神々之黄昏

R指定のラグナロク
やほ
やほ

第1話 召喚

公開日時: 2020年9月1日(火) 07:00
文字数:10,116

初めて小説を書きました

宜しくお願いします。

もう記憶は殆ど無いが僕は生まれて直ぐ奇病に掛かり植物状態になったらしい、両親は僕を何とか生かして治療する間も僕の脳に直接ネットを繋いで通信出来る様にしてくれた。

 そのお陰でネットを通じ世の中の事はある程度知れた






 随分と時が経った…………両親も随分前に亡くなってしまい、この病になり300年は経った………



(時経ち過ぎだ!死ねない!動けないけど死ねないなんてどんな病だ!!

治療の弊害だろうか、健康な人より長生きしてしまった…

自然に脳死もしないとなるとどうにかして殺してもらうしかないのではないか)


 そう思いネット検索をする、自殺を手伝ってくれるサービスを頼もうと調べていると

[ラグナロク~新しい体で新しい人生を~]というサイトが目に留まった。


 普段なら見向きもしない題名だ、と思ったが[新しい体]というワードに気を引かれてしまいサイト説明を開く


ーーーーーーーーーーーーーーーー

 ラグナロク

 ~新しい体で新しい人生を~


 私は神です助けて下さい



 救世主は此方から⇧Enter


ーーーーーーーーーーーーーーーー


 とだけあった、説明じゃなかった、怪しいサイトの入口だった

興味も失いページを戻ろうとしたが戻れなくなってしまった、どうやっても戻れない


呪いですか?


 ネットに繋がってるだけの僕の人生だと詰みなのだが…こんなサイトやめとけば良かった…

どうしようもないので⇧Enterから進んでみる事にした、どうせ自殺しようとしてたんだ、死ねないよりはマシな結果を期待してポチッと…





すると次の瞬間僕の意識は何処か別の空間にあった


「うぇっ⁉︎」

(何処だここ?)


 周りを見ると八畳くらいの部屋で机や本棚、ベッドの上にクマのぬいぐるみ、そして花柄のカーテンと、…全体的にピンク多目でやや目がチカチカする部屋だ。昔アニメで見たような小学生の女の子の部屋といった感じだ。


「あっ!やっと来てくれたっ!うわーんもうダメかと思ったよー!」

声の方を見ると小学5、6年生くらいの女の子が居た、ベッドにいたようでガバッと起き上がり僕に迫って来る。

 プラチナブロンドのサラサラとしたロングヘアーで瞳の色は宝石が光を反射する様に青く輝いている、肌は白磁の様に白く頬の辺りにうっすら朱がかかっている

 服は薄く肌の透き通るキャミソールのみだ

 恐ろしく整った顔立ちでハッキリ言ってめちゃくちゃ美少女だ、今まで見た映画やアニメのどんな登場人物よりも美しい、ただ立ち振る舞いが色気を感じさせない。


「ありがとう!私の名前はアルティミア、あなたの宇宙の神です、もう直ぐあなたのいた宇宙は他宇宙に完全に吸収されます。何故なら他の宇宙の神との争いに負けてしまった為です。吸収される時この宇宙の生命はなす術なく他宇宙の生命体の餌となって消えてしまうでしょう、私の創造した全ての生命が消滅すると私の存在も消えてしまうので何としても阻止しなければならないのです!あなたにはその役割をやってもらいます。私の残り少ない力を使って異世界の勢力と戦えるようにするので安心して下さい!そしてあなたが戦っている間に私がまたまた残り少ない力を使って時空創造で新たな宇宙を創造するので救い出した命はこの宇宙に転送して下さい!さあ準備は良いですね?」


聞いてなかった


「ごめんどういう事?」


「もーーちゃんと聞いて下さいよー!このままじゃ私が消えちゃうので助けてって言ってるのーーー」


(うーんどうやら夢でもなさそうだし現実かなあ?この展開って大昔に流行っていた異世界転生ものってラノベみたいだ。帰りたい、そもそも)

