「でさ東京にいた筈なのに昨日の大地震よ!こりゃ死んだわーと思って気付いたらここ何処っ⁉︎ってわけ!あはは、ルゥも昨日の地震でこの町に来たの?」
そう話す東京の女子高生月白愛夜実と僕は知らない町の他人の家で勝手に寛いでいるわけだ。
愛夜実はモンスターが溢れる世界になった時、例にもれずモンスターに襲われたそうだ、学校で授業を受けていて窓の外を見ていると突然空に穴が空きそこから大量の化物共が溢れたらしい。そこからは悲惨で、周りの友達も次々襲われ喰い殺されてしまったそうだ、愛夜実はみんなが襲われてパニックになった時に3階校舎の窓から押し出され転落したそうだが、幸いにも深い生垣に落ちそのまま気を失って目が覚めたら人間も化物も居なかったとの事、それから昨日まで学校に隠れていたらしい。
「いやボクは、えっと…」
どう話せば良いか分からない、1から説明するのも面倒だし僕の話術で理解させれる自信も無い、てか勢いよく喋られると萎縮しちゃう
「やーんボクっ娘きゃわ!てか全部有り得ないくらい可愛いんですけどー!出身どこ?彼氏いんの?」
話がコロコロ変わるし質問した事も忘れてるんじゃ無いか?試しに全然違う話をしてみようか
「それにしても此処って何処なんだろうねー?」
「あー誤魔化したーやっぱ彼氏いんの?隠すなよー恥ずかしがらずにさーそんだけ可愛いかったら絶対いるよね?いーなー、ね、どんな人?写真は?」
ちゃんと覚えてた、彼氏って…僕中身男なんだよね〜
「か彼氏はいないよ、あ、でも大切な人は…いるよ」
直ぐにヴァニラが頭に浮かんだ、僕の1番の恋人だ
「きゃーー!なにそれー良いじゃん良いじゃん!あー良いなー、アタシも彼氏欲しーなー、割と見た目は悪くないと思うんだけどなー、何で出来ないんだろ、ね?」
「は…はぁ…」
そう言う愛夜実は確かに可愛いと思う、白シャツの制服にスラッとスレンダーでバランスの良い体付きだ、日本人のアイドルみたいな顔でセミロングの緩くパーマを掛けた髪の毛を思いっきり抜いたアッシュ系で金色に染めて更に白やピンク色を入れていてかなり派手に見える、しかし何というか超絶美女ばかりと一緒にいるからか、自分自信がそれ以上の美形だからか、愛夜実相手に急にチンコ入れたくなったりはしなかった、よく見ると他にも気になった
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名称・月白愛夜実
種族・人
性・女
年齢・17歳
身長・165cm
体重・45kg
3サイズ
B・83(Ecup)
W・55
H・84
Lv・3
HP・15/55
MP・1/1
SP・3/30
STR・23
VIT・42
INT・5
MND・5
DEX・18
AGI・19
LUK・777
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やはり鑑定してみたらかなり衰弱していた様だ、髪は痛み肌はカサカサに荒れて栄養が足りて無いのだ、と言うかLUXが凄く高いな、生き残るわけだ
僕は世界樹の丸薬を取り出しコップに神樹液を入れて愛夜実に出した
「これ、ボクのなんだけど良かったら飲んで」
「え、あーゴメンアタシそういうのはやらないんだ、こんな世界になっちゃったけどさ、逃げちゃダメって言うかさ」
どういうのだと思ったんだ
「あ違う違う、これは只のサプリメントだからさ、直ぐに元気になると思うよ」
「いやだからクスリはやらないの!アンタも折角の美人が台無しになっちゃうよ⁉︎ヤメなって!」
言い方が拙かったか、いけないドラッグと思われてしまった
「大丈夫だって、これはちゃんと安全な所から仕入れた怪しいものじゃないから危なくないよ」
「…ルゥ、今会ったばっかのアタシに言われても煩いって思うだけかもだけどさ、本当にダメな事ってあるんだ、アタシの友達もそれで取り返しのつかない事になった子だっていんのね、マジヤバいから!」
JKギャルに真剣に説教されてしまった、完全に誤解されてるが、愛夜実は見た目とは意外に真面目なようだ、無理に勧めなくても死にはしないしな。伝え方って難しいね
「わかった、ゴメン忘れてくれ、愛夜実はこれからどうするの?ボクはそろそろ帰ろうかと思ったんだけど一緒に行く?」
「え?帰るとこわかんの?行く行く、此処に居てもしょうがないしさ」
ミッドガルドに行くし一緒に連れて行けばいいだろう
「じゃあ行こうか」
僕は席を立ち台所へ行き火を点けれそうな物を探す、棚の上に非常用のガスコンロが一台ガス缶と一緒に置かれていた
「おお、やった楽できる!」
これなら摘みを回して点火しベッドにでも入ればセーブになるんじゃないか?
