神々之黄昏

R指定のラグナロク
やほ
やほ

第5話 訓練

公開日時: 2020年9月1日(火) 21:22
文字数:6,901

翌日落ち着きを取り戻したライカと上機嫌のヴァニラとまだ暗い中朝食を取る


昨晩は僕等の情事の後片付けをして失神したライカをベッドに寝かせた


朝起きて全身が痛くて吃驚した、最初怪我をしたのかと思ったがただの筋肉痛だった

昨日が初めての運動だったからな、其れにしても弱過ぎるぞ僕


長卓の端にヴァニラが座り、その両隣に向かい合って僕とライカ座って朝食を食べているのだが、ライカがずっと僕の事を見てくるのが何だか気まずい


「あのぅどうかしましたかライカさん?」

居た堪れず質問する


「…うーんこんなに可愛いルシエルちゃんが男の子だったなんて今でも信じられないです、でもあんなものを見たら…うぅ」


「まあ良いじゃないかライカよ今日も2人とも可愛いぞ、今夜は3人でしような、ふふっ」


「ええっそれじゃ私もアレを入れるって事に…!はうぅ…」


成る程自然にお二人は百合だった、今の2人の会話に僕は昨夜の事を思い出し、ライカが今夜自分が如何ゆう風になるかを想像して真っ赤になるのを見て股間にジンとしたものを感じた。昨夜は人生で最高の日でした。


「ボクも精一杯頑張ります」


「性いっぱい…きゃあ」

とか言って顔を隠すライカだがもう頭の中は今夜の妄想で一杯のようだ、ヴァニラがニヤニヤしている


食事は朝から分厚いステーキだった、起きて直ぐに食べれるのか?と意外に思ったが僕でもするりと食べれためちゃくちゃ柔らかくてスプーンで掬って食べれたのだ、そして味も抜群で経験の少ない僕の舌でもそれが異常に美味しい事がわかる。一口食べる毎に何だか元気が湧いて来るようなそんな味だ。いったい何の肉なんだろう

僕は多分500g程だったが2人は凄かった、特にヴァニラは桁が違う

ライカは1枚の肉が500gだとしたら20枚食べていたので10Kgだ

ヴァニラは1枚を一口で食べるのでペースが早過ぎてちゃんとは数えれなかったが

明らかに数百枚は食べていた、なのに2人ともお腹はぺったんこのままなのだ、そして食後に僕が余りに少食だと心配されてしまった異世界の胃袋どうなってんだ




ヴァニラとライカの2人は出発の準備をして昨日と同じ格好になった

ヴァニラの鎧は革だと思ったが如何やらそれとは別の特殊な素材で出来ているらしい、延ばせばグイグイ延びるしコンコンと叩いてみると硬化して衝撃をに耐えるようで何とも不思議な素材だ



「では行って来るぞルシエル、お前の仲間達を沢山見つけて来るからな。困った事や分からない事がマーガレットを頼れ、マーガレット頼む」

「行ってきます、昨日は早く帰ったから今日はちょっと遅くなるかも」


「はい、お任せ下さいませ。行ってらっしゃいませ御主人様、ライカ御嬢様」

丁寧に御辞儀をするマーガレット


「行ってらっしゃい!気を付けて下さい!」

昨日の話からドラゴン等の規格外のモンスターに遭遇しないか心配になる


ヴァニラとライカは振り返らず親指を立てて跳躍した





「さてルシエル御嬢様、御主人様達が御帰りになるまで御自由に過ごせますが何かされたい事は御座いますか?」


熊ミミメイドのマーガレットが言うがさて

此処に居てはアルティミアの回復も見込めないし、と言ってヴァニラ達について行き地球で戦うのはかなりリスキーだ、今のままではLvを上げるどころか戦いになれば確実に殺される、とりあえずゴブリンくらいは倒せるようにならないといけないと思うがそもそもの戦い方を知らなかった、なら…


