朝食を摂りながらマーガレットに色々と聞いてみる
「なあマーガレット、昨日の夜の事なんだけどさ、ボクちょっとだけ魔力の動きを感じたかもしれないんだ」
「それは…その…はい、ルシエル御嬢、お坊ちゃ、えーっと…」
マーガレットが僕を御嬢様と呼ぶべきか御坊ちゃまと呼ぶべきかで迷っているようだ
無理もない百合だと思っていたらチンコが生えて来たのだから混乱もするだろう
「今迄通り呼んでくれて良いよ」
「ありがとうございますルシエル御嬢様、はい、ルシエル御嬢様は昨夜お果てになられる際確かに体内の魔力を御自身の意思で特定部位より打ち放っておりました。あの感覚こそが魔力操作で御座いますわ」
「おおやっぱり?でも今はあの魔力が体の中で動く感じ?ってのが無いんだよね」
「はい、慣れない内は感情の昂り等で魔力が体外に溢れる時がコツを掴み易いかと思います」
「成る程!なら今夜も練習しないとね」
「は、はいルシエル御嬢様…」
頬を赤くして恥ずかしそうにするマーガレットがそそる
「あ、それからさボクこの建物からまだ出た事無いし、外に出て色々見たりしても良いかな?あと他の救出された地球人達は何処に保護されてるのかな?特に知り合いとかはいないけど同じ地球人がどうなってるのかなーと思ってさ」
「保護された地球人達は政府が用意した施設で自由に生活してるとは聞いていますがそれが何処にあるかまでは私は存じていません。そして今のルシエル御嬢様が外を出歩くのは難しいですわ、私共が護衛をしますがそれでももし万が一にでも誘拐等されたらという可能性がありますので…」
「えぇー誘拐とかあるんだ…」
「そうです、ルシエル御嬢様はお美しいので!ですが強くなりさえすれば何処へでも自由に出歩く事が出来ます!寧ろ犯罪者を探し出し討伐する楽しみもあるでしょう!」
何やら好戦的な意見が出てきたぞ、僕は進んでは戦いたくはないのだよ?
「そうか、強くなったら考えよう」
「はい私も楽しみにしていますね。それから言語の問題もあります、今ルシエル御嬢様が話されている言葉は地球の英語と言う言語ですが、外では通じません、私共使用人もルシエル御嬢様の言葉がわかるのは私だけで、マリス、ミゼルの2人が少し聞き取れるかという程度ですので。我々の世界にもいくつか言語はあるのですが、1番広く使われているユグドラシル語を覚える必要があるでしょう。」
成る程それで他のメイドさん達が話をしないわけだ、確かに本を読もうとした時全く分からなかったもんな。あとマリスとミゼルってのは僕の世話を焼いてくれる兎耳少女の2人の事か、名前を初めて聞いたな
「観光したりしたかったな…外の景色も凄く迫力があって感動したもんなぁ」
「うぅ、私の一存では許可しかねます…申し訳御座いません。」
「あいやいや!ごめんごめん、不満があるわけじゃないんだ大丈夫大丈夫あははっ」
熊ミミをしょぼんとさせるマーガレット、そんなつもりは無かったのに困らせてしまった
「じゃじゃあ今日の訓練に行こうかっ、よーしがんばるぞー」
人が困ったりした時どういう態度を取るのが正解なのか全くわからん、対人スキルゼロの僕は受け身でいるのがやっとだがもっと積極的になれないと後々困りそうなんだよな、色々と学ぼう
「はい、今日も楽しく訓練に励みましょう!」
パァっと顔を明るくしたマーガレットだが、僕があの地獄の訓練を楽しく感じてると思っているのだろうか
当然の様に今日も地獄でしたよ、ええ、既に数十kgの重りを付けたまま何時間も走らされるし、今日からは更に水泳とキャッチボールが増えた
僕が体の使い方が出来ていないからという事で基本的な体の動かし方身につけてさせようとしてこれまで只管走らせていたらしい。
水泳もね、先ず50m×150mで水深8メートルのプールに手漕ぎボートで真ん中迄行きそこで放り込まれた、当然の様に溺れボートにしがみ付こうとする僕をマーガレットはオールを使い僕の体を引き剥がすんだ。殺す気かと思ったね
なのにマーガレットは「その調子です、良いですね!とっても良い!素晴らしいです!」と溺れる僕に言っていたんだ、褒めて伸ばしているつもりなのかもしれないね
