神々之黄昏

R指定のラグナロク
やほ
やほ

第25話 因縁

公開日時: 2020年9月2日(水) 12:16
文字数:7,801

翌朝目が覚めるとヴァニラとライカが隣で寝ていた、3人で寄り添って寝た事を思い出す

(2人が僕より後に起きるなんて初めてだな)

「おはよう、ルーシー、ライカ」

「ん、おはよ隊長、ルシエルちゃん」

「ごめん起こしちゃったね、おはようヴァニラ、ライカ…」

3人とも赤く目を腫らし無理に笑顔を作る、ヴァニラがその大きな体で僕とライカを包む様に抱きしめる

「2人ともすまない、私のせいでマーガレットを死なせてしまった、もう元には戻せないがこれ以上大切な家族を奪われてたまるか、絶対に守る、約束する」

「隊長…私もきっともっと戦える様になる、覚醒進化さえすれば昨日の様な結果は起こさせない!絶対に」

「……」

僕は何も言えなかった、どう言って良いのかもわからない、ただただ弱い、あまりにも弱くただ守られる存在、そんな僕が何も言える筈なかった、僕はヴァニラの腕にしがみついた

僕は2人の決意に見合う力を身につけなければならない





支度をして寝室を出るとマーガレットがそこに立っていた


「マーガレット⁉︎⁉︎なん…で⁉︎」


「おはよう御座いますヴァルフニリア御嬢様、御主人様がお待ちです、お食事の用意もしてありますよ」


「ああ、おはようデイジー、その…マーガレットは、すまなかった」

ヴァニラが深く頭を下げて謝る

「いえ、悪いのはミドガルズオルム家です、数々の悪行、滅ぼされるべきは彼の一族ですわ、それに娘も戦士の端くれ、覚悟はしていたのです、願わくば、いつかヴァルフニリア御嬢様の手で仇を討ち果たして下さいませ」

マーガレットの母だった

「ああ、必ず!」



長い廊下を歩き大きな扉を潜ると広い広いリビングだった


「先ずは食事を、それから話をしよう」


中でヴァニラの兄であるヴォルフリードが待っていた、席につき水を飲む


次々並べられた料理を見て、生肉やステーキじゃない事を少し意外に思い笑みが出た

(マーガレットがステーキしか作れないって言ってたからヴァニラの実家なら生肉が出ると思っていたな)

キラキラと琥珀色に澄んだスープを飲む、シンプルな見た目なのに幾重にも複雑な風味がして体が安心する


次に肉を口に入れ咀嚼した瞬間、僕は食事を吐き出してしまった

「ウエエエェェッ!」

「大丈夫かルーシー⁉︎」

「どうしたの⁉︎」

昨日マーガレットがボリボリグチャグチャと捕食された映像がフラッシュバックし身体が肉を拒絶した


「ご、ごめんちょっと体調悪いみたい、余り食欲ないや…」

「失礼、昨日の事があったのだ無理もない、この後ヴァルフニリアと話をしたいので君は先に休んでいたまえ」

「あぅ、ありがとうございます…」

「綺麗にしますわね」

マーガレットの母、デイジーがテーブルを拭いてくれた

「汚してしまいごめんなさい…」

「良いのです、どうか、お気を確かに」

娘を喪った母に慰められてしまった、何をする気も起きず僕は寝室に戻りベッドに潜り込んだ


ペチペチ、ペチペチ


「ん、んん?」


「起きたか、オマエ、父様の愛人か?」


「ええ⁉︎誰⁉︎」

顔を叩かれ起きると目の前に小さなヴァニラがいた


「アタシはハティ、オマエは?」


「僕はルシエル、誰の愛人でもないけど、君の父様ってもしかしてヴォルフリードさん?」

(あれ?ヴァニラの愛人になるのかな?)

