神々之黄昏

R指定のラグナロク
やほ
やほ

第14話 巴里

公開日時: 2020年9月1日(火) 21:22
文字数:7,789

「本っ当ーーーーに申し訳ございませんでしたーーーーー!」


テレビの謝罪会見で企業のお偉いさんが平謝りする様に頭を下げる僕


ヴァニラは食卓に付き腕組みをして尻尾をバッサバッサ動かして向こうを向いている

ホッペを膨らませ目を閉じる姿が子供みたいで可愛い

しかし内容は昨夜僕がヴァニラにらに対し焦らしプレイを仕掛けたまま気絶してしまい結局は放置プレイになった事でヴァニラの性欲が溜まりに溜まってしまい悶々としたままになっている事にある


ヴァニラがプイッと向いたその隣の席ではこの上無く艶々のライカが気まずそうに下を向いているがお前、顔が笑ってるぞ、昨日ヤリまくってスッキリしたライカは、素直過ぎて顔から幸せが漏れてる、ヴァニラの不満を更に煽る、あ、ほらヴァニラの頬がピクピクいってるよ


「別に怒ってなんかないんだからね!メシだメシ!さっさと食べてとっとと出発するぞ!」


(うーむ大女が子供の様に拗ねてしまった、黙って従おう)



今日の朝食ステーキ、ヴァニラは多分数t分の肉を平らげた、ライカも400kgは食べてた筈だ、そして僕だが、何と100kg分程はステーキをお代わりした、どうなってるかんだろう絶対異常だが問題無い何処ろか力が湧いて来るんだ、それにはマーガレットも驚いていたが彼女も200kgはペロリと食べてたよ、うん、どうなってんだか。




修練場で出発準備をし装備を整えた

ヴァニラとライカは此れまた軽装だが出会った頃の装備とは違っていた


「ああ、あれは一応軍服になるからな、私用だし私服で十分だ」

「私も肩が凝らない格好が楽だから今日は私服よ」


ヴァニラは全体的に黒い服装だ、革製のニーハイブーツにレザーパンツ、胸まで覆うレザーコルセットで細身のジャケットと革手袋、蒼いリボンで豪華な髪をハイポニーにしている


ライカはおっぱい、いやぱっと見で目が行くが、柔らかそうな真っ白な生地のノースリーブをアンダーバストをベルトで締めており、他にも腰や太腿にベルトで道具を吊り下げている、黒いホットパンツにニーソックスと真っ赤なショートブーツで腰くらい迄の黒地に金糸の刺繍が入ったクロークを羽織り細い鎖で繋がった片眼鏡をし、首と腕に金のアクセサリをしている。最初にあった時赤毛に見えていたが今見ると少し紫っぽい、ヴァイオレットカラーだな艶々で可愛らしい


「ルシエル御嬢様にはこの装備をどうぞ」

と言ったマーガレットは訓練の時と同じでメイド服だ、唯一違うのは両腕に籠手を装備している事くらいだ


渡された装備品に着替える


「いや、何でセーラー服なんだ?」


用意された装備は冬物のセーラー服に、細長い紅いリボン、黒のニーソックスに足に良く馴染む革靴、マーガレットとお揃いの籠手に一振りの日本刀だった


「後ノーパンなんだが」


「はい、着慣れた装備が動き易いかと思い、ルシエル御嬢様が地球で御召しになられていた格好を基にミスリルの糸で編み直したのです、そして物を握り込み易い様にデザインされたグローブにお預かりした刀を魔鉄鋼で打ち直しました。どうですか?素晴らしい仕上がりになったかと思うのですが」


あの時の格好は全部たまたま拾ったものばかりだったんだがな…


「ああ、どの装備も体に良く馴染む感じがするよ、寧ろ…何ていうか、その、うーん」


「重さを感じなく何も身に付けていないかの様、ですね?それがミスリルの効果なのですわ」


「おお、そうそう、やっぱノーパンのせいだけじゃないんだな⁉︎」


「ビフレストゲート」

ヴゥン


ライカが何か言ってゲートを開いた


「よし、行くぞ!」


「「はい!」」


「え、ちょ」


3人はさっさとゲートをくぐってしまった…


数秒遅れて僕もノーパンでゲートをくぐった


パンツが欲かっただけなんだ





ゲートを抜けた先は何処かの建物の屋上広場の様だった、見渡すとヨーロッパ風の街並みだ、その広場にはガラスのピラミッドがある、見た覚えがあるな


「あ、ルーブル美術館、ここはフランスか」


「うむ、我々が最後に地球人を転送したのがこの場所だ、その時にモンスターの気配も割と感じられたからまだそこらにいるだろう、探索するぞ、ライカ」


「はいはーい、ホイッとぉ」

パチンとライカが指を鳴らす


「うん、近くにモンスターの小集団がいくつかあります、数の少ない方から潰しに行きましょう」


(…ソナーかよ)


ライカは美術館の中に入った


(近っ、すぐ其処なの?)


