神々之黄昏

R指定のラグナロク
やほ
やほ

第35話 一人

公開日時: 2020年9月3日(木) 06:58
文字数:3,699

情事を済ませた僕と兎ミミ双子のマリスとミゼルは体液やオイルでヌルヌルの体をシャワーで洗い流して薬湯に浸かる


「滲みるか?」

「「いえ大丈夫です、ルシエル御嬢様、中にまだルシエル御嬢様の蜜が残っているので、それに今日の湯は傷の治りに特に良く効くのですよ」」


今日の薬湯は無色透明でトロトロと滑りがある、ローションかよ


(はっ⁉︎コレは⁉︎処女を抱く時に使えるんじゃないかっ⁉︎)


処女膜を打ち抜いた痛みも即治癒しローションプレイとしても使える!最高じゃないか!


「アリア、この湯は貴重なものなのか?」


「いえ、この湯の原料はウルズ草なので幾らでも準備できますよ」


「ウルズ草なのか、確かボボが食べる牧草だよね?」


「はい、確かにその牧場もあるウルザブルン大平原で収穫されますが、ウルズ草は栄養豊富で食べるだけではなく、傷や病気にも効果があり、他にもその繊維を加工して工業利用したりと多岐にわたり利用方法があるのですよ」


魔力もたっぷりで万能草だな。ウルズ草


「ワシの家では神樹の葉で似たような効能を作っておるのう」


「神樹の効能はウルズ草の比ではないとお聞きします、その葉を口にするだけで何年も前に欠損した手脚も瞬時に再生したり、一口食べるだけで何日も食事が不要になると」


「まぁそうじゃのう」


「凄いじゃないか⁉︎毎日そんなの食べてるの?」


「いや、流石に飽きてのぅ、味が何とも飽きてしもうたので暫く食べておらんのじゃ」


「そ、そうか」


何て贅沢な…そうだそんな少量食べるだけで良いなら


「ねぇエメラダ、その神樹の葉ボクも食べれないかな?ほらマーガレットの事があってから料理の匂いもダメになって…特に肉が食べれなくなってさ…」


「うーむ、そうじゃのう、まぁ良いか明日出発する時に取っていくかの、では暫し休んだ後出発するのじゃ」


そう言ってエメラダはザバッと立ち上がりど迫力の胸を張る


「やっぱ凄いなー、そのデカさで何で少しも垂れないんだ?」


「む?そう言うお主こそ体の何処もかも完璧ではないか」


「お二人とも羨ましい限りの肉体美をお持ちですわ」


僕等の体を拭きながらアリア達が褒めてくれる


「ボクはアリア達のおっぱいも大好きだよ、明日はアリア、君を抱きたいな♡」


「えっ、は、はい…光栄です…その、私も…その、本物のアレは初めてなので…宜しくお願いします!」


「そうか、なら明日は神樹ローションプレイを楽しみたいなー」


「おお、それは良いかも知れんぞ、魔力解放を促し感度も良くなるじゃろうからな」


「良い事尽くしだね、よーし明日も頑張るぞー」





僕等は夜食を摂りながら明日の予定を話す、僕の食事は薬草スープだけだ


「今日は言わばチュートリアルじゃ、明日からは1人で冒険を進めよ、ワシは家のモニターで観ておくのじゃ」


「ええ?1人~?もし勝てない相手が出て来たらどうするのさ?」


「慎重に行けば大丈夫じゃろう、自分で進める事で生活の知恵も身に着くじゃろうしのぅ」


(セーブする為の火起こしやテント作りが面倒なだけじゃ無いだろうな?)


「わかったよ、でも本当に危ない時は助けてくれよ?」


「勿論じゃ、またワシも地球人達に用があるので時々ミッドガルドに行くのじゃ、お主も偶に連れて行くから楽しみにしておれよ」


「はあ?わかった」


僕等は明日の準備を整え朝迄休む





日の出前、空が薄明るくなった頃、2日目の冒険へ出発する


「では一旦ワシの家へ行くのじゃ」


パッと一瞬で転移し此処はエメラダの部屋、多くの薬草やら液体の入った瓶やら、魔女の家イメージにピッタリの部屋だ


「ほれ、コレを今一粒食べて残りはアイテムボックスに入れておくのじゃ」


エメラダが壺の中から黒く丸い物体を取り出して食べろと言う


「ええっ?何これ鼻糞みたーい、ヤダー」


「バカモノ、コレは神樹の葉で精製した丸薬じゃ、昨日話したじゃろう、コレを食えば余程死ぬ事もないわ、他にもほれ」


薄く発光するドプッっと粘性のある透明な液体の入った大きな瓶を渡される


「神樹ローション⁉︎」


「神樹の樹液じゃ、おかしな名前を付けるでない、いくらでもあるから存分に使うと良いのじゃ」


「ありがとう、先ずは丸薬を神樹ローションで飲んでみよう」


僕は食器棚のコップを取り神樹の樹液を注いだ、そして丸薬を一粒食べて樹液で飲み干す

丸薬は少し酸味のある木の実の様でガリガリ噛んでも風味が殆ど無く、樹液もトロッとしているが喉越しがサラサラで後味を引かない…何方も質素な味わいだ、ずっとこれじゃ確かに飽きるな。だが今の僕には丁度良い、涎を無限に出させる料理のの風味も噛む程に味わい溢れさす食べ物の食感も、あのアルマティの素晴らしい香りも、その日の記憶を呼び起こすキッカケになってしまい身体が受け付けなくなってしまったからだ。


