神々之黄昏

R指定のラグナロク
やほ
やほ

第27話 会合

公開日時: 2020年9月2日(水) 19:40
文字数:6,615

ヴォルフリードがゲートの機械に魔力を流し起動させる、ゲートも大昔に開発された魔導具だそうだ、因みに魔道具と魔導具、言い方が違うなーっと思い聞いてみると、ちゃんと物として違いがあった、魔道具は生活用品や家電等、主に動力が電気で良い物を呼んでいた、そして魔導具、これは魔術的な要素のある装置の呼び名だ、使用者本人に適性が無くても術を行使出来る、魔法の威力を増減させたり、装備品なども含まれる、魔剣もあるそうで、魔剣も魔導具に入るらしい、ファンタジーな要素は殆ど魔導具と呼ぶようだ


みんなに続いてゲートを抜けると赤と金色が印象的な木造の巨大な建築物の広い中庭だった


「ハティ!」


馬鹿デカい声が響いた方を向くと真っ赤な髪と瞳の大男が両手を広げ笑顔全開でハティへ歩み寄って来る


「ヘルモーズ伯父様!」


ハティも嬉しそうに走って大男の胸に飛びついた


「おおハティや、可愛い可愛い我が姪よー!」


グリグリ顔を擦り合わせている


「おおハティよ伯父様ではなく昔のように、おいたん♡と呼んでおくれ」

「それはヤダなの伯父様」


めちゃくちゃ落ち込む大男

(ああ、アレが伯父バカのヘルモーズか)


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名称・ヘルモーズ・シェリオス・アングルボザ


種族・ヘル族


性・男


年齢・231歳


Lv・446


HP・18000000/18000000

MP・42000000/42000000

SP・19000000/19000000


STR・12000000

VIT・13000000

INT・49200000

MND・37002000

DEX・22000000

AGI・11000000

LUK・140000


称号・黄泉之死鎌


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本当にヘル族って魔力が凄まじかった、エメラダよ、僕は本当にこんな人達と同じレベルで戦えるのかい?あとステータス一千万超えの人に付いてる称号って何だろう


「ヘルモーズ、お前が先走らなくて安心したよ」

「ヴォルフィ、エーリューズを寄越すとはズルいぞ」

「あら、お兄様とヴォルフィが一緒になって事を起こすのを未然に防いだ私を褒めてくれても良いのですよ?」

「母様!」

「エリィ」


(おお、アレがハティの母様か、確かにちょっと今の僕に似…てる…かぁ?)

美人だ、『完全無欠の美女を描きました』って絵があったとして、そこから抜け出して来たかのような、非現実的な迄に美しい

アングルボザ家の血筋を色濃く受け継ぐ真っ赤な髪と瞳、肌は透き通った白さで仕草の全てが慎ましやかだ

何処が似てるんだ?と共通点を探すと

(おっぱいが同じくらいデカいな)


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名称・エーリューズ・シェリオス・ヴァナルガンド


種族・ヘル族


性・女


年齢・178歳


身長・153cm


体重・41Kg



3サイズ

B・85(Gcup)

W・52

H・85


Lv・510


HP・89000/89000

MP・62000000/62000000

SP・999000/999000


STR・32000

VIT・50000

INT・65700000

MND・52100000

DEX・44000

AGI・20000

LUK・7000000


称号・黄泉之疵瑕


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バストサイズをコッソリ調べようと思ったら色々おかしな数字まで目に入っちゃったぞ

この人も称号がある


(…おっぱい以外見なかったことにしよう)

視線を感じたのかエーリューズと目が合ってしまった、輝くルビーの瞳に射抜かれた瞬間、金縛りにあったかと思った、彼女は優しく微笑みこちらを向いた


「こちらの方は?御紹介頂けますか?」


「ああ、義姉様、コイツはルーシー、私の大切な家族さ」


「あらそうだったの、凄く美しい人、異界の人のようね」


確かにお淑やかでおっとりしている、だがなんでヴォルフリードに隠れて喋ってるんだろう


「そうなんだ、でもルーシーは此れからはこの世界の人間として生きていくから宜しくな」


「ほう、てっきりヴォルフィの新しい女かと思ったぞ!がはははははっ!」

「バカヤロウ!俺がエリィ以外の女に心を奪われるわけないだろ!」

「んもうアナタったらぁ」

揶揄うヘルモーズに慌てて反応するヴォルフリード、その背中をポカポカ叩くエーリューズだが…何だろう、あざといと言っちゃ失礼かな

(エーリューズさん、怖いよ)