「よし、入ってすぐのホールに食糧がある様だ、ゴブリンが10程度彷徨いてるぞ、先ずはルーシーが戦い慣れする迄我々でサポートする、護衛はマーガレット、頼む」


「はい」


「では奴等を逃がさない様に囲い込むぞ、ライカはここに、私は右周りで反対側を押さえる、ルーシーとマーガレットは左の小部屋から準備でき次第攻撃を開始しろ」


「「はっ」」「うん」

位置的な担当範囲としたら今居る場所が6時、ライカが3時〜7時をを押さえ、ヴァニラが9時〜3時を押さえる、僕はマーガレットに付いて行き8時方向へ

中央にカフェの建屋がありゴブリン共はそのカウンター内で何か食べてる、其処からは死角になっている為すんなり横の部屋へ入れた


「それではルシエル御嬢様、此処からゴブリン共を1匹づつヘッドショットで始末して行きましょう」


マーガレットがスカートの中から鉄球を出す、成る程色々入ってそうなボリュームだ

しかしマーガレットは鉄球を持ったまま横を向いている


(なんだ?)


僕も釣られてそこを見ると岩が置かれていた、いや石版が飾られてるのか、見た事あるな、確かロゼッタストーンとか言う世界一有名な石版だった筈

ドゴッ

「あ」

マーガレットがロゼッタストーンをいきなり砕く


「丁度良いところに投げ易い石がありましたね、鉄球も勿体無いので身近な物で済む場合にはそれを活用しよう」


「うむ」


僕はロゼッタストーンだった石を拾い50m程離れたゴブリンの頭をよーく狙う


(喰らえ、地球の怒り!)

プンッ!ドパンッ!!


「よし!」


多分今のステータスで投げた球は時速400km以上出ている筈だ、ゴブリンの頭蓋を弾けさせた


「次々行くぞー」


次の石を拾い頭を上げるとゴブリン共が一斉に此方へ走って来る処だった、反応早いな


「えい!」

プン!ドゴン!


「あれ、避けられちゃったぞ、えい!あ、また、やべやべ、えい!」

既に20m程度の距離だと言うのにコイツら見てから避けやがる


(どんな反射神経だよ⁉︎いやいやステータスでは僕のがずっと上なんだ、動きを予測して考えて投げよう)


「やっ!」


ドパンッ!


「やった!」

視線でフェイントを入れ別の個体を狙う事で一体潰す事が出来た


しかし距離は既に10m程、次投げたらお終いだ


「うわぁ」僕は怖くなり尻餅をつく


「後はお任せを」


後ろにいたマーガレットが言ったかと思った次の瞬間、前方のゴブリン達が一斉に爆散した


はい、全く見えませんでした!何をしたのかも分からなかった


「上出来でしたわよ、ルシエル御嬢様」

「うむ良く落ち着いてやれてたぞルーシー、後ラッキースケベも最高だ」

「ゴブリンならもう問題無さそうですね、ルシエルちゃんスカート捲れちゃってるわ」


慌てて脚を閉じスカートを直す僕、みんなが集まって僕を褒めてくれた、パンツは欲しい


「ありがとう、次はもっと考えて動くよ」


「うむ、大丈夫徐々に慣れる。そして倒したモンスターからはしっかり魔石を回収しておこうな」

ヴァニラ達が四散したゴブリンの肉片から薄紫の米粒の様な石を取り出す


「此れが魔石だ」


「ちっちゃ!よく見つけれたね⁉︎」


「1体に付き1つ魔石を持っているから出来るだけ回収した方がいい、取り残すと他のモンスターが食べて強力になるからな」


「モンスターがモンスターを食べても強くなるの?やっかいだなー」


「うむ、強くなれば成る程魔石は大きく色濃くなる、大体は心臓の辺りに魔石を持っているからな、一撃で抜けるならそこを狙うのも良いぞ」


「大抵硬く守られているので難しくはなりますが格下相手なら効率が良いですわね」


「さあつぎでーす」




更に美術館の中を進む


(美術品の良さって良く分からないがちょいちょい目が止まる作品があるな)

