神々之黄昏

R指定のラグナロク
やほ
やほ

第38話 帰宅

公開日時: 2020年9月4日(金) 21:27
文字数:2,851

「やっと帰って来れた」

「え?え?何処ここ?は?」


僕等はダンジョンからログアウトしエメラダの家に帰って来た


「こっちだ」

扉を開き部屋を出ると知らない人が居てビックリした

「お帰りなさいませルシエル」

「うおっ⁉︎こっこんいちわっ!」

(だ誰っ⁉︎)噛んじゃった


「私は神樹の管理者、ラタトスクです、エメラダはこちらです」


「お?は、はい」

「誰よルゥ?」

「さあ…」

「はあ?アンタん家じゃないの?」

「ま、まあまあちょっと待って」


此処に他に人が居たとは知らなかった。何処まで行くのかと案内されたのは隣の部屋だった


(近っ隣かよ!)


「どうぞ、私はこれで失礼します」


「あ、ども」


ラタトスクと紹介したのは栗鼠族の女性でちょっとどこかマーガレットっぽい雰囲気がある、栗色の髪と瞳でボブカットの美人さんだ、体型の分かりづらい変わった服装をしていた、白いダボダボのツナギで手首足首で布が絞られた袋みたいな格好だった



ガチャ

扉を開けると沢山の画面が並ぶモニタールームになっていた

「今回の冒険はつまらんかったのう」

「大変な思いをしてやっと帰って来た人への第一声がそれか、それよりまだ地球に生き残りが居たぞ、愛夜実だ」

「あ、どもルゥの友達の月白愛夜実です」

「うむ、ワシはエメラダじゃ、観ておったぞ、まだ人間が居たとはのう、随分運の良い娘じゃ、他の地球人の所迄送ってやろう」


そう言ったエメラダは早速ミッドガルドへ転移した


「え?え?どうなってんの?アタシ夢見てんの?」

「落ち着け愛夜実、これは現実だ。詳しい話は此処の人達に聞くと良いよ」


転移した僕等は昨日転移した場所と同じ空中に浮いている、僕等に気付いた地球人がまた代表者達を呼びオッさん達が慌てて現れた


「これはこれは神よ、本日はどの様な御用で?」


「うむ、今日はまだ地球に生存者が居たので保護してきたのじゃ、世話してやるのじゃ」


「え?アタシの事?」

「そうだよ、此処は地球人を保護した星でミッドガルドって言うんだ、詳しい話は此処の人達に聞くと良いよ」

「え?どゆこと?ルゥは一緒じゃないの?どっか行っちゃうの?」

「うん、ボクはやる事があるからね、でも此処へはちょくちょく来るよ」


そう、地球人に用がある剣術を教えてもらうのだ


「あの、地球の人達…刀の使い方分かる人居ますか?ちょっと習いたいので」


僕の下手くそな言い方でも迅速に対応してくれて人を集めてくれた、有難いが人が増えて逆に緊張する




「どうしたのじゃ?早う用を言うのじゃ」

「あ、う…」


あれ?言葉が出て来ない


「ルゥは剣道を習いたいのね?ねえみんな!この娘に剣道教えてくれる人いない?初心者にも分かりやすい人が良んだけどー!」


愛夜実が代わりに話してくれた、剣道に限定されてしまったがまあ良いか


それから3人の人が出て来て2人はオッさん、1人はお姉さんだった、この時点で決まりだ、お姉さんに剣道を習おう。エロ目的では無いが僕はより緊張しない方を選んだ。


「ではワシはコッチで話があるでの、向こうで習って来るが良いのじゃ」





「初めまして、私は一ノ瀬千冬と言います。地球では警察官をしていました、剣道は全国大会で優勝経験もあります、他にも柔道、合気道、弓道も有段者です」


一ノ瀬さんを鑑定すると23歳Ccupだった、長い黒髪をポニーテールにしていてスポーティな体型でキツ目の美人さんだ


「「宜しくお願いします」」


「え?愛夜実も習うの?」

「ルゥがやるならアタシもやるよー」