「着いて来て」
僕はガスコンロを持って寝室を探す
「ねえ何やってんの?帰るんじゃないの?」
「そうだよ、良いから良いから、あ、此処か」
ベッドのある部屋に愛夜実と入りコンロを置く
「あれ?どうやって使うんだコレ?」
物が何なのか知っていても初めて使うのでそもそもの使い方が分からなかった
「え、コンロでしょ?これわぁ、こーやって、こう」
カチチッボッ
「おお、点いた!やったぁ」
「てなんで⁉︎なにしてんのよ?」
「まぁまぁ」
僕はベッドに入りもう1人分のスペースを空ける
「はい、行こうか」
「はっ⁉︎はあっ⁉︎い意味わかんないし!何考えてんのよっ⁉︎」
さっきは色々説明しようとして失敗したからな、今度は取り敢えず結果を見せて納得してもらおう
「良いから良いから来てごらん、騙されたと思って、ほら」
「いやいやいきなり何言ってんのお〜?怖いんですけどぉっ⁉︎やっぱ変なクスリやってるからおかしくなってんのよ!帰るんでしょ!しっかりしな!早く行くよ!」
「だから一緒にほら、イこ?」
「マジアタシそっちじゃから!悪いけど初めては好きな人とって決めてんだからね!」
「もう、良いからっ!」
「きゃあっ!」
僕は無理やり愛夜実の腕を引きベッドに引き入れた
(さあ、帰ろう)
(………………………)
「…ねえ何がしたいわけ?」
「あれ?」
オカシイぞ?火を起こしキャンプで眠る、セーブ完了じゃないのか?
「もーふざけないで!あードキドキして損した!早く行くよ!」
うーむ、一緒にイくつもりだったんです、エメラダの家に
「もしかして外へ行かないとダメなのか?」
「あったりまえじゃん!帰るんでしょ!もー」
顔を真っ赤にした愛夜実は外に出て行った
「マジか…外で火を起こしキャンプ…やってられな過ぎる…、絶対絶対変えてもらおう…」
僕も愛夜実に続き外へ出て先の道へ歩き出す
「いやー変な事しちゃってゴメンね、さ、行こっか」
「…うん」
(あれ?なんか口数減ってない?かなり大人しくなったけど何でだろ?)
気にしても仕方ないので歩き出す、先へ進み森へ入りさっさと帰るのだ、僕らは町の出口まで着いて正規ルートらしき道へと踏み出した。その瞬間僕の体に異変が起こった
「あれ?何かムズムズする、あれ?掻いても掻いても痒くなるぞ?あれ?何これ全身痒い!ヤバいヤバいヤバい!痒い痒い痒い!いややややややややややややぁぁーーー!」
僕はあまりの痒さにのたうち回り全身を掻き毟る
「きゃああぁルゥ大丈夫⁉︎ヤバいよ禁断症状だ!やっぱクスリやってるから!」
(ち、違う!これ多分、呪いだ!)
探索しないと呪いが発動する様に魔法を掛けられた、効果を聞いて無かったが絶対これだ!痒い!痒くて堪らない!神の呪いヤバ過ぎる!探索しなきゃ!探索!しなきゃ!!
僕は急いで町のエリアに戻った、するとやはり全身の痒みが治まったのだ
「はぁっはぁっはぁっ!やヤバい!た探索、探索しなきゃ!」
「ちょっとー、マジ勘弁して欲しんだけどールゥ、アンタさっきから全部の行動ジャンキー過ぎるわ
」
(くっ、全くだ、何も知らない人からすると狂った変態だ!だけどこれからもっと意味不明な行動をしないといけない!)
「はぁっはぁっ、愛夜実、僕はこれからもっとおかしな行動をする、もしボクと居るなら黙って見守っててくれ!」
「はぃぃ?」
僕は近くの家に入り物色を始めた、RPGっぽい物は特に何も無い、サクッと探索して次だ、次!
