エメラダの自室、そこには3人の神が居る、魔神二グラスがマッサージベッドに横たわり完全に熟睡する横で、テーブルを挟みソファーに座るエメラダとロキが対峙していた
「じゃあエッダ、そろそろ死ぬか」
ロキは気軽にエメラダを殺そうと立ち上がる、対するエメラダも気負いは無い
(どうせ死ぬなら色々試してみるか)
「ふむ、では出来る限りは悪足掻きに付き合ってもらおうかのう」
「お?意外だね、賢いお前の事だから無駄な事はしないと思ってたよ」
「賢いものか、結局はこうなるまでワシは何も見抜けなかったわけじゃからのう」
「それはアレだよ、俺がもっと賢かったってだけさ、なははっ」
「姿形もその存在値すらも桁違いに変わったというのに、中身は相変わらず悪戯小僧のままじゃの」
「まーねー、じゃお前の最期の遊びに付き合ってやるから思う存分俺に挑戦してみなよ」
ロキとの掛け合いをしながらエメラダもゆっくりと立ち上がる
「それでは、失礼の無いように初めから全力でいくぞ…、はあぁぁぁぁぁぁ」
エメラダはエーテルを循環させオーラを操作し衣装を変える、スキルによる[神体掌握]と[エーテル変換掌握]を使い戦闘準備の為に鎧を纏った
その姿はまるでライカの使った魔装のようであった、それもその筈、ライカに魔装を教えたのはエメラダであり、それがエメラダのメインの戦闘スタイルだからである
漆黒の全身鎧は思いのほか肌の露出が大きく、顔や胸元は開けており煽情的な装いに感じられる、翼膜のある羽と長く鋭い尾も触れるだけで斬れてしまいそうだ
「はああぁぁーーーーっ!!!!!!」
エメラダが一気にオーラを爆発させ街ごと消し飛ばした、全員をルシエルと共に転送したわけでは無いので巻き添えにする事になったが今はそこに気を回すゆとりは無い、寝ている二グラスも何処かへ吹き飛んで行った
「おおっと、何だそりゃ?やっぱエッダって侮れねぇよなぁ、次々と良く考えるもんだぜ」
「なに、天使時代に色々働いて覚えたのじゃよ、弱者故の学びじゃ」
「そういやそんな事もあったな、懐かしいなー、ミーミルを殺したのお前だっけ?はははっ」
「黙れ、行くぞ」
エメラダはミーミルと言う名を出され突然話を絶つ、そしてロキに向かって飛翔した
エメラダは初撃を放った、全力の右スマッシュをロキの鳩尾に減り込ます
「はあっ!!!!」
ドンッ!!!!!!
「う゛ぶっ!!!!??」
次に左フック、返して右肘でフック、左掌底で顎をかち上げ心臓に貫手を突き刺す!
ズシュッ!!
「かっ…!?なっ?」
突き刺した腕を抜きながら側頭部に回し蹴りを喰らわす
「だあっ!!」
ドブヴァッ!
ロキは頭部が破裂し錐揉みしながら近くの小惑星に打つかった
粉々に砕ける小惑星、エメラダは短距離転移でロキの目の前に出て、鋭い爪を肩に食い込ませ空いた手でボディブローを光速連打する
「だだだだだだだだだだだだ!ダァッ!!」
決めに破裂したロキの首へと手刀を御見舞いした、ロキは真っ赤に燃え成層圏を突き破り落ちて行く
砕けた小惑星が燃え上がる流星群となってミッドガルドへと降り注ぐ、エメラダは流星を把み次々とロキへ投げつけた!
超加速した流星がロキの体を撃ち、肉や骨を砕き潰し焼き付かせる
エメラダは両手を挙げ別次元でチャージし練り上げた攻エーテルを頭上に出してロキへと放った
激しい光の波動が地上に打つかる直前のロキを捉えそのまま大地に衝突する
「はあああああああっ!!!!」
エメラダは波動を放出し続ける、その背後から声が掛かった
「ちょっとアンタ、ワタシが気持ち良く寝てたのによくも邪魔してくれたわね」
二グラスだ、エメラダは羽を広げて切断しに掛かり、鋭利な尾で刺突する
その羽の斬撃を二グラスは両手で把み尾の刺突を口で受け止めた
「ふぇっふぉふぃふぃふぁふぃふぁひふんふぉふぉ、ふぁ?」
バリンッ!