さっき拾った銅の剣を構えて愛夜実が嬉しそうに言う


「あー愛夜実ちゃん、その剣で練習をするのですか?」

「他に無いしダメなの?」

「駄目では無いですが、確かに他に物が無いですね、くれぐれも怪我には気をつけましょう」

「はーい」




それから丁寧に刀の持ち方から姿勢から教えてもらい素振りを始めた、何にでも正しい姿勢がある、その行為を効率良く行う為の基本だ。


基本は大事、基本は大事、基本は大事、…やはりこうなるよなぁ、ひたすら反復練習だ。一緒にやると言った愛夜実はもう投げ出そうとして一ノ瀬さんに姿勢を正されている。そもそも目的も無い彼女では続けるのは無理があるだろう。


「そろそろ帰るのじゃ」


「助かったー!今日は終わりねー」

「今日はありがとうございました」


「どういたしまして、各自でも素振りは続けて下さいね」


「では行くのじゃ、む?その娘も一緒に連れて行くのか?」


愛夜実が当然の様に僕の隣に居る


「え?愛夜実はこの星に残るよ」

「ええ⁉︎アタシを置いてく気っ⁉︎」

「当たり前じゃないか、ボクらは戦う為にあちこちへ飛んで敵と戦ってるんだ、そんな危ない場所へ連れてけないよー」

「ヤダー!てか今日だって殆ど戦って無くてベッドに誘ったりドロボーしたりキャンプして遊んでたじゃん!アタシも行くー!」


駄々を捏ねる愛夜実だがその言われ方をすると虚しくなるのでやめて頂きたい、それに


「でも愛夜実は雑魚モンスターに一撃で殺されそうになってたろ?これからもっともっと強い敵と戦わなくちゃいけないんだ、とっても危ないだろ?だから一緒には行けないよ。でも此処にはちょくちょく顔を出すからさ、その時は一緒に修行しよ」


「うわぁ年頃の娘が一緒にやる事が修行って…、わかった!じゃアタシも一緒に行けるように強くなる!その時は一緒に連れてってよ」


「ああ、その時は一緒に戦おう」


まだ力の差を分かっていないのだろう、可哀想だがそのまま此処で頑張っていてくれ


「またね」

「ばいばーい」






ヴァニラの家に戻った僕等はお風呂と食事とSEXを済ませて明日からの話をした、僕の絶対の要求だ!先ずセーブをオートセーブにしてログアウト出来る様に、他にも色々言ったら


「もう自分で設定するのじゃ」


と設定にアクセス出来る様にしてもらった、良かった、これで真面に攻略出来る筈だ。


「ワシは別にお主の画面が詰まらんくても他の戦いを観れるから構わんのじゃ」

「ちょっと待て、どう言う事だ?」

「さっきお主もワシの部屋を見たじゃろう、ワシは全戦場をモニターでいつでも観察出来る様にしておる、指揮官じゃからの」

「初耳だよ、ボクにもその他の戦場を観せてよ」

「じゃ酒でも飲みながら観戦するかのう」


アリアにネクタルを準備させヴァニラの書斎で寛ぎ出したエメラダ


先程たっぷり愛したアリアは満足そうな顔でエメラダにネクタルを出している、僕には葡萄ジュースだ


「さて何処の戦場から観るかの?」

「勿論ヴァニラとライカだ」


すると何も無い空中にいくつもウィンドウが現れ戦場が映された

青い点と赤い点の映されたウインドウ、色々とグラフの表示があるウインドウ等、そしてヴァニラ達が映されたウインドウが一番大きく表示された


「おおっ、もしかしてコレ青い点が味方で赤い点が敵って事?」

「うむ、そうじゃ、見易いじゃろう」


如何やらヴァニラ達はある程度の人数で分かれて戦っている様だ、グループ毎に分かれても一緒に戦うわけではなくお互い戦い易い様に戦っている様だ、1人で戦う者も居れば数人で連携している者達も居る


「ヴァニラは…当然の様に1人だな…」


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