「ヤッバァ…」
次々空巣に入る僕を唖然として見る愛夜実、一軒辺り3分以内で探索を済ませる、2時間以上が経過しても未だ終わらず、しんどい、絶対こんな馬鹿げた設定は無くしてもらおう、やる側の作業ゲー感を考慮してくれ!何て不毛な時間!
「つ疲れた…、ヤダ、もうやってらんねえ」
疲れた、帰りたい、マリスとミゼルのマッサージを受けたい、止めれない糞ゲー地獄か、労働したくない
「ねーまだぁ?アタシ疲れたしー」
(クソゥ同じくやるべき事を共有出来れば協力してもらうのにっ)
「もうちょっと、後3軒だから…直ぐだから…」
(そうだ!神樹ローションを飲めば疲労感を解消出来るんじゃないか?)
僕は神樹液のボトルをアイテムボックスから出してグビリと飲む、するとやはり疲労感が解消され活力が溢れる
「ぷはぁ生き返る〜」
「ちょっとちょっと!何よそれ⁉︎また変なクスリやったの⁉︎てか何か光ってない?」
「よーし一気に探索だー!」
ハイになった僕は愛夜実をスルーして探索を一気に終わらせた、やはり大した物は無く、最後に入った家で銅の剣を1本拾った、もしかすると全部探索した所で報酬が出る設定なんじゃなかろうか、絶対却下だこんな仕様。僕は拾った銅剣を愛夜実にあげた
「さあ、今度こそ行こう」
「うーん…、怪しい…」
僕はそそくさと町の外に出た、今度は痒くならない
(ふぅ、良かった〜)
「さあキャンプの準備だ」
「はぁ?帰るんじゃないの?それに何で住宅が沢山ある横でキャンプの用意よ?意味わかんないってば!」
それはそうだ、やってる僕もアホ臭いと思っている、直ぐに枯木を掻き集め枝を立て掛けテントと思い込む、そして枝を削り火起こしを開始した
「こっわ…もーずっと意味わかんねー」
僕もね、やりたくてやってるわけじゃないんですよ
「よし、火種が点いた、焚火をするぞー」
「え、スゴ、何そのサバイバルスキルヤバ」
昨日散々繰り返したからな
「出来た、次こそ帰れる筈だ、愛夜実、こっちこっち、手を繋いで一緒にしゃがんで」
「またかよ…何の儀式よ!宇宙人とでも交信してんのかって感じなんですけどー」
正にそれですね
ガササッ
「きゃあっバケモノ!」
アルミラージだ!
「ヤバい愛夜実!逃げて!」
僕はそそくさと木の陰にしゃがんで隠れた
「隠れんの早っ!ちょっと待っ『ドウッ!』ゴフッ!」
アルミラージが突撃し愛夜実を巻き込み木に突き刺さる、腹部に深々と減り込まれ血を吐き出す愛夜実
「愛夜実!」
僕は駆け寄りアルミラージを突き殺した
「ガフッ!ゴポッ…」
(うっわ滅茶苦茶だ、どうしよう!)
折角知り合えた人をみすみす目の前で殺されるのは気分が悪い、何とかして救いたい
「そうだ!」
僕は神樹液を愛夜実の体にぶっ掛け、丸薬を口に入れようとした、しかし血を溢れさせ丸薬を飲ませにくい、仕方ないのでなるべく血を吐かせ、僕が丸薬を口に入れ神樹液を含んで愛夜実に口移しで丸薬を飲ませた
(こんな状態からでも助かるか⁉︎)
すると直ぐに愛夜実の傷が修復され体が発光した、衰弱していた体にもハリと艶が現れ瑞々しく復活した
「おお流石世界樹!愛夜実!大丈夫か愛夜実⁉︎」
「えほえほっ!ううっ…ルゥ、え?何か目が…あれ?」
いきなり自分に目潰しをする愛夜実
「ええ?なんで?コンタクトだったのに目が見えるようになってる⁉︎それに今の大怪我は⁉︎」
「これだよ、さっき愛夜実が飲まなかった丸薬さ」
「ええ⁉︎何それ⁉︎アンタ…何者…?」
「ちゃんと説明するって、だからこっち来てよ」
僕は愛夜実の手を取りテントに入りやっと転移できた
(セーブダルッ!)
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