「あのぅ助けたいのはやまやまなんですが僕は病気で体も動かせない状態なので無理だと思うんですよ」

「それなら大丈夫よ、私が新しく身体を創造してあげるし、それにあなたの前の身体はもうないわよ」


「え?」

 思わず自分の身体を見てみる、視線を変えれたので「体が動く?」と思ったが何もない、姿見が有ったので自分のいる場所を見てみると、何かぼんやりと光るものが浮いていた、大きさはビー玉くらいの大きさしかない

「これって僕?」


「そうですよー今のあなたは魂だけの存在です、この空間には魂だけしか召喚できなかったので、それに元の体は既に他宇宙の生命体に食べられちゃいましたし、そんな事より、はやくはやくぅ」


「ええっ?僕食べられちゃったのっ⁉︎」

(ん?でも元の身体はそもそも動かせなかったし新しい身体を作ってくれるなら問題ないかな)

「まいっか、それじゃあどんな身体になるか教えてくれ」


「お思ったより淡白ですね。はい、神の力で創造する身体の能力は何と言っても不死!…にするにはちょっと力が残っていないので怪我をしても割と治りが早くて寿命も倍くらいには…でもでも状態異常にも掛からない!…まではいかなくてもまあ毒や病気に強くはできるかな…でもでもでもなんと言っても力!これは今の私の力でも常人の10倍くらいには設定できるのでぇす!」


「でぇす!じゃないよ」

(うーん何だか不安になって来たな、そもそも前提であるどんな敵と戦うのかもこの残念神からちゃんと聞いてなかった)


「えーでもぉ今の私の残りの力ではこれがせーいっぱいっ♡」


 イラッとした


甘えた感じで言って来るがこの場合全くの逆効果だろう、

だが先ずは情報を得て整理しよう


「なあ神様、とりあえずこれから新しい身体になって他世界の敵から僕らの世界の生命を助けるって流れはわかった、でもそれだけじゃ情報不足だ、失敗しない為にもなるべく知れる事は知っておきたい、いいかい?」


「ぅーー時間が無いのにぃ~しかたないわねー何が知りたいのぉ?」


(ジト目で不貞腐れるがこれはお前の為と言っても良いんだぞ)


「先ず敵についてだ、どんな敵と戦うのか知らないとどれだけ強い身体を作ってもらってもあっさり殺られてしまうかもしれないだろ、出来ればどんなのを相手にするのか知っておきたい。次に作ってもらう身体だ、神様の力で設定するって言ってたがその設定とやらは調整可能なのかだ、敵を知って対策を取りたいからな、そして生命を転送するという手順や条件があるなら教えろ」


「まあそのくらいならぁ」


 パチン!


 残念神が指を鳴らすと何もない空間にスクリーンの様に映像が浮かびあがる


(おおっ便利だな)


「もう私の宇宙の生命が存在する星はあなたの住んでいた天体が最後なのね、だからほんとに急がないと消えちゃうわけー」

 映像は先ず地球を俯瞰で映していた、全体像から見ると彼方此方色や形が変わり果てている様だ、徐々にアメリカの辺りにズームされて行き地上に…途中雲にバカでかい竜の様な影が写った様な…錯覚かな

 映像が地上の都市に移ると逃げ惑う人々が映し出された、何から逃げているのか逃げて来た先を見ると、何とそこにはゲームや漫画で見るようなゴブリンの集団がいたのだ、ファンタジーかよ、ならゲームの様に攻略するイメージもわくだろうか