次にキャッチボール、僕は物を投げた事がなかったのでどう体を使えば良いのかわからなかった、マーガレットは1度僕に上手投げで野球ボールくらいの大きさのボールを投げさせた。それを見たときしばらくの沈黙の後に、バレーボールくらいの大きさのボールをボーリングの様にコロコロと転がしてのキャッチボールを繰り返した、次にボールを叩きつけてマーガレットまで届かせるキャッチボール、これは返って来るボールが中々キャッチ出来なかった、僕がキャッチ出来る様になると今度は両手で下から放り投げ相手まで届かせる練習だ、それが出来る様になったらやっと上手投げでのキャッチボールになった、驚いた事にその時には自然とボールを投げれる様になっていて感動した。
野球ボールくらいのボールでキャッチをして徐々に距離を遠くしていったのだが
次に分厚いプロテクターを付けられたんだ、何をするんだろうと思ったよ、ボールがさ、鉄球に変えられたんだ。
(今迄順を踏んで丁寧に教えてくれたじゃないか⁉︎)と思ったが拒否は許されなかったよ、「もう大丈夫ですわ!」と言いマーガレットは僕に豪速球を投げ付けた、僕の腹に深く減り込んだ鉄球はボキボキボキッっと嫌な音を僕の体から響かせた
(溺れる!)と思い「ゴホゴホゲホッ」と咽せるとどうやらバケツの水を顔にかけられた様だ、アバラに激痛が走るが殺人キャッチボールはなおも続いたんだ、優しいねマーガレットは、僕が気絶するとちゃんとバケツ水で起こしてくれるんだ。何度も、何度も。
最後に目が覚めるとそこは浴槽でマリスとミゼルに体を洗われていた、全身の骨が砕かれていた筈なのに既に痛みが殆ど無い、この薬湯はもしかするとポーション的な回復薬の様な効果もあるのかな
その日の夜はマーガレットをコレでもかと言う程にヒィヒィ言わせ体の奥からガクガクにしてやったぜ
翌日の訓練はそれに加えて、逆立ちで走らされたり、ロープを登らされり、綱渡り等をした
新しい訓練で1番辛かったのは素潜りだった、鉄球を足に括り付けてプールに放られた、必死に浮上しないと溺れちゃうからね、なのに浮上するとマーガレットがオールで僕を押さえて沈めて来るんだ、僕は泳ぎが上達しているのかな?
毎日訓練メニューが増えていき数えきれない程死ぬ思いを経験した
その間にも僕はスキルを取った
記憶力強化・Lv1
自動翻訳
自動通訳だ
アルティミアが言うには身体強化や他者への干渉をスキルにしようとするとポイントが重たいが知識に関するもの等は割と簡単に創れたらしい、だが自分の学習能力を殺してしまいそうだと思った僕は補助を意識して、情報の翻訳や通訳をしながらそれを徐々に習得出来る様に記憶出来る様に調整した。
因みにヴァニラの本棚には官能小説ばかりが並んでいた
ヴァニラ達が立ち4日が経った日、やっと帰って来た2人は僕を見て驚いていた
「帰ったぞー、うおおおっ⁉︎」
「ただいまルシエルちゃーんんんっ⁉︎」
そりゃそうだ、12歳くらいの見た目だったのが今は17歳くらいの超絶美少女だ
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真名・ルシエル
種族・神造人間
性・女
年齢・1週間
身長・165cm
体重・48Kg
3サイズ
B・74(Ecup)
W・50
H・77
Lv・20
ジョブ・使徒
HP・2100
MP・5100
SP・2110
STR・1890
VIT・2010
INT・5490
MND・5210
DEX・2300
AGI・2450
LUK・410
スキル・[森羅万象数値化][鑑定Lv8][記憶力強化Lv1][自動翻訳][自動通訳]
スキルポイント・9
加護・神の祝福(アルティミア)
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この4日、死ぬ程頑張った
僕は嬉しくて泣きじゃくって2人に抱きついた
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