][時空之喰者]
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「マジかよ…」
「どうじゃ、ワシも地球の知識からステータスやスキルを創造したのじゃ」
(ステータスのバランスも桁も完全にバグってるが、なんて能力の無駄使い…)
嬉しそうなエメラダ、僕の顔を見て
「これ、大分失礼な事を考えておるな」
「なんだよ、心を読んだなぁ」
「顔に書いておるのじゃ、それに同じ神相手にそんな事やろうと思っても通用せんわい、神の心を読むには許可が必要じゃ、お主がアルティミアと融合した時のようにの」
「なんと、そうっだったのか、それじゃあ逆に相手が神かどうか識別するのも簡単に出来ちゃうわけだね…」
「そうじゃ、じゃが表面上はいくらでも誤魔化しが効く、余り油断はするでないぞ」
「うん、気を付けるよ、それでスキル創造をしてどうするんだい?」
「お主のレベル上げに地球を使うと言ったであろう、それを実行するのじゃ」
またまた嬉しそうなエメラダ
「そう言われてもわかんないよ」
「ダンジョンシステム」
種明かしをする様にドヤ顔でニンマリするエメラダ、スッゲェ嬉しそうだ
「これじゃ!見ておれ、地球を依代にダンジョンを創造するのじゃ!」
言ってエメラダは地球に手を翳しスキルを使用する、正に神の力だ、1つの都市を丸ごと焼失させたライカの超級魔法も、ドラゴンの核撃ブレスも、神の力の前では無力に等しい事をまざまざと認識させた
「出来たのじゃ、どうじゃ⁉︎ワクワクするじゃろっ⁉︎下に行く程モンスターの数や強さの難易度を上げてあるのじゃ!これでレベル上げとモンスター退治が同時に行えるぞ!凄いじゃろ⁉︎」
完成された神造ダンジョンは若干の円錐状で下に成る程面積が広くなっている
エメラダのこの表情、世界の危機なんて頭から抜けてるかのような能天気さはこれまで会った神々と共通するものがあるな、やはり神だと納得した
画して僕は神造迷宮アースへと挑む事になった
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