「出来れば戦い方を覚えたいな、何処かで戦闘訓練が出来る場所や先生が居れば教えてもらいたい」


「まぁ可愛らしい、ふふっ宜しいですわ、では私が手解きしましょう」


戦い方を覚えたいと言ったら可愛いと言われてしまった

まあそれ程までに力の差があるのだから仕方ないけど

因みにマーガレットの鑑定結果は


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


名称・マーガレット


Lv・148


HP・1418200

MP・284615

SP・650000


STR・687095

VIT・800370

INT・40742

MND・705600

DEX・490020

AGI・937890

LUK・10050


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


当然の様にミリオン級だった


この世界の戦士が1人でも居れば余裕で地球を征服出来るな




運動用の服に着替えマーガレットに連れられ屋内の修練場に来た


「それでは始めます宜しいですかルシエル御嬢様?大事な事は『正しい姿勢で行い怪我をしない事』です」


「はい、その前に1つ、僕は本気で強くなりたいと思っているんだ、ヴァニラ達と一緒に戦えるくらいにだ、なので是非遠慮無く鍛えて欲しい。」

まあそこ迄は無理だとしても遊びではなく本当に強くなりたいんだという事を伝えておく


「まぁ、ふふっ強くなろうと行動する方は好きですよ、分かりました。其れでは順を追って必ずルシエル御嬢様を強くしてさしあげます、其れこそルシエル御嬢様の元居た世界では並ぶ者のない程に…ね」

少し悪そうに微笑むマーガレットにチリチリとした圧力を感じる


「宜しくお願いします!」


「では先ず何をするにも体力が必要なので基礎体力を付けましょう、今のルシエル御嬢様の体力では剣を持つだけでも困難ですので、身体を鍛え、技を鍛え、氣を鍛えるその繰り返しです、そして本気と言うのなら多少の怪我は御覚悟下さい」

怪我をしない事が大事と言っていたのに本気を伝えると怪我を覚悟しろと言われた


「お、おう」

思わず両手を握る



しかし始まってみたら地味なもので最初は柔軟体操から行った

その時僕の体の柔らかさにマーガレットが「ほぅ体の柔らかさは怪我をし難くする為にも重要です、これからもその状態を保つようにして下さい」と言って褒めてくれた


どれくらい柔らかいかというと上体を反らし余裕で自分で自分のクリ亀頭をクンニ出来る程だ


次に修練場の外周を走らされた、僕は50m程走って息が切れ止まってしまったがマーガレットは止まる事を許さなかった…更に50m程走った処で朝ご飯を吐き出してしまった、それでもマーガレットは止まる事を許さない、更に走り心臓が心配に成る程バクバクバクっと限界迄血液を送り僕は泣きながらヨロヨロと走り続け涎を垂らしながら倒れたが、それでもマーガレットは止まる事を許さない、最早歩いてるよりも遅い速度で走るがマーガレットは何も言わずに僕を見ていた、只管走らされる無限地獄だ、強くなりたいと言った事を後悔しながら数時間は走った、いったい何十km走ったか分からない、だがマーガレットは止まる事を許さない…死んでしまう


「ルシエル御嬢様、走り始めてこの15分でまだ500mも走っていませんよ!」

とマーガレットがおかしな事を言う、そんな馬鹿なと目だけで時計を見上げると確かに15分しか経っていない、可笑しいな?其れに一周600mと言われた外周でスタート地点のマーガレットはまだ先で1度もその前を通って居ない、可笑しいな?

空間が歪み世界が回り出した、敵襲か⁉︎と思った処で僕の視界は暗転した


突然気管に水が入り意識を取り戻す「ゴホゴホゲホッ⁉︎ウェッホォ‼︎」

バケツで顔に水を掛けられた様だ


「さあルシエル御嬢様、充分にお休みになったでしょう、もっと走れますね?」


と無理やり立たされ走らされた、昼迄4時間程走らされた辺りで

「良いでしょう」

と止まる事の許しを得た


「さあ運動の後は食事によって栄養を補給するのです、しっかり食べないと身体が育ちませんわよ」

と言い気分が悪くて食欲の無い僕の口にマーガレットは無理矢理食べ物を押し込んで来る、吐き気がして我慢出来ずにぶち撒けると「食べ物を粗末にするんじゃありません!」と怒られた、マーガレットは食べるのを止める事も許さなかった、吐いたばかりの僕の口に更に食べ物を押し込み無理矢理胃に落とし込む、其れを繰り返され僕は泣きながら地獄の食事を続けさせられた


午後はまた無限マラソンだ

もう何も考えられない、僕はフラフラになりながら走る、口からだらし無く垂れていた涎も汗と混ざり地面に落ちていく、残りHPもずっと1のままだ


水分補給は走りながら行い時々固形物を胃に押し込まれる

その時僕は鵜飼いに飼われた鵜のようにオゴオゴと無理矢理喉を開けられる、鵜と違うのは獲物を抜き取られるのでは無く押し込まれるという事と僕は人間だと言う事だ


そして僕の涙も出なくなり虚な表情で走り続け何の為に走っているのか目的も忘れ夕方になった頃


「今日は此処まで」

とマーガレットが声を上げる


(僕は…許されたのですか?…僕の罪は許されたのでしょうか⁉︎)