エメラダの尾を簡単に噛み砕いた
「言い直すわ、ちょっとイキナリ何すんのよ」
「何って敵意を向けてきたじゃろぅ?」
「当たり前じゃない、気持ち良く寝てたのに、さっきの寝床を出してくれたら別に見逃しても良いわよ」
「御主はロキの助力はせんのか?」
「はっそんな事興味無いわ、ワタシはただ美味しい男を喰らいたいだけだもの、それにワタシが手を出さなくてもアンタに勝ち目なんてないでしょ」
一方的に滅多撃ちにしている筈のエメラダの方が勝ち目が無いと言う二グラス
「ふっ、やはりそう思うか、ではそこで視てるか寝ておれ、ほい」
エメラダは極上のベッドを創造し二グラスの前に出した
「きゃっ素敵♡あん、このベッドでこのまま誰かとSEXしたいわぁ、じゃ頑張って〜ん」
微笑みながら手を振り上機嫌で離れていくニグラス、宇宙空間を漂い完全にダラけきっている、それはエメラダを敵として認識していないと言う事、興味が無いという事だけではない、格の違いから敵にもならない下等存在と見ている為だ
「ふぅ、2人同時に相手にすればひとたまりもないが興味が無いと言うなら一先ず置いておくかのぅ」
ドドオオォォォーーーーーーーーーッンン!!!!
星が2つに割れ両極からマントルが溢れ立ち昇る、その中心から無傷のロキが現れた
「あははははははははは!!!!痛い痛い!痛かったよエッダ!やるじゃ無いか!正直期待して無かったんだけどさ、良いよ!めちゃくちゃ良い!最高だ!!」
「全裸でそのセリフは微妙なものがあるのじゃ」
「あん?そうだなー俺もエッダみたいに何か装備してみようかな」
ロキは両手首を縦に斬り血液を大量に溢れさせた
煌々と輝くマントルに背後から照らされロキは己の神血に全身を覆われる、その神血が徐々に形を整え全身を覆う甲冑になった、体を薄く覆う程度の厚さと流線的な形状から、かなり細身に見える鎧だ、艶めく真紅の鎧は頭部だけを露出させロキの身を飾っている
「どう?カッコいいっしょ?」
「そんな事をされてはワシの利点が無くなってしまうではないか」
「あはは、そんな事無いさ、俺はてっきり魔法戦を仕掛けてくるもんだと思ってたから、実は格闘戦だとはって意外だったよー」
普段魔法使いの格好をしている人がいざ戦いになったらゴリゴリの物理格闘を始めれば誰だって虚をつかれるだろう、だがエメラダの本質はやはり魔導師なのだ、極端に低いSTRやVIT、極端に高いINTがそれを物語っている
エメラダはスキルを駆使して戦っている[エーテル変換掌握]によりエーテルを物質化して神装を纏い、更にMPをHPやSTR、VITに変換して神体強化し[神体掌握]によって繊細な格闘術を再現している、また[思考量子加速]であらゆる可能性を計算し尽くし次の手を出し続ける、極め付けは[闘神]だ、闘神のスキルはエーテルが己の体内を廻る速度と圧力を何倍にも引き上げる効果がある、その為闘神の効果を引き上げれば引き上げる程強くなる訳である
しかしながらその反動も凄まじい、一つ一つの細胞に高圧力のエーテルが流れ込み爆発しそうになるのを無理矢理制御しているのだ、痛覚を遮断しても精神体へと直接激痛が走る、そして出力を上げる程に神体は限界を超える、やがては存在自体が崩壊し消滅してしまうのだ、つまりエメラダは神器エインヘリアルの能力と同様のモノを己の創造によって創り出したのである
そしてここで更なる手、最終奥義と呼べる業を発動させる
「そうか、ならばこんなのはどうじゃ?弱者故の工夫じゃが、更に楽しめると思うぞ?」
エメラダは[エーテル量限界突破]それにより異次元蓄積していたエーテルを一気に引き出した
「おいおいおい!マジかよっ!」
驚愕するロキ
それはオーディンの神器エインヘリアルを上回るエーテル量であった
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