見る距離や角度で違った見え方のする物や適正距離がある物など色んな工夫が見られて面白い


「この先の階段を登った先に次のモンスターが居ます、数は3、ルシエルちゃんだけで行けるかもですよ」


階段は広く折り返して上階に上がれる様になっている、折り返し地点に石像が置れてる


(これも見た事あるなー、確か…ナイ、いやニケ?」

ドゴッ

「あ」

マーガレットが石像を砕き投げ易い大きさにしてくれた


「どうぞルシエル御嬢様、私が次弾を持ちますわ」


「…ありがとう」


階段を上がると何処の国の美術品だろう、色んな体位で性行為をする像が沢山飾られている

どんな趣味だよ、と思って素通りしようとしたらヴァニラが立ち止まってしまった


(あ、ヤバいアレ絶対昨夜のお預けを思い出してる)


金色のファック像を手に取るヴァニラ


その時奥の角からモンスターが出てきた、しかもゴブリンじゃない


(ワーウルフ⁉︎ヤバい!戦車車体を戦車砲の様にぶん投げる激ヤバモンスターだ!)


灰毛で2m以上ありそうな体高に筋骨隆々なのが遠目に分かる


(先ずは鑑定だ)


「…くっそがあ゛あ゛ぁぁーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」


ヴァニラが手に持った金色ファック像をぶん投げた


ワーウルフ達は多分3匹居たんだと思うが向こうは此方に気付く事なく消し飛んだ、魔石も残さず建物ごと消滅してしまったよ

此れがレールガンかな?と思った、目の前の一部がポッカリ穴が空いたかと思った次の瞬間、衝撃と爆音が轟いた、吹き飛ばされる僕をマーガレットが支えてくれる


「ちょっとー隊長いきなり何するんですかぁー、ルシエルちゃんの訓練にならないじゃないですかぁー」

(あ、バカライカお前がそんな事言ったら神経逆撫でする様なもんだろ)


「あ゛あ゛っ⁉︎」


(あほら、やっぱ怒っ…泣いてるよ)


「ええー、隊長…」


と今の轟音のせいだろう周囲からモンスターの雄叫びが多く上がる


「拙いですわ、周辺のモンスターが一気に集まるでしょう、此れではルシエル御嬢様の訓練は難しいでしょう」


「ふんっ、適当に間引いてやる、ライカ!ヤレ!」


「ぁぅ、はーぃ…」

ライカはやっと怒りをぶつけられている事に気付いたようだ


僕は次回からは1人づつ愛そうと思った


モンスター達が集まる前に屋上に上がる僕ら


(うーん、これは魔力を感じられなくても大量のモンスターが押し寄せて来るのが分かるぞ)


辺りからギャイギャイギャアギャア煩いくらいモンスターの声が上がり、押し寄せる足音の勢いで地響きがしてる


ライカが片手を上げ上空に巨大な火球を出現させた


「いっくよおぉーーーー業炎滅嵐ーーーファイアストーーーーーーーム!」


火球が高速で回り中心を空洞化させ広がっていく、それは数秒で超特大の炎の竜巻になった

中心からわかるだけでも上空は遥か10000m以上天空迄燃え上がり、その効果範囲は半径10kmはあるだろう見渡す限り炎、炎、炎!その高速回転する炎の巨大竜巻が地を削りながら全てを飲み込む


「はっ」

ライカが上げた掌を握った瞬間、炎の竜巻も嘘みたいに鎮まり消滅した。パリの街も消滅していたが


「何て…威力…だ」

まるで天災だ、あまりの高温に全てが蒸発し、おそらく上空から見下ろすと黒いドーナツ状に地形が変わっている筈だ、そして魔法ってもっと複雑に色々と呪文を唱えたり時間の掛かるものだと思っていた。まるで足下の蟻を踏み潰す程の気軽さで地図を書き換えるとは思っていなかった