 逃げる人々の中で女性が転んでゴブリンに襲われる処をムキムキマッチョのタンクトップ男が立ち塞がって助けに入った

 僕の知っているゴブリンの設定だとその力は子供と同程度で繁殖力を活かして集団での戦いが得意ってイメージだ、ったのだが…大きさ自体はイメージ通りだがその力は…1対1でムキムキマッチョメンを軽々と引き千切り食べ始めた…そして他のゴブリンが女性をあっという間にレイプしだしたぞ…人々が次々に襲われていく、だが別の方向から銃弾による斉射がゴブリン集団を掃討していった、軍隊だ!軍隊が機能しているじゃないか!戦車や攻撃ヘリも現れて次々ゴブリン集団を殲滅していく!なんだファンタジーな敵が相手だろうとやはり人間だって負けてないじゃないか、そうだ人間の強さとは、考え工夫し道具を作りだし連携する知恵だ

 神の力など必要無いんじゃないか、と思った所で新たにワーウルフが現れた、ワーウルフは瓦礫を掴み軍隊に向けて次々と投げだした、その威力たるや戦車砲!歩兵達が弾け飛ぶ、戦車は何とか耐えれていると思ったらワーウルフは戦車の装甲をその爪で直接切り裂きまくった、攻撃ヘリがワーウルフにミサイルを打ち込んだ、あれならワーウルフもバラバラだろうと思ったが立ち昇る炎と黒煙の中から引き裂かれた戦車が砲弾の様に飛び出して攻撃ヘリに命中した、戦車を投げたようだ。先程ミサイルをしこたま撃ち込まれたワーウルフはまた別の攻撃ヘリへ跳躍し勢いそのままに跳び蹴りでヘリを貫いた。

 ミサイルでワーウルフも殺せないなんて、人類には核兵器くらいしか通用しそうな火力は無いんじゃないか?その瞬間、都市が大きな爆発に見舞われた、核攻撃だ!まだまだ逃げ惑う人々がいただろうに人類も想い切った事をするな。爆発は一撃では終わらず次々とキノコ雲を上げる、おいおいやり過ぎじゃないか?と思ったら遥か上空からドラゴンがブレスを吐いていた、核攻撃と思った爆発はドラゴンのブレスだったのだ、しかも連射がきくとは。

 ドラゴンにとっては他のゴブリンやワーウルフも人類と変わらないようだ、そして核兵器並みのブレスを吐くドラゴンに核攻撃が通用するとは思えない。と思ったところで映像が終わった



「おい、どう考えても無理ゲーだろ」

(人類の叡智も儚いものだ)


「……まっまあ直接あんな敵と戦う事何てないから大丈夫大丈夫!やってもらうのは生命をこっちに転送してもらうだけだから、ねっ、ねっ⁉︎このままじゃ残りの生命も全て消えちゃうのよーーっ!」


「いやしかし力の差あり過ぎだろ、何だあのドラゴンは」

「そりゃそうよぅ、だってこの星の生命は私の宇宙でも最弱だったんだもんっ」


(…ふぅ、なんてこった…もう終わってるようなもんじゃないか、まぁ僕は既に死んでる様なものだし身体をくれるって事だしやれるだけはやってやるか)

「一応やってやるがあまり期待しないでくれよ、次は身体の創造についてだ設定と言っていたな、それは成長性や特殊能力といったものを設定で作れるのか?」


「うーんやろうと思えば出来るけど、成長性を付けると初期の力がうんと弱くなっちゃうのよ、最初から神の力で限界まで能力を上げた方が早いと思うのー、次に特殊能力って言うと瞬間移動や念動力といったものかしら?1つや2つくらいなら出来るかもだけど今の私の力ではそんなに複雑な能力は作れないわー、生命エネルギーをこの部屋に転送してもらって私の力が回復出来れば出来ることは増えてくけどーー」


「それじゃあ今見たゴブリンにすら苦戦し続けるだろう」

(思った以上に使えないな神の力)


「ちょっとちょっとー今全然役に立たないって思ったでしょー」


(よく分かったな)


