あとは野となれ山となれ~勘当されて使用人に落とされた伯爵令嬢は虐待される前に逃げ出します

空間魔法で生き抜きます
真理亜
真理亜

ダンジョン攻略

公開日時: 2021年8月1日(日) 04:39
文字数:1,048

「ステラさん、もう分かって貰えたと思うんですが...」


 今は全員で私の作った亜空間の中に居る。私とステラさんの目の前には、グズグズ泣いてるセリカさんが居る訳なんだが...


「はい...正直言ってここまでのポンコツだとは思いませんでした...」


「セリカさんのポンコツ振りを舐めちゃいけませんよ? こんなのはまだ序の口なんですからね?」


「なんと! これ以上のポンコツがあるんですか!」


「えぇそらもう、そんじょそこらのポンコツとは訳が違いますからね」


「なんて奥が深い! 勉強になります!」


「ふ、二人とも酷いですぅ~!」


 私とステラさんが弄り過ぎたのか、ついにセリカさんが号泣してしまった。いや、自業自得だからね? 自分がポンコツだってことを認めない方が悪い。


「では帰りましょうか」


「あ、カリナさん。ちょっと待って下さい。もう少しダンジョンに潜りたいんですがダメでしょうか? もちろん無茶はしません。退く時はちゃんと退きますから」


「う~ん...まぁ無理をしないならもうちょっとだけ。ただしこのポンコツは出しませんからね?」


「はい、もうポンコツは十分です。というか懲り懲りです」


「ふぇ~ん!」


 こうしてダンジョン攻略を続けることになった。



~ ダンジョン4階層目 ~



「あれは...オーガですね」


 そう、今私達の目の前にはオーガが居る。しかも群れで。私のレイピアだと中々に苦戦した相手だ。全く歯が立たなかった訳じゃないけど、一撃で倒せる相手でもない。


「ステラさん、オーガが相手では私も十分にサポート出来ません。それも一匹ならともかく群れは無理です」


「各個撃破ならイケると思います。私が一匹ずつ誘き出しますので、囲まれそうになった時だけフォローをお願いしてもいいですか?」


「なるほど、分かりました。くれぐれも無茶はしないで下さいね?」


「はい!」


 そう言ってステラさんは、オーガの群れの最後尾に居たヤツをターゲットにして攻撃を始めた。


「ハァッ! ヤァッ!」


「グアアアッ!」


 瞬殺って訳にはいかなかったけど、何撃か目でオーガが倒れる。私はすかさず、オーガの群れに囲まれそうになったステラさんを亜空間に回収する。


 そしてまたオーガの群れの最後尾のヤツをターゲットにする。このやり方を繰り返してついにオーガの群れは壊滅した。


「フゥ...お疲れ様でした」


「なんとかなりましたね」


 今、私達の目の前にはオーガの群れが死屍累々と横たわっている。


「じゃあ後はポンコツさん、解体をお願いしますね?」


「うぅ...酷いですぅ~...解体はしますけど...」


 ヨロシクね~



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