「ルシエル御嬢様、お風呂に入りましょう、疲れが回復しますわよ」

とマーガレットがニコッと笑顔をくれる


止まる事を許された僕は

「ぅあーあぁーーー」と掠れた声を出し泣き崩れた





兎ミミメイドの2人に体を洗われ浴槽に浸かる、ドップリ首迄全身浸かり目を閉じて漂う

薬草から昇る優しい香りが鼻から入り脳に廻る、まるで脳を直接マッサージされているかのようだ

薬湯の効能は素晴らしくガチガチに固くなった身体にその湯が浸透し全身痛みを通り越して麻痺した痛覚も心地よく感じる程に解されていく

2人の兎ミミも一緒に浴槽に入り僕の全身を揉み解してくれる

性的な快楽とは全く違って興奮し覚醒する感じではなく全てを委ね意識を手放したくなる様な…全部が鎮静されていく、SEXとはまた違った極楽が此処には在る


あぁ…風呂って良いなぁ……


僕の身体を兎ミミの1人が頭の方からマッサージをし、もう1人が足先からマッサージをしてくれている副交感神経が優位になりゾクゾクッと身体中の神経に安らぎの刺激が廻る

ゆっくりと指圧され深く疲れた筋肉達が蘇る、指圧される度に筋肉が回復していくのが分かる。あれだけボロボロに疲弊した僕の身体は風呂から出る時には全快し全身から力が漲っていた。

気になって鑑定してみた


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


真名・ルシエル


Lv・2


ジョブ・使徒


HP・90

MP・40

SP・90


STR・50

VIT・90

INT・30

MND・50

DEX・50

AGI・60

LUK・10


スキル・[森羅万象数値化][鑑定Lv2]

スキルポイント・3


加護・神の祝福(アルティミア)


装備・なし


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


(おおっ!めちゃくちゃ増えてる‼︎)

Lvやスキルは変わって無いがパラメーターが増加していた

と言う事はLvやスキル関係は転送での経験値が必要でパラメーターは筋トレ等でも鍛え上げれるのか


「ふふふっ如何ですかルシエル御嬢様?今日はルシエル御嬢様に身体作りの超疲労と超栄養摂取と超回復を体感して頂きましたたった1日で別人の様な違いを自覚されていますでしょ」

と鬼教官のマーガレットが言ってくるが確かにその通りなのだその通りなのだがマーガレットの顔を見て反射的に身体が強張る、途中何度もういっそ殺してくれと思ったか

自分で言い出した事だが是非明日からは遠慮したい


「ぁあぁそうだな、力が湧いてきて本当に何だか生まれ変わった様に感じるよ」

本当に生まれ変わったばかりなのだがな


「ルシエル御嬢様の意に添える為明日はまた次の段階に進みますわ是非お楽しみにお待ち下さいませ」


「あ…うん、ありがとう、明日も頼むよ…」

ダメだ何故か断れなかった、たった1日で取り返しの付かない何かを擦り込まれた気がする





ヴァニラ達は出発前に言った様に帰りが遅い様で、マーガレットが先に夕飯を出してくれた。今日の食事もまたまたステーキだった、勿論涙が出る程絶品なのだがどんだけ肉好きなんだと思ってしまう。そして僕も昼間あれだけ無理矢理喉に食べ物を押し込まれたのによく食べれるものだ、胃が広がったのか500gのステーキを腹八分で4枚完食する事が出来た

僕はヴァニラの書斎でゆっくり本を手に取って読んでみようと思った

がまるで知れない言語だった為直ぐに本棚に戻す

どの本も全く読めなかった


暗号か呪文かと思った


(あれ?そういやこの世界には魔法とかも在るのかな?いや在ったなゲートとか言って時空を繋いでたし、ファンタジーなモンスターや魔石が存在するんだ他の魔法もありそうだ、ヴァニラ達が帰ったら聞いてみよう)


其れにしてもアルティミアと連絡が付かないのが困る、スキル創造の相談が出来ない。時々呼び掛けてみるが返事も無く、アイテムボックスも一方通行で物は入れれても取り出せ無いし如何なってんだ

まさか僕を転送した時に最後の力を使い切って消えちゃったんじゃ無いよな?