目は笑みの形を作っているのだが心から笑ってない感じがする、気のせいかな、僕大人スキル無いし、うん気のせいだろう


「母様、ハティはちゃんと父様が浮気をしないか見張っていたぞ、褒めて」

「あらあらハティったら面白い事を言うのねぇ、可愛い可愛い良い子良い子」


ナデナデされて満足そうにエーリューズの胸に抱きつくハティ

ヴォルフリードが例のハティの教育について何も言わないのも気になるが、まあ人前だしその為だろうな、うん





それから僕等はハティをアングルボザ家に預け、ヴォルフリードとヴァニラ、ライカ、僕、ヘルモーズと護衛1人の6人で会場へ向かう

そこへはライカがゲートを開く

「皆さま、11:45分になりました、アルフヘイムへ出発します。ビフレストゲート!」

先ずヘルモーズの護衛の人が通り、次にヘルモーズとヴォルフリード、最後に僕等が通る


ゲートを抜けた先は樹の家の中だった、エメラダの家に似ている、出迎えたのは耳の尖ったキツめの顔をした美形達で金色の長髪に翡翠色の瞳、長身で細身の体躯に肌をあまり露出しない装いをしている。てかエルフだ、まんまエルフ、イメージ通りのエルフ、ザ・エルフ、アルフヘイムってのはエルフの星だった


「皆さまようこそいらっしゃいました、準備は完了しています、後はエスメラルダ様の到着を待つのみです」


僕等はエルフ達の案内で螺旋階段を登り広場へ出る、これ迄の道のりも全て樹で出来ている、バカでかい樹の中だ、もしかしてこの樹ってユグドラシルか?と思って鑑定すると大樹ミストルティンと出た、神樹ユグドラシルではなかったが、この樹も相当なデカさだ、樹高数kmはある、僕等はその広場から隣の樹へ渡された橋を歩く、途中薄い膜を抜けた

「これは結界だよルーシー、この樹は1本1本が結界を張っていて許可された者以外は通れないんだ、今はエルフが一緒だから通れるんだよ」

僕が膜を見ているとヴァニラが教えてくれた、成る程其々の勢力が別々に来ても安全に隔離されているのか


橋を渡り終え中に入るとまた階段になり少し上がると随分広いホールに出た、中心の白いテーブルには1人先客が居る、不死族だ

そこでゴーーーーンーーー…っと1つ鐘の音が響くと中心の席にエメラダも座っていた

12:00の時報だったか、時間ピッタリに現れたエメラダ、僕らも丁度に着いた事を考えるとライカが余計なトラブルを避けたのかもしれない






「本日はエスメラルダ様のお招きにお集まり頂きありがとうございます、ミドガルズオルム家より御当主ティフォン・ヨルムス・ミドガルズオルム様、ヴァナルガンド家より御当主ヴォルフリード・フェンリス・ヴァナルガンド様、アングルボザ家より御当主ヘルモーズ・シェリオス・アングルボザ様、早速議会を開催致します」


エルフのお偉いさんっぽい人が音頭をとって会が始まった


「うむ、皆の者今回集まってもらったのはクトゥルフ界からの侵攻を阻む為の会議じゃ、今回は神々の協力も得られるのでワシらは神々の足枷にならぬようモンスター共の殲滅を目標とする」


「おいおい折角異界の神々をぶっ殺せる良い機会だってのに俺らはモンスターの相手だけかよ?ナメてんのかババァ」


ミドガルズオルム家の人、1人だってのにエメラダに絡んでいったぞ、態度悪いなー


「神の相手は神がする、通りじゃろう」


「神なんぞ天使がいなけりゃ食っちゃ寝てばかりの能無しだろが、それに俺らにいつまでもお前ら天使の権能が通用するとは思ってないだろうなぁ?」


「フン、ワシはもう天使でも何でもないわ、それにお主こそあまり神を侮るでないわ、未だ自力で神界に行けぬ半端者が、同じ舞台に立ててこそ戦いになるのじゃ。お主が殺した神は

他の神に唆され下界に降りて来たから触れ得ただけじゃわい」


「調子に乗るなよババァ、テメェも神と一緒に食ってやろうか」


なんと、ミドガルズオルム家が神殺しの一族って本当だったのか、しかもご本人。まあ神も本当簡単に殺せると思うよ、そのステータスならさ、実際僕なんか鼻息で消されるんじゃないかな、アルティミアも弱かったしホント神もピンキリなんだってのがよくわかる、それより気になったのはまるで天使の権能を克服したかのような物言いだ、それって可能なの?もしハッタリじゃなければ神とも本当に戦えるって事だ。危険極まりない存在と言っていい、だってコイツはあのミドガルズオルム家だ!その当主だ!