「此れが魔法よ、参考になったかしら?」

「おい、間引くだけだと言ったのに1匹も残ってないじゃないか」

「お二人ともやり過ぎですわ」

「……。」


「あ、ほらまだコッチに向かって来るモンスターがいますよ!」


「む、次は少し残せよ」


「えどこ?」まったく見えん


3人が向く方角を見ても、遠ーーーーーーーーくに街並が見えるかな?と言った程度で辺り一面真っ黒だ


数秒後僕にもやっと小さく遠くで動く影が見えて来た


「あ、あれは私が相手をする、出るぞ」


「はい、ルシエル御嬢様の安全は私が確保致します」


「えーっとじゃあ私は少し残して間引いておきますね」


あれってどれだろう



とりあえず出来る事は無いので観戦する事にする


ヴァニラがモンスター集団へ走り、その衝突前にライカが次の魔法を唱える


ライカは片手を前に出し

「黒炎紫線、メギドフレイム!」


ビィィィィィ!っとライカの手から紫色のビームが出た


キュドドドドドドドドドドドドド!!!!


ビームが当たった先から黒い炎雷が立ち昇り激しく爆裂し地を揺らす

ライカは時計の秒針の様にビームで前方を舐めていく


(いやこれ、生き残れる奴いるの?)


と思ったら黒煙を巨大な塊が突き破って来た、それは1体ながら地を砕きながら恐ろしい速度で接近して来た、あれってあれか、後4、5秒でコッチに届く!


パドオォォォォーーーーーーーーンンンッ!!!!!!


いきなりそのモンスターが爆発を上げたと思ったらヴァニラが衝突し止めたのだ


(なっ⁉︎マジか!相手はめちゃくちゃデカいぞ⁉︎あれを止めるとか…)


「アレはベヒーモスですわ」

「ベヒーモス⁉︎あんなデカいの⁉︎」


濃い紫の体表をし黒い立髪からは歪な角が何本も突き出ている、牛か獅子の様な四足動物だが真っ黒で分厚い爪に好き好きに生えている鋭い牙、太く長い筋肉の尾、その先からも刺の様なものが乱雑に生えている、何よりその大きさ!体高20mはあるだろう、体長にして60mは超えていそうな、まさに暴力の塊!


それをヴァニラは正面から止めたのだ、何をしたのかは勿論見えてない、僕にはいきなり爆発が起こったくらいにしか見えなかった、3kmくらい離れてるし無理もないが


「アレでもまだ成体ではありませんわ、しかし御主人様もあれを正面から頭突きで止める何て、せめて側面から攻撃して衝撃を逸らすとかして欲しいです、相変わらず相手の全力を正面から受け、力で捻じ伏せる事をしてますのね」


「隊長だからねーあの戦い方が1番気持ちが良いんですってー」

爆裂ビームを放射しながらライカが答えるが


「…レスラーかよ」


超肉弾戦が始まった


「オオオオオオオオオオーーーーーーー!!!!」

大気をビリビリと震わせる雄叫びを上げるベヒーモス!咆哮に魔力を乗せているのだろう周囲が爆裂した

「ハアッ!」

ヴァニラも短く咆哮で応える、ベヒーモスの起こした衝撃波に咆哮で穴を空け突撃するとベヒーモスのカチ上げが迫る、あの角を一撃でも喰らえばバラバラになるだろう

ヴァニラは下から迫るその角を右の手刀でへし折った!そのまま顔面に強烈な左フックをめり込ませベヒーモスの首が180度向こうへ曲がる

それでもなお前脚で空間を抉りながらヴァニラへ攻撃を仕掛けるベヒーモス

その前脚を更に右ストレートで迎撃し破壊するヴァニラ

巨体を高速で回転させ尻尾でのなぎ払を仕掛ける、紫の雷撃が迸り辺りが炸裂するがベヒーモスの魔法だろうか、この距離で僕らの位置まで雷撃が届くがマーガレットが雷を殴って弾いた


カチ上げ以上に危険な速度の尻尾の叩きつけをヴァニラは真面に喰らった!

(雷撃で体が麻痺したのか⁉︎)

ヴァニラは胴体を叩きつけた尻尾を両腕でホールドするとベヒーモスをぶん回し地面に叩きつけたまくった

「うおおおおおおおおおおおーーーーーー!」

ダンダダダダダダダダズドオッ!ブンッ !!

叩きつけから一気に真上にぶん投げた!