「残り少ないとは言え神の力を使えば心を読む事くらい簡単なんだからねー」


「残り少ない力を下らん事に使うな!そもそもなんだその残りの力が少ないとは⁉︎何故そんなにカツカツだッ⁉︎」


「はっはいぃぃごめなさいですぅ!だってだって神々の争いに負けて99,99%の力を奪われちゃったからなんですものー、そんな事がなければ私だってちゃんと全盛期の姿でいられたし創造力だって幾らでも使えたのーーーーっ!その上今は時空創造に殆どのエネルギーを使っていて限られた僅かな力しか残ってないんですものぉーーーー!ぴえーーーーんっ!」


「わかったわかった悪かった、落ち着け神様。ならこれならどうだ、成長性を敵を倒したりして経験値を得られる様にし、特殊能力を成長によって徐々に増やしていけるようにプログラムできるか?」

(あんなファンタジー以上にファンタジーな世界ではゲームの様にレベルを上げて対策を考えていかねば生き抜ける気がしない)


「それなら殆ど力を使わなくて良いから可能よーーあなた面白い事を考えるのねー」


「昔それ系のラノベやアニメを見まくったしMMORPGもやって事があるからな、コテコテのお約束設定だ、何処までご都合主義に設定出来るかが肝要だ、それじゃ先ず知りたい情報を数値や文字によって見れるようにしたい、相手や自分の強さ等を測ったり、状態が分かる様にしたいからな。一定の経験値を得ればレベルアップで能力が向上する様に、そして特殊能力だが、スキル設定にしてくれ、そしてスキルポイントとしてレベルアップとと同じ様に得られる様にしたい。僕がここに生命を転送しお前の力が回復するならそこから一定の力を僕のスキルの向上に充ててくれ」


「うぅっ神使いが荒いわぁ途中からお前って呼ぶ様になってるしぃ~…ぶつぶつ…」


「おい!出来るんだろ?さっさとやれっ!」


「ひゃっっひゃいぃぃぃ

 あ、でもその前に入れ物である身体の方から創らないとぉーーー」


「む、そうかでは始めろ」

(今まで体を自由に出来なかったからゲームでのキャラメイクでさえかなり労力を使ったもので神の力でキャラメイクとかちょっとワクワクするな)


「ははい、それじゃあ~、んーー、そーだ!よーーーーし、ハッ!」


 神アルティミアが両手を前方に伸ばしピロピロと動かして体から何か光を出し始めた

 ヨッ、とかヤッ、とか言いながら光を粘土の様に捏ねて形を整えていく、材料はよく分からないが思ったよりアナログだった。


「はあはあっ出来たっ!」


 5分くらい掛かって完成した神の造形は完全無欠であった、頭の先から足の先までどの角度から見てもこれ以上の美は無いと見るものに訴えるものがある、見ているだけで僕の死んでしまった感情を蘇らせ、何か熱いものが込み上げて来る、その見た目だけで足元に平伏したくなるような、しかしそれでいて全てを許されるような何処か故郷を思い出させる懐かしい優しさに包まれるのだ。