「うん、そーだ、なんでオマエはウチにいるんだ?」

天狼族はサファイアの様な蒼い瞳をしているものだと思っていたが、ハティの瞳はルビーの輝きを見せる紅い色だった、ジト目で可愛いな


「ボクはヴァニラ、君の叔母様のヴァルフニリアのお友達さ、昨日一緒にお邪魔してお世話になっているんだよ」


「そか、…アタシと遊ぼ」

(お世話になってるんだしそのくらいするかな)

「いいよ、何して遊ぶんだい?」

「やた、じゃ愛人ごっこしよ、ちゃんとオモチャも持ってるから安心しろ」

「はい?」

よく聞こえなかったな

「ほら、見ろ」

ウインウインウインウイン

ハティは当たり前の様に電動コケシを取り出し僕の服に手をかけた


「ちょちょちょちょちょちょちょちょちょちょまーーーー⁉︎」

「どうしたんだ?」

いきなりの展開に頭が追いつかないぞ決して寝起きだからというわけではないだろう、誰だって女の子に遊ぼうと言われ、いきなりバイブを挿れられそうになれば混乱もするだろう


「き君女の子だよね⁉︎それにそういった遊びはまだ早いんじゃないかい⁉︎」


(あれ?女で子供だよな?)

子供に見えるだけで実は100歳以上って事もあるのか?と思い鑑定をかけた


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名称・ハティリア・シェリオス・ヴァナルガンド


種族・天狼族・ヘル族


性・女


年齢・ 9歳


Lv・1


HP・100000/100000

MP・5000000/5000000

SP・20000/20000


STR・100000

VIT・30000

INT・10000000

MND・9000000

DEX・20000

AGI・500000

LUK・777777


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確かに女の子で9歳でレベル1だ、ただステータスがおかしい、特に魔力が飛び抜けてる異常だ、バグってる、ここに居るのが怖い、遊びで消されないだろうか、コッチは全ステータス1桁なのだ、ただの間違いで殺されてもおかしくない


昨日買い物に繰り出した時、このユグドラシル世界の一般人を実は鑑定しまくって大体分かった、ヴァナルヘイムの人々、ヴァニラの家の使用人達は大体レベルが20~50でステータスも数千~数万程度、街での一般の獣人はレベル3~30でステータスは数百~数万ってとこだ、装飾品を買った星の人々も、アマルティのある星の人々も似た様なもんだ、唯一ウルカグアリーのローランドさんがレベル100を超え魔力系のステータスが百万を超えていた、やはりヴァニラ達は飛び抜けていた、だからこそ昨日のイオルムはステータス一千万超えという規格の外の存在だと思った、それなのにこのハティはレベル1でINTが既に一千万だいったいどうなってんだ。

そういやハティの真紅の瞳、ローランドさんと一緒だな、ローランドさんはヘル族でローランド・シェリオス・アングルボザだった、ハティもミドルネームがシェリオスだ、もしかして


「あ、あれ?ハティはもしかしてアングルボザ家の血縁者?」


ハティはピタと止まり電動コケシのウインウインという音だけが部屋に響く


「何故わかった、母様を知っているのか?」


「や、ハティの目が紅いからそうなのかなー?ってね」


「むむ、そうか、やはりアタシにも母様の美貌が引き継がれているか」


「ハティの母様は忙しいのかい?子供がこんな遊びをしようとしたら怒られちゃうんじゃないかい?」


「…母様は、昨日家を出て行ってしまわれた、そしてアタシに『寂しくなったらコレを使いなさい』とこのオモチャをくれたのだ」


「どんな母親だよ⁉︎それによく自分にじゃなく他人に入れようと思ったな⁉︎」


「仕方無いのだ、アタシには入らなかったしな」キラン!

ドヤ顔で可愛い笑顔を向けてくる

「しな、キラン!じゃないよ!こんなもの子供が遊んでいいものじゃないの!メッ!」

「で、ではおっぱいを揉ませろ」

「な、なんでそうなる⁉︎」


「母様はいつもアタシに揉ませてくれたぞ、オマエは母様にそっくりだ、アタシの新しい母様になるんだろ?だから母様は出て行ってしまわれたのだろ?」


「ハティリア、御客人を困らせちゃいけないな」

ビクン!