ヤバい不安になってきたこのままじゃ全く能力を封じられたまま生き抜かなきゃならなくなるぞ、せめて自分でスキルを創りたい、そこが成長性設定にした1番の取り柄なのだから


(うーん早く戦える様になって地球に行きエーテルを転送しまくってアルティミアに力を取り戻させるしか無いかな)


明日もあの地獄の特訓か…マーガレットが監督しているので死にはしない、だがいっそ殺してと思う程に厳しかった

明日のメニューはまた違った特訓だと言ってたが、あの鬼教官の特訓が今日より優しいとは思えない…ああ…憂鬱だ






僕は眠くなりいつの間にか寝てしまったが深夜になりヴァニラとライカが帰って来た事で目が覚めた


「ただいまルーシー!会いたかったぞーっ!」

「もー隊長ったらルシエルちゃん折角気持ち良さそうに寝てたのにー、ただいまルシエルちゃん、ごめんね起こしちゃったね」


ヴァニラが抱き付いてくる

いつの間にかヴァニラは僕の事をルーシーと呼ぶようにしたようだ


「んむぅ~おかえりなさぁい、大丈夫僕も2人の顔が見れて嬉しいよ、ふあぁ」

背伸びをして僕もヴァニラを抱き返すとそれが嬉しかったのかクンクン首筋を嗅がれくすぐったい

「あははヴァニラ擽ったいよー」


「いやールーシーはやっぱり可愛いなーそれに良い匂いだー!」


「隊長ー先ずはお風呂とご飯を食べてからですよー」


「おおそうだな、よしルーシーにも今日の成果を話してやろう、直ぐに風呂を終わらせるから一緒に食事にしよう!」


「うん分かったー」

まだ少し寝ぼけ気味の僕は2人がお風呂に入っている間に顔を洗ってリビングで待っている事にした



2人がお風呂に入ると直ぐに

「あ、あんっ、はぅっ、あ、あ、あ、ああっ!んーーーーーーーっ!」

っとライカの喘ぎ声が聞こえて来た


その声に僕は目がギンギンに冴え下の方もギンギンになる処だった


2人がお風呂場で軽い運動をしている間に、その声が響く中をケモミミメイド達が自然に食事の準備を進めて行く

何だこの僕だけが気不味い空間は誰も気にした様子も無いのがかえってエロい



スッキリした2人が胸元の開いたガウン姿で食卓に付くがかなりエロい

映画でもこの2人よりもセクシーな女優は観た事が無い

そしてその食事はアニメキャラの様に豪快だ500gのステーキ肉がまるで5g程のサイコロステーキの様にパクパク口に入って行く、数百kgの肉を軽く食べた後ヴァニラは酒を飲みながら今日の出来事を語ってくれた


「今日は凄いぞーもう殆ど人間が残っていない地球で数万人を保護出来たんだ!そして何と明日からはそれが暫く続くぞ」

それは驚いた、何処でそんなに沢山の人が無事で居られたんだろう


「かなり危ない場面もあったのですが地下シェルターを見付ける事が出来たので安全に保護活動を進められたんですよ」


と詳しい話を聞いた内容は

ヴァニラ達は地球に行くと先ず生体反応を探索出来るものを使って反応があればそこから捜索範囲を絞るそうだ、そして探索用3人分隊に別れて一気に探索し、生存者を見付けると一旦集まりゲートを開き転送するのを繰り返すそうだ、因みに敵を見付けたら索敵を担当するヴァニラとライカが真っ先に敵を殲滅し戦士団の安全を守っているらしい

そこで今日はアメリカのまだ無事な都市を探索中になんとドラゴンに出会したそうで、丁度地下シェルターを見付けた処だったので急いで逃げ込んだらしく、ずっと地下に続く道を降りて行った処シェルター都市に着き無事な人々を見付けたそうだ。

そこのリーダーと話すとそのシェルター都市は世界中に点在しているらしく、オンラインで繋がっている為集団で無事な生存者と連絡が出来たのだと言う


「それでな、私達も本部に連絡をして今は多くのシェルターに救出隊が派遣されているんだ!」


「きっと地球は直ぐに滅ぼされてしまうでしょうがそれでも残った人々の大部分は救えるかと思いますよ」


嬉しそうに話す2人だが僕は思わず『転送してぇ』と考えてしまった、Lvを上げるのには

地球人をエーテルにして転送するか異世界の生命を殺してエーテルを奪うかだ

それならリスクの低い方を選びたくなる

2人の反応から僕の使命は黙っていた方が平和そうだと思い、話を合わせて共に喜ぶ事にした






「よし!暫く帰れなくなるだろうから今日はたっぷり食後の運動をして英気を養うぞ!」

とヴァニラが立ち上がり

夜の運動会の開幕を宣言したのだった


勿論場所はベッドでだ

読み終わったら、ポイントを付けましょう!

ツイート