 その髪は何よりも神聖でまるで雪溶けにより生まれた清流が陽の光に煌く春の訪れ

 その肢体腰恥丘のラインは華奢ながらも生命を感じさせる大海の潮流よりも激しい大空の乱気流は夏の訪れ

 その双丘は収穫の時を此れでもかと待ちわび余りにも育ち過ぎた豊穣秋の訪れ

 その肌は何処までも白くまさに地平線の彼方まで降り積もった雪や冬の訪れ

 ああ全てがある、何を言ってるか訳が分からないが全てが完璧だ…だが


「おい何で女体なんだ?」


「ふふん完璧な体を創ろうと思ったら私の本来の姿がそれだったのよ!」


「いや僕一応男だし男の体が良いや、やり直せ」


「えーーーーーーーっ⁉︎どれだけ頑張ったと思ってるのよぅ!何よりこの体!完璧じゃない!今からやり直しなんてもう能力設定のエネルギー何て残らないわよぅっ!」


「む、其れは不味いな…ん?この姿が全盛期と言うのなら今は少ない力で維持出来る姿とも言えるよな?」


「ま、まあそうね」


「よしなら少し幼くても良いから別で創るんだ、どうせ成長しなければ先は無いんだ、能力と共に体も育てるさ、そして次は僕が指示する」

 アルティミアの創った体を見て思ってしまったのだ、僕は1度も性的な行為をした事がない、そんな事も諦めていたから欲求も湧かなかった

 体が動かせなかったんだから当然だがそれが叶うとなれば話は変わる、チンコが欲しい!そしてマンコにぶち込みたい

 出来れば大人アルティミアに挿れたい、欲が出た、これは良い事だ、何故なら欲望が活力を生み出すからだ、活力が無ければ世界も救えないしチンコも勃たない、もう我慢できるものか


「もーーしかたないわねーこんな良い神他にいないんだからねー」


 ぶつくさ言いながらも要望に応えるアルティミア

(やはりチョロいなコイツは適当な事を言って言いくるめて犯れそうだな)


 それから16時間程経ちやっと完成した


「ぜひぃぜひぃっ何なのよやっと完成だなんてチョーーーーーーーーーーーーーー注文多いんですけどぉーぜっぜっ」

 かなり力を使ったのかアルティミアは疲労困憊といった具合だ、しかしその甲斐あって満足のいく仕上がりになった、結果から言うと黒髪のアルティミアを幼くしたような雰囲気だ、寧ろ局所を除けば顔などはほぼ変わってない、エネルギーの節約の為に先程創った大人アルティミアのコピーを創り、そこから局所を変えていった為だ、局所を弄る度に少しずつ見た目が若返っていくのが不思議だったがそういったものなんだろう、開始時点見た目は二十代前半くらいだったものが今は十代前半かそこらといった見た目だ、だがそんな事は如何だって良い!兎に角チンコだ!チンコの造形に時間の殆どを使った!稀にも見ない巨根!戦闘を想定して平常時は平均よりも小さくなるよう設定し、急所である玉は普段体内にしまえるようにした!そして造形中はフル勃起状態で行った!!


 その亀頭たるや尖端からカリまではまるで長年部位鍛錬を積み重ねたプロボクサーが硬く硬く拳を握り締めたかのような破壊的な造形をし

 その砲塔たるや常に脈打つ太い血管が薄い皮膜の下に這いずる

 その反りたるや機能美を追求した日本刀の如く

 その太さたるや樹齢1000年を感じさせる生命力を幹に迸らせ

 その裏筋たるや巨大な陰茎にもう一本平均的な陰茎が寄り添うようなドラゴンの喉を思わせる、きっと火を吐き出しまくるぜ

 その陰嚢たるや湖に潤沢な聖水が溜まっている事を知らせる迫力がある

 アルティミアもなんだかんだ言いながら時間を忘れて創造に没頭し僕の指示を受けながら疲労とは別の甘いハァハァを奏でていた、如何やら好きもののようだな、いやだいやだと拒絶しながらも僕に犯され泣きながら感じてしまう姿を想像してしまう、幼女がハァハァと興奮しながら巨根を愛でる姿は僕の閉ざされていた新たな扉を開放してしまったようだ流石は神だ、貴方によって僕は開眼された、まだ童貞なのに


「ごくりっ…こ、こんなの入るわけない…壊れちゃうよぉ」


 幼女が震えながら巨大な一物を見上げ呟く

(ん?コイツ最初の頃より小さくなってないか?)