ハティは恐る恐るソーッと背後へ振り返る、腕を組んだヴォルフリードが立っていた、いつの間にかヴァニラ達が部屋にいた


「と、父様、父様がいけないのだ、父様が浮気ばかりするから母様は愛想を尽かして出て行ってしまわれたのだ!」

「ふぅハティ、そうじゃないよ、父さんと母さんは愛し合っているとも、今でもね、ただ3日間だけ実家へお泊まりに行っただけだから、ちゃんと帰って来るよ。」


「ウソだ!母様が言っていたのだ、父様が母様の体に飽きて毎日違う女を抱いていて、母様は毎夜毎夜悪い狼の慰み者にされているのだろ⁉︎母様はこのままここに居たら他の男に売られてしまうから身の危険を避けるために出ていったのだ!」


「…ハティなら3日だけ待ってごらん、ちゃんと母さんは帰って来るから、そしてこのオモチャは父さんが預かろう」


「ああ!母様の形見が!」

ウインウイン

電動バイブを形見と言い、取り上げられて泣きじゃくるハティ、どうにも母様がおかしな教育をしている気がするな

ウインウインウイン

ヴァニラが前に出てハティの前でしゃがむ

「ハティ、私と後で一緒に遊ぼう、それまでチョットライカお姉ちゃんと遊んでおいで」

「ハティちゃん、あっちでお姉ちゃんと遊びましょ、ね♡」


「母様より立派なおっぱいだ!分かった、遊ぼうライカお姉ちゃん!」

「うっ、身の危険を感じるわ…」

「…頼んだ、ライカ」

ウインウインウインウイン


ライカに連れられハティは嬉しそうに部屋を出て行くが目線がおっぱいをロックオンしていた


ウインウインウインウイン

「ふぅ、いやぁ恥ずかしい所を見せてしまったね、ちょっとだけ妻の冗談が過ぎたようだ、ははは」

「はあ…」

いや絶対変だ、ちょっとした冗談ではないぞ、子供の教育どうなってんだ、きっとライカは揉まれまくって帰ってくるだろう、そして母様の悪戯があれだけとは限らん、ライカは色々ヤラレてしまうだろうと思った

ウインウインウインウイン

(というか、この電動コケシも母様のじゃないのか?夫婦で夜な夜な使用している気がする)

「こんなものがウチにあった何て、初めて見たよ、全く何処で買ったのやら」

ウインウインウイ、ポチ

(あ、ほら、見もせず内蔵スイッチを切った、絶対ヴォルフリードさん使い慣れてるよね⁉︎)


「さて、ヴァニラから話は聞いたよ、エスメラルダが君を鍛えるらしいね、そうなると色々と事情を話しておかなければならないと思ってね」

ヴォルフリードはバイブをポケットに入れ、テーブルに置かれた水差しから3人分のコップに水を入れ席についた、座れと言う事だろう、僕とヴァニラも席につく


「ルシエル君、今の異世界レベルの情勢は把握してると考えて良いかな?」

ヴァニラから話を聞いての質問なら僕は聞かれた内容を知っているレベルと言うことになる

「はい、大丈夫です」


「うん、それではこのユグドラシルの世界情勢の話からでいいね、現在世界が一丸となって異世界と戦わなければならないこの時に、恥ずかしながらトップの三氏族が纏まっていなくてね、時に激しく小競り合いをしたりするんだ、前に大きな争いがあったのは100年以上前だがね、今回の事も大事になりそうなので2日後の議会で何とか治めてもらおうと思っているのだよ」

ヴァニラが下を向き歯を食いしばっている、気持ちが分かる、治めてもらう必要などない、ミドガルズオルム家を今すぐ一族皆殺しにする迄気が済まない、そんな事を考えているのだろう

「2度目だ…」

ヴァニラが暗く震えた声で話始めた

「私はまた大切な家族を奴に奪われた!また自分では何も出来なかった!2度目なんだ!一族皆殺しとは言わなくてもせめてイオルムだけでも殺させてくれ!兄様!兄様だって同じ気持ちの筈だ!奴は姉様の仇!奴等は父様の仇なんだぞ⁉︎」


「…座りなさいヴァニラ」

激昂するヴァニラに優しく言うヴォルフリードは昨日の怒気を漏らした時より怖ろしく感じた

「…以前何があったのか聞いてもいいですか?」

「ああ、簡単にだが説明するつもりだったから大丈夫だよ、先程大きな争いをしたと言ったね、その時の件なんだ、ミドガルズオルム家はこのユグドラシルで1番の勢力を誇っているのだが、不死族の傲慢さから他種族を軽視する為日常的に強姦や虐殺を行う迷惑極まりない性質を持っているんだ」