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名称・ティフォン・ヨルムス・ミドガルズオルム


種族・不死族


性・男


年齢・8206歳


Lv・3340


HP・80020000/80020000

MP・84000000/88000000

SP・74000000/74000000


STR・39900000

VIT・72000000

INT・89000000

MND・77000000

DEX・4100000

AGI・5007000

LUK・3500000


称号・輪廻之亡蛇


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無理、コイツは無理!こんなステータスぶっ壊れた奴が神を殺そうとして天使の能力も効かなくなったら誰にも止められない!こんな危ない奴、是非モンスターと戦ってもらおう!


「お主程度では絶対無理じゃ、せめて物語の外へ出られる様にならんとのぅ」


「ぶっ壊す!!」ガタッ!

「静まれ」


エメラダに飛び掛かったティフォンが空中で浮いたまま静止した


「耳は効く様にした、そのままで聞いておれ」


「やっと静かになったな」

「うむ、このまま殺してしまいたいが話を進めよう」


ヴォルフリードとヘルモーズがこうなる事を分かっていた様に話を進める


(皆殺しになるかと思った、エメラダ凄いな…)

エメラダのステータスは分からないが絶対的上位者として存在している、実は神だしな…


「さて、クトゥルフ界の神々だが、このまま100年もすれば奴等は此方の世界へも侵攻してくるじゃろう、今の戦力では到底勝てはせん、そこでじゃ、敵の戦力を削りながら此方の戦力の増強を謀る為、ゲリラ戦を仕掛けるのじゃ」


「ハッキリ言うんだな、其れ程迄に力の差があるのかね?」


「うむ、中級モンスター迄ならお主らでも対処出来よう、しかし上級モンスターが出てこてこればこのバカでも勝てんじゃろうの」


「成る程…ではどの様に戦力を分けるかを指揮せねばな」


ヴォルフリードの質問にティフォンを指差し答えるエメラダ、ヘルモーズが如何やって編成するかを考察する


「それだがやっぱりオレ達も出るわ」

「フレイ様!」

「フレイ…この会に神々は出ぬようにとしっかり念押ししたはずじゃぞ」


エルフのお偉いさんっぽい人が驚いて反応し、エメラダも呆れた顔で言葉をかけた、このフレイ、神らしい

これまた美青年だ、金髪をオールバックにアクアマリンの様な淡い蒼さの瞳をしており175cm程度の身長で高校生くらいに見える


「フレイ様⁉︎エルフ達の神か」

「人間の前に姿を現すとは」

ヴォルフリードやヘルモーズ、みんながざわつく、僕は黙って目立たない様に隠れていよう


「だってさぁ、聞き捨てならない事言う愚か者がいるじゃん?消してやろうかと思ってさ、君もそう思ったんだろう、ロキ?」

ペチペチとティフォンの頬を叩きながらニヤニヤと言うフレイ


「俺はどんな奴等が居るのか見に来ただけさ」


いつの間にか後ろから僕の両肩に手を置く男が立っていた


「お主ら、来るなと言われてわざわざ来るヤツがあるか」


(ロキって言うとヴァニラ達の住むエリアの支配神じゃないか)

こっちは赤髪に鮮やかなキャッツアイを両目にはめ込んだかの様な黄色の瞳で、褐色の肌をした美少年だ12歳くらいに見える


「いいじゃないかエッダ、君が一生懸命あちこち手配してくれたから、もう俺達はする事も無く退屈なんだ、早く遠足に行きたいのさ」

パチリとウインクするロキはなんとも悪戯好きな笑顔を浮かべる


「その名で呼ぶでない全く、もとより暇を弄ばせておったじゃろうに、悪戯ばかりするお主らに余計な事をさせない為に遊び場を教えてやり、攻め入る機を合わせてくれと頼んで廻ったのじゃ、無駄にしてくれるな、今度は足並みを揃えねばお前達もクトゥルフ共に食われるぞ」