 最初は少女と言ってよいくらいの見た目だったが今は4、5才くらいの幼女だ

「お前小さくなってないか?」


「そりゃそうよぉーどれだけエネルギーを使ったと思ってるのよぅ全ての力を使い切っちゃうと存在ごと消えちゃうんだからねーー」


「…そうか」


 そういう設定らしい


「それじゃあ次に受肉させるわよ」

 アルティミアが手を伸ばし僕の魂に触れた


「あら?あなた人間にしては随分年季の入った魂をしているわね」


(そりゃそうだ300年は寝たきりだったんだからな)


 とか思っているうちに創った体の口に僕は入れられた

 一瞬暗くなったと思ったが次に目を開けると目の前にアルティミアが居た


「問題なさそうね、受肉完了よ」


 僕は自分の体を見回し腕を伸ばしたり曲げたり手を握ったり開いたりしてみる

 試しに歩いてみて屈伸してみた、初めて体を動かすからやはり上手くは動かせない、そして何より匂いが凄い、鼻が効くようになり爽やかな気分が広がる


「…おおっこれが体を動かすって事か、ずっとずっと夢見た感覚、…ありがとう…グスっ」

 涙が溢れてきた、受肉した事で感情も鮮明に蘇ったようだ、溢れ頬を伝う涙も気持ちが良い


「ふふふっ大袈裟ねーまるで何年も寝たきりの人が初めて体を動かしたみたい」


 まさにその通りで数年ではなく数百年だが、神なのに知らないのか


「それじゃあ次に能力設定をするわよぉでもちょっと問題なのがぁ体の創造に予定より大幅に力を使っちゃったから殆ど能力は創れないわよぉ」


「何っ⁉︎大問題じゃないかっ⁉︎」


「えぇ〜でもあなたがあれだけ造形に拘るからぁ…」


(はっしまった!ちチンコで頭がいっぱいでうっかりと…)

 一説にはエロい事を想像しながら仕事をすると作業効率が40%程低下してしまうらしい

 反省しよう


「ううーむそれじゃあ今想定出来る中で優先順位でどこまで能力を付けれるか考えよう」

 僕とアルティミアは小さな座卓に座り相談し合った


 神の力を回復するのに必要な生命エネルギーは敵の生命力でも良いようで、だがその場合魂の所有権を上書きしなければならないらしい、やり方は同意か強制かで同意の場合は話し合いなどでスカウトに近いらしい、そして強制、これは平たく言えば戦って殺して魂を奪うってやり方だ、大変そうだがまずこの強制になるだろうな

奪った魂は僕を通して自動的にアルティミアに転送吸収される

そしてその中から一定量がスキルポイントとして僕に還元されるようにしてもらった

なんだかまるで給料天引きで手数料や税金を引かれるサラリーマンのようだ…


 しかし成長の可能性があれば敵を倒す程に強くはなれそうなのでなるべく可能性を広げれるようにゲームやラノベを参考に能力を次のように構成した、そもそも僕は社会経験など無いのでゲームのように攻略していくしか方法が思い付かなかった


 レベルシステム(ステータス成長)

 ジョブシステム(能力補正・成長特性)

 スキルシステム(特殊能力)


 現在レベルは1でジョブは無職だ

 スキルは何とか2つ創れた

 1森羅万象数値化

 2鑑定


 まずレベルはアルティミアがエネルギーを得る事で僕に還元したエネルギーを反映する為の設定だ

 ジョブは環境に対応しやすくする為に

 そしてスキル、森羅万象数値化は敵や自分の能力を僕が分かりやすくする為、現実に反映し数字で見えるようにした

 またそれを知る為の鑑定、これはラノベなどでは絶対に抑えておきたいスキルだしな

 もう一つ定番のアイテムボックスも欲しかったがアルティミアに話すと時空を繋いでこの部屋をアイテムボックスとして使えるとの事でスキル化はしなかった

 今はこれだけしか出来なかったがアルティミアが力を得る事で次々に能力を創造してくれる事になった


 これがゲームならどんなに良いか…


 とりあえず自分を鑑定してみる

 鑑定を使った瞬間僕の中から何かが抜ける様な、体が重くなる様な感覚があった


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 名前・なし

 Lv・1


 ジョブ・なし


 HP・5

 MP・2


 スキル・[森羅万象数値化][鑑定Lv1]


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


(お、思ったより何も分からないな…そしてショボくね?HP5にMP2って…もしかして今の疲労感、鑑定でMP使った?…というか名前、僕の名前ってなんだっけ?)