ヴァニラが座るのを見て言いながら、水量の減った3人のコップに水差しで水を足してくれるヴォルフリード


「それを何とか戒めようと中心となって抵抗していたのが我等天狼族とヘル族だった、不死族は衝動的な事件ばかり起こしていてね、ある日いつもの様に不死族が暴動を起こしたと報が入ってね、しかしその時は普段より規模が大きかった、そこでヴァナルガンド家とアングルボザ家の主力部隊で鎮圧に向かったんだ、暴動は激しく結局その星は爆発して失われてしまったが、奴等はその間にこのヴァナルガンド家に侵入し、その時家に残った者を皆殺しにし、幼いヴァニラとハティリア姉様を拐っていったのだ、消耗した我々が帰還したのはそれから2日後の事だった、ミドガルズオルム家に乗り込もうとアングルボザ家に協力を要請したが、奴等のやり方に次は自分の家が襲われるかもと懸念したアングルボザ家は出兵を渋った、我等2氏族が力を合わせれば確実に勝てるがミドガルズオルム家は強力で手薄になれば勝ち目がないからね、しかしその時アングルボザ家の嫡男であり私の親友でもあるヘルモーズが僅かな手勢と共に我等と出陣してくれたのだ。何と言っても姉様の婚約者でもあったからね。でもその時誰も口に出さなかったが我々はハティリア姉様とヴァニラはもう生きてはいないだろうと思っていたんだ」


ヴァニラが悔しそうにボダボダと涙を落としている、水を一口飲みヴォルフリードが話を続ける


「不死族の星ヨトゥンヘイムへ赴き我等は居城ヨルムンガンド攻略を敢行した、此方の主力は、父、ヘルモーズ、私、そして私の兄達、其々をリーダーに小隊を組み連携して攻略を進められたのだ、2人の居場所を吐かせ、順調に敵を倒し奥へ進みそして遂に2人の捕らえられた部屋へと押し入ったのだ…」


ヴォルフリードは目を閉じ眉間に皺をよせる


「部屋に入った途端、あのイオルムが姉様を犯しながら食らったのだ、我々が来るまでその時を待っていたのだな、それまで2人は2日に渡り奴等に嬲られ続けていたのだ…ヴァニラもすぐ隣で四肢を食われ体を溶かされ瀕死の状態だった、それを目にし最初に動いたのはヘルモーズだった、姉様が犯されながら咀嚼される中、激昂したヘルモーズは真っ直ぐに突撃した、私も続いたのだが、其処も奴等の罠だった、空間が分断され1人1人隔離された結界で奴等にリンチされる事になった、この時に兄達は皆殺しにされてしまったのだ、当時覚醒進化していたのは父だけだったから私とヘルモーズは何も出来なかったよ、このままでは全滅すると踏んだ父は全魔力を掛けて空間破壊、全員を救出迄した、覚醒進化したミドガルズオルム家の奴等を相手にね、凄まじかったよ…父はそのまま我々をアングルボザ家の屋敷まで転送し1人残って戦死されたのだ。」


少しシンーと間を置き水を一口飲み話を続ける


「ヘルモーズは直ぐにヴァニラの治療を手配しヴァニラは一命を取り留めた、我々も全員が危ない状態だったが転送された全員がなんとか助かった、その時の戦士達がミョルニル家だったりロックベアー家だったりするのさ。そして勿論事は其処では終わらない、直ぐに父と姉様の仇をと、再び体勢を整えた我々のもとに首が落とされた、父の頭部だった、目をくり抜かれ、代わりに睾丸をはめ込まれ、口には己の陰茎を突っ込まれ、その上で奴等の精液を掛けられ半分溶かされた状態のな。上空で奴等が此方を見て笑っていた、奴等の目的は父だったのだよ、最初からね、全てが罠だった、奴等にとっての本当の脅威は二氏族のその当主のみ、その片方を失った事で既に我々の戦力は4割減といった処、既に負けは確定だった、だが我々は即攻撃に移ろうとしたが、其処でエスメラルダが現れたのだ、神の使徒としてな」