神樹の丸薬と樹液を口にした途端、魔力が漲るのがわかった、確かにお腹も空かないし良いものを貰ったようだ


「全くあの蛇共と来たら忌々しいのう、美味な食事が摂れないとは人生の殆どを損なっておるぞ、滅ぼそうにも異界との戦争の為に無くてはならんし、まあロキやフレイに預けておけば大人しく従うしかないじゃろうがな」


「ああ…、あ、そういや他の神々の強さがわからないけどみんなエメラダくらい強いの?」


「む、うーむ、ワシは大体上位の真ん中よりやや下くらいの力量にあるのう、神々でも力の差は大きくある、昨日集まった神々で最後に話をしておった一団な、あやつ等がこの世界の頂点じゃ、中でもトールは抜けておるな、ワシはフレイ兄妹にも及ばぬよ精々ロキと同じくらいの力量かのう」


「エメラダでそのくらいなのか…本当にボクが力になれるのか自信無いな…」


「大丈夫じゃ、ワシを信じよ、お主も神なのじゃ、神に成れば規格外の飛躍を発揮出来る、それが神化というものじゃ。ただしフェンリス達にも神への成り方は秘匿せよ、それを知っているだけで神を喰らおうとする愚か者が現れ下界の者達が滅ぼされかねんからのう、特にあの蛇共なら間違いなくのう」


「確かに危なそうだ、黙っておく理由がわかったよ、ヴァニラ達を守る事でもあるんだね」


「そうじゃ、よし、では1人で行き来出来る様にログインログアウトする部屋を用意してやるのじゃ」


そう言って部屋を出て神樹の中を進み片開きのドアの前に着いた


「この部屋は空いておるので此処からログイン出来る様にするぞ」


エメラダは扉を開けると何も無い8畳くらいの広さの部屋の真ん中に虹色に輝く魔法陣を出した


「さあ行くのじゃ」


「え?もう?早いなー」


「何をのんびりした事を言うておるか、こうしてる間にもフェンリスや他の神々は激しい戦いを繰り広げておるのじゃぞ、急いで強くなるのじゃ!」


「はーい」


お前は戦わないのかという疑問も浮かぶが黙って魔法陣へ乗る


パッと光ったと思ったら既に昨日のキャンプ地点だった、エメラダの術は魔導具も一切使う必要がないから早いんだよな


「て土砂降りじゃんかー⁉︎」


ダンジョン内だと言うのに大雨が降っている、僕はアイテムボックスから傘を取りだし差す

辺りを見ると焚火の周りに焦げた魔法陣の跡が残っていた、テントの場所もその効果範囲の中だ。昨日は焚火の炎を使って魔法陣を起動したのかもしれない、確かに火を付けたまま居なくなったら火事になりそうで危ないもんな


「あ!火を付ける為の道具でも持って来るんだった!てかこのセーブ転移方式面倒臭ぇよ…うーん魔法で何とかならないかな?」


試しに焚火に火を点けようと思ったが生憎の雨だ、もしかして邪魔されてる?そんな気がするな…




僕はセーブを諦め進む事にした、暫く歩いていると木の陰から何かの動く気配がした


カサカサッ


「ええっ?スライム⁉︎」


昨日の水色スライムが今日は3倍くらいの大きさになって現れた、試しに鑑定してみたが種類も同じだ


「これはまさか…雨で大きくなっ…た?」


もし天気で新たに能力が変わるなら厄介だと思い直ぐに刀で突き刺し討伐した


ボゥンッ!煙となって消えるスライム、残ったのはやはり米粒より小さな魔石が一粒


「水圧カッターで首でも飛ばされちゃ敵わんから先手必勝だな」


言っててスライム相手に先手を取れてるのか微妙に判らない事に気付いたがスルーだ、先に進むしかないからね


暫く歩くと木の陰から道にはみ出まくったスライム達が進路を塞いでいた、色んな色のスライムが居る、赤いのもいるが鑑定してみると昨日の水圧カッターを飛ばすタイプではなかったので次々討伐していく


スライムを討伐しながら進んで行くと先の方に不自然な建造物がある事に気付く


大きな長方形の四角い石が組まれ中が暗く空洞になり下へと続く階段がある


「これは…罠?それとも二層に降りる為の階段?」


僕は念の為周辺を探索してみたが道の先は見えない壁になっていて進めなかった


「如何やら一本道だったのか、降りてみるか…、ヤダなー、不安を煽るなぁ」


階段の奥からは風が吹いており、人の呻き声の様な音がずっと鳴っているのだ


ァァアアアアアアアァァァァーーーーーーーー

ォォォオオオオオオオオォォォォーーーーーー

ゥアアアアアァァァア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ーーーッ


僕は1人心細く感じながら奈落の二層へと続く階段を降りた

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