「大丈夫だって今度はフレイも居るんだぜ?負けるかよ、それにオーディンやトールまで出るんだろ?よくあんなプライドの塊みたいな奴等を説得したよなー、な?」


ロキは何故か僕の顔を覗きながら聞いてくる


「は、はぁ…」

「やめよ、其奴に近寄るでない、話が進まなくなるのじゃ、帰ってくれ、そうでなくば大人しくしておるのじゃ」


「はいはい、あ、一応さ、俺もフレイもコイツら人間と一緒に行くわ、なるべく危ない所がいいな」

「オレはコイツと一緒の所に行くぜ」

フレイはティフォンを指差し指名する


「ふぅ、まあよかろう、どの道そ奴等一族は纏めて目付が必要だと思っておった、それにお主らの望み通りとびきり危険な所じゃよ、ふふふ」


「うん、それだけ分かればいいや、出発は明日の朝でいいんだろ?楽しみに待ってるよ」

「じゃオレ達は行くぜ、明日が楽しみだな、ボクちゃん」

またペチペチとティフォンの頬を叩きながら嬉しそうに消えていったフレイ、気付けばロキも居なくなっていた


「神とはあんなにも子供の様な振る舞いをする者達であったか…」


ヘルモーズが口を開いた、そうなんだよな、僕もアルティミアを知っているから分かるけど軽いんだよな、神様ってさ


「ロキ様は余り人前に現れないのですか?フレイ様はいつもお屋敷にいて我等と生活を共にしているのですよ」

エルフがヘルモーズの言葉に質問をした


「私は神々を初めて見たな」

「私もだよヘルモーズ、ロキがあんなに少年の様だとは想像と違って驚いた」

「兄様達も初めて見たのか?神々もそれぞれなんだな」

「ロキ様は可愛い子供みたいでしたねー、隊長ー」

ヴァニラ達も初めて神を見たらしい


「ロキはいつも下界をふらついておるぞ、しかしいつも変装しておるから誰も気付かんじゃろうな、あの悪戯好きはの」


「そう言う事か…」

ヘルモーズも納得したようだ


「では、大きく勢力は3つに分ける、まず不死族、お主らは主力じゃ、敵陣深く、全員で連携し上級モンスターを1年に1匹でも良いから仕留めて来るのじゃ。次にヘルモーズとヴォルフリード、お主らは他の覚醒戦士達を纏め、此方の被害をなるべく抑えながら中級モンスターを減らしてまいれ、そこにはフェンリス、ソー、お主ら次世代の実力者達も入るのじゃ、そして10年に1人でも良いから覚醒進化するのじゃ、良いな?そして最後、今の振り分けに入れなかった戦士達は下級モンスターの殲滅に当てる、下級モンスターを減らせば自然と中級モンスターの餌が減る、中級モンスターが減ればそれを餌にする上級モンスターの餌も減らせると言うわけじゃ、これを100年続ける、これを見よ!」


エメラダが何も無い空中に向こう側が透けて見えるモニターを出現させた


其処には沢山の数値や項目毎のグラフ等がビッシリと表示されていて

其処から更に1つのグラフが拡大された

ユグドラシル戦力

クトゥルフ戦力

と2つの折れ線グラフが表示され、y軸が戦力値、x軸が年数となっていた


「現在我々と奴等ではこれだけの戦力差がある」


グラフのスタート地点を見るとユグドラシル戦力が50ポイントにあり、クトゥルフ戦力が100ポイントにある


「倍も差があるのか…」

ヴァニラが呟いた

「うむ、しかし今伝えた作戦を最悪7割の効率で進めたとする、するとぉ…」


エメラダが指を指しながらグラフをピピピピピ…っと100年後迄進めて行く


「どうじゃ、戦力が逆転するのじゃ」


100年後の戦力がユグドラシル戦力77ポイント、クトゥルフ戦力が75ポイントになっていた


「戦力はまんま神々のエネルギー源であるエーテル値じゃ、それが逆転すると言うことはこのユグドラシル宇宙の神々がクトゥルフ宇宙の神々よりも力を増したと言う事!100年後を決戦の時と約束しよう!」


(長げなー)

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