「ステラさん、もう分かって貰えたと思うんですが...」
今は全員で私の作った亜空間の中に居る。私とステラさんの目の前には、グズグズ泣いてるセリカさんが居る訳なんだが...
「はい...正直言ってここまでのポンコツだとは思いませんでした...」
「セリカさんのポンコツ振りを舐めちゃいけませんよ? こんなのはまだ序の口なんですからね?」
「なんと! これ以上のポンコツがあるんですか!」
「えぇそらもう、そんじょそこらのポンコツとは訳が違いますからね」
「なんて奥が深い! 勉強になります!」
「ふ、二人とも酷いですぅ~!」
私とステラさんが弄り過ぎたのか、ついにセリカさんが号泣してしまった。いや、自業自得だからね? 自分がポンコツだってことを認めない方が悪い。
「では帰りましょうか」
「あ、カリナさん。ちょっと待って下さい。もう少しダンジョンに潜りたいんですがダメでしょうか? もちろん無茶はしません。退く時はちゃんと退きますから」
「う~ん...まぁ無理をしないならもうちょっとだけ。ただしこのポンコツは出しませんからね?」
「はい、もうポンコツは十分です。というか懲り懲りです」
「ふぇ~ん!」
こうしてダンジョン攻略を続けることになった。
~ ダンジョン4階層目 ~
「あれは...オーガですね」
そう、今私達の目の前にはオーガが居る。しかも群れで。私のレイピアだと中々に苦戦した相手だ。全く歯が立たなかった訳じゃないけど、一撃で倒せる相手でもない。
「ステラさん、オーガが相手では私も十分にサポート出来ません。それも一匹ならともかく群れは無理です」
「各個撃破ならイケると思います。私が一匹ずつ誘き出しますので、囲まれそうになった時だけフォローをお願いしてもいいですか?」
「なるほど、分かりました。くれぐれも無茶はしないで下さいね?」
「はい!」
そう言ってステラさんは、オーガの群れの最後尾に居たヤツをターゲットにして攻撃を始めた。
「ハァッ! ヤァッ!」
「グアアアッ!」
瞬殺って訳にはいかなかったけど、何撃か目でオーガが倒れる。私はすかさず、オーガの群れに囲まれそうになったステラさんを亜空間に回収する。
そしてまたオーガの群れの最後尾のヤツをターゲットにする。このやり方を繰り返してついにオーガの群れは壊滅した。
「フゥ...お疲れ様でした」
「なんとかなりましたね」
今、私達の目の前にはオーガの群れが死屍累々と横たわっている。
「じゃあ後はポンコツさん、解体をお願いしますね?」
「うぅ...酷いですぅ~...解体はしますけど...」
ヨロシクね~
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