あとは野となれ山となれ~勘当されて使用人に落とされた伯爵令嬢は虐待される前に逃げ出します

空間魔法で生き抜きます
真理亜
真理亜

帰還

公開日時: 2021年6月11日(金) 01:41
文字数:1,009

 まず私はセバスチャンをバインドロープで拘束した。


「ぬおっ!? な、なんだこれは!?」


 背中を蹴り付けて床に這わせた後、すぐ亜空間に放り込む。


「えっ!? な、なに!? なにが起きたの!?」


「ゆ、幽霊か!? 幽霊の仕業なのか!?」


 次に私は混乱の極みにある二人の内、破落戸の男をセバスチャンと同じようにバインドロープで拘束した。


「ヽ(ヽ゜ロ゜)ヒイィィィ! お、お助け~!」


 うるさい男の後頭部を蹴り上げて黙らせた後、亜空間ヘ放り込む。残るはイレーナただ一人。


「い、嫌ぁぁぁっ!」


 パニックって逃げ出そうとするイレーナの足を引っ掛けて転ばせる。


「へぶしっ!」


 イレーナが奇声と共に床を這う。私はその上に馬乗りになった。


「あらぁ~? イレーナ様ぁ♪ 一人だけ逃げようなんて、そうは問屋が卸しませんよ~♪」


「えっ!? えっ!? そ、その声はまさか!? カリナ!?」


「は~い♪ カリナですよぉ~♪ 覚えて頂いて光栄ですわぁ~♪」


「な、なんであんたがここに!?」


「どぉしてだと思いますぅ~♪ その足りない頭で考えて下さいなぁ~♪」


「あ、あんたまさか!?」


「はい~♪ イアン様のご依頼で、悪いヤツを捕まえに来たんですよぉ~♪」 


「ぬなぁっ!? わ、私を騙してたのね! 許さない! 許さないわ! あんたなんか殺してやるから!」


「あらぁ♪ 威勢のよろしいこと♪ 出来るもんならやってみなさいなぁ~♪」


 うるさいんで後頭部を殴り付け黙らせた。


「ぐげっ!」


 そして亜空間ヘ収納! 良し! これにて一件落着!


 私はその足でイアン様のお屋敷に戻った。



◇◇◇



 次の日、イアン様のお屋敷に到着すると、


「カリナっ!」「カリナさんっ!」


「ぐぇっ!?」


 い、いやさ、イアン様もクリス様も心配してくれてたのは分かるんだけどさ、二人していきなり抱き付いて来られても...思わず変な声が出ちゃったじゃんか...


「あ、あの...お二方ともちょっと落ち着いて...」


「あぁ、スマン! つい...」「あぁ、ごめんなさい! つい...」


 いやあんたら息ピッタリだな!


「ふぅ...ご心配お掛けしました。カリナ、ただ今戻りました」


「「 お帰りなさい! 」」

 

 またまた息ピッタリだな!


「イアン様、どこかお部屋をお貸し頂けますか?」


「あぁ、もちろん! ん? ということは...」


「はい、亜空間に三人ほど拘束してあります。証拠もバッチリです」


「ありがとう! 良くやってくれた!」


 うんうん、上手く行って良かったよ!


 その後、イレーナ達をイアン様に引き渡して任務完了!


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