「え⁉︎エメラダって天使だったの⁉︎…ですか?」


「ん、そうだ、彼女は元天使さ、エメラダと呼ぶ仲だったとはそっちの方が驚きだが、本人から聞いてなかったかね?」


「はい、昔神々の仕事を引き受けていたって話は聞いたのですが天使だったとは知らなかったです」

(あれ?言ってたかな?どうだっけな)

「まあ神々の仕事をすると言うのは天使くらいしかしないからね」

(あ、そういう事か)

「な、成る程…通りで…すみません」


「構わんよ、でだエスメラルダはその場で『神が止めよと言うておる、もうやめよ』と言い戦いをやめさせた、我々は納得がいく筈もなく抗議し理由を尋ねた、すると『駒が減る』のみだった、当時のエスメラルダは我々に興味を持っていなかった、しかしミドガルズオルム家はそこでエスメラルダに迄手を出そうとした、覚醒進化した戦士が3人でエスメラルダを囲み一斉に飛びかかり、そして消えたのだ、何も出来ず、フッとね」


(あーそれ転送だなー…天使はその世界の生命なら力の差なんか関係なく転送出来ちゃうもんな…)

ある意味神より天使の方がその世界の人からすると凶悪だ


「驚いたよ、それまで怒りに燃え、周りの見えなくなっていた我々も一瞬で目が覚めた、それで痛み分けと言われても誰も納得出来なかったが、その一瞬で勢力の均衡が再び取れたからね、なし崩し的に休戦協定を結ばされたのだよ、それから暫くして何があったのか、魔女の格好をしたエスメラルダが『天使は辞めじゃ』と言って現れ『弟子を取るのじゃ』と言って世界の才能ある子供達をいきなり拐って行ったのさ、結果それはありがたかったがね」


(…深刻な話をしているのだがエスメラルダのモノマネを入れてくるのがめちゃくちゃ気になるぞ)


「それから私とヘルモーズはお互いに研磨し覚醒進化する事で其々の当主となって今に至るのだよ、しかし昨日の一件だ、異界との戦争を前に内戦によって滅びるかもしれない、それは避けたい、絶対に許せない確執はあるが世界の人々を守る為にはやむを得ない事もあるのだよ」


ヴォルフリードはヴァニラへと向けて話していた


「私にはそれでも我慢出来ない!あの時私と姉様は数百人の大人達に犯され体を溶かされた!痛かった!奴等は泣き喚く私と姉様を見て更に欲情し犯し続けたんだ!挙句に食いやがった!マーガレットの様に!姉様を食いやがった奴はあのイオルムだ!許せる筈がない!殺す!絶対殺す!」


ヴァニラから熱い魔力がドロドロと溢れ周りを燃やしだしている


「座れヴァルフニリア」


フッと炎が鎮火され部屋が凍りついた


「ならば先ずは独力で奴を倒せる様実力を付けろ、覚醒進化し神をも殺せるなら私も何も言わん、今のお前では奴等の慰み物で終わる、そんな事は絶対に許さん」


「…クソ」


「まあ次は私が我慢出来るか保証出来んがね、今妻はヘルヘイムの実家へ帰っている、今回の件を聞き特攻するであろヘルモーズを止めに行ったのさ、私が行くと言ったら『貴方が行くと一緒になって特攻するのが目に見える』と言われてね、ああ、私の妻はアングルボザ宗家の末娘でね、ヘルモーズの妹でもあるのだが、我が娘には姉様と同じ名前を付けたのだが、姉様によく似ていてね二氏族からよく愛されているのだ、特にヘルモーズなんかは叔父バカだな、悪戯好きで困った一族さ」


(はっ⁉︎そうか!ヘル族は魔力と魔導具開発に優れた一族って事だったな!あのバイブもアングルボザの魔道具なんだ!)


「ん、あ、あぁ、んん」

そう思った処で隣の部屋からライカの喘ぎ声が聞こえて来た


「いかん!ハティのヤツ!」

ガタッとヴォルフリードが立ち上がり隣の部屋へ走っていった


取り敢えずヴァニラと僕も後を追う事にした、僕は何となくヴァニラの手を握る


ヴァニラも僕の手を握り返してくれた

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