「なあボクの名前って何だっけ?あれ?そういやボクはどの国の生まれなんだ?」


舌を上手く使えてないのか僕と発音するとなんだかボクって感じでちょっと可愛くなってしまう、これじゃボクっ娘だ


「えー?人間の決めた国や名前何て知らないわよーー名前って言うのは真名と呼んで神が名付けた名こそ唯一の名前だからねー、真名自体にエネルギーがあるのね、神の世界からすると本来神以外の存在に名前なんてないわよ?それに生命エネルギーと呼ぶものもそもそもはエーテルといって万物の根元たる力のことなのよ、だからあなたに転送してもらう生命エネルギーもエーテルの事で個体を指すものではないのよぅ」


「今頃根本の説明かよ!じゃあ神の力ってのはそのエーテルの事なのか?そして今ボクらの世界は異世界の侵略によってそのエーテル力が枯渇寸前だと?」


「まあそうね」


(うーんどうも神ってのは人間とは考えることが違うというか…視点が違うようだ、神目線ってやつか)


「それでも名前は欲しいかな、よしアル、ボクに名前をつけろ」


「ちょっと神の真名を略すんじゃないわよ全くぅ、それに名付けには物凄くエーテルを使うんだから今それをやっちゃうと私が更に小さくなっちゃうじゃないのぉ」


「出来るんだな?名前も無しじゃ働いてやらんぞ」

(どうにも色々と保険を掛けてる気がするからまだ大丈夫だろう)


「う、わわかったわよ、真名っていうのはそう簡単に与えて良いものじゃないんだからねっ」


「感謝する、さあ名付けろ!」


「んもぅ…ぶつぶつ…」

 アルティミアが目を閉じてぶつぶつ言い出した、なにやってんだ?


「通った!ルシエル!ルシエルなら大丈夫、あなたの名前はルシエルなのよぅ!」

(何だその流れアカウント作成かよ)


 と真名を付けられたその瞬間僕の体がやわらかい光に包まれた


「何だ今のは?特に変わった感じは無いが光ったぞ?」


「今のわぁー神の祝福よぉーーそれがホントの名付けってやつなのぉ」


「ふーん、まいっか、とにかくルシエルだな」


「よーち、これれゆんびはそよったわね」

(何だその赤ちゃん言葉は)

 と思いアルティミアを見ると1、2才くらいの見た目にまで小さくなっていた


「おおっ⁉︎大丈夫なのかそれ?流石に何も出来ないだろっ⁉︎」


「らかや言ったれそ!たんとはたやいてよね、さあてんそーすゆわよ」


「おおぅ」


(うーんちゃんと転送出来るのか怪しいもんだそれにちゃんと転送されたとして出た瞬間ドラゴンのブレスを喰らったりしないよな、それはもうそうならない事を神に祈るしか無いか、…祈る相手がコイツになるのか?)とアルティミアをみて余計に不安になった


「ちょっとーなにしつれーなことおもってうのよー」

(心を読みやがった)

「バカタレ!下らん事に力を使うなと言っただろうがっ!転送に失敗したらどうすんだ」


「あぅ…びっびえぇぇぇぇぇぇぇん」


(くっ成る程どうやら精神的にも幼くなってしまうようだ、困ったな赤子に泣かれる何て初めてだしどうして良いか分からんぞ)


 ぺちっとアルティミアに叩かれた、全く痛くは無いが次の瞬間僕は知らない森の中にいた


 どうやら転送されたようだ、そして僕は全裸だった

読んで頂きありがとうございます。

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