「めちゃくちゃだ!あんな質量のモンスターをぶん投げる何て!!」


「隊長ですから、ってええっ⁉︎ルシエルちゃん⁉︎」

「おやおやどうやら英雄の素質がおありで…」


2人が顔を赤らめおかしな事を言い僕を見る


(どうしたんだ?何かオーラでも出てるの?)


と自分の体を見ると勃起してた


「うぇ⁉︎何で⁉︎」


流石に場違い感から恥ずかしくなった


「御主人様の戦いを見て昂ぶったのでしょう」

「流石ルシエルちゃん」


上空数km迄放り投げられたベヒーモスはそれでも怯まず攻撃に移る、体から真っ赤なオーラを放出し爆発!上空で魔力で足場を作り突撃を慣行した、自身の質量と速度、全魔力を載せた正に特攻!

赤く燃える突撃は正に隕石!


「あんなの喰らったら僕等もヤバくないか⁉︎」


「消し飛びますね」

「ですね」


「な⁉︎」

何を呑気なと思うと


ヴァニラが拳に魔力を込め上空のベヒーモスに向け鋭くその拳を突き上げた


「はあっ!エーテルストライク!!」

ヴァニラから光の柱が突き上がる、その波動砲は上空目掛けて撃ち出されメテオと化したベヒーモスと激突、辺りが光に包まれ遅れて衝撃と音の壁が波の様に僕らを飲み込んだ


ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドオオオオオオオオオオォーーーーーーーーーーーーーーーー…


「ーーーーッ!!」

僕はしっかりとマーガレットに抱かれ衝撃波から守られる、よく見たらライカがバリアの様な結界空間を作りその中はセーフゾーンになっていた


ヴァニラは無事だろうか、ベヒーモスは?


煙が晴れて来た、無傷のヴァニラがこちらに歩いて来て手にはテニスボール大の魔石を持っていた


「魔石を蒸発させない様に上手く手加減出来たぞ、ふふっ此れがベヒーモスの魔石だルーシー」


ヴァニラがベヒーモスの魔石を渡して来る、受け取って見ると思ったより重い感じがした、薄く向こうが見えるくらいの赤い魔石は美しかった


「御主人様、お気持ちはわかりますが、是非戦闘方法を安全なやり方に変えて頂きたいのですが、もっとこう、避けるとか受け流すとか…」


思えばヴァニラはベヒーモスの攻撃を全て正面から潰していた、避けるでも逸らすでも無く文字通りの正面衝突


「そんなのつまらん」


全く話にならなかった、マーガレットは苦労人の様だ


「さあルシエルちゃん、結構いい感じで数を減らせたから練習いってみましょうか」


煙が晴れ遠く迄見える様になった、ライカの言う通り此方に向かって来るモンスターが目に入る


「マジか、あれだけの戦いを見て逃げもせずまだ向かって来る何て…」


「うむ、それが魔石持ちの厄介な所でもある、奴らは恐怖等感じず只々生命を食らう事を本能に植え付けられて襲い来る、殺すか殺されるかしかないのだ」


「まるで呪いだ…何だか哀れに思えるな…」


「そうだな、呪いと言っていいだろう、神の定めた呪いだ、解放するには魔石を抜き取らねばならん、魔石を抜かれれば死ぬのにだ」


向かって来るモンスターを少し可哀想に思った


「なら1匹でも多くその呪いから解放してやらないとね」


僕は鉄球を手に、迫るモンスターへ向け投げた


正面のモンスターはそれを避けようとしたが僕の投げた鉄球はカーブを掛けていたので隣の大きい狼のよ様なモンスターの頭部に直撃し頭蓋を爆散させた


ヴァニラは満足そうに微笑んだ

「そうだルーシー、共に戦おう」


僕はある程度3人に守られながら次々と投擲を繰り返しモンスターを倒していく、残念ながら僕のLvではゴブリンやダイアウルフ、オークをやっと倒せるかといった処だ、一応刀を抜いて振ってみたが刃を上手く立てれずゴブリンも斬れなかった、その時ゴブリンの反撃で腹に蹴りを喰らい痛かった

それを見てマーガレットがそれまでと判断し、ライカの広範囲殲滅魔法で綺麗にモンスター共を浄化させ終わらせた



そして僕らはライカのゲートで帰還したのだ





パリの街は跡形も無く消えて去った

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