1章 告白に次ぐ告白
2章 それぞれの言い分
聖泉高校に通う、ごくごく普通の高校二年生の、『東雲 海人』の長年の悩みは、幼馴染である、『六条 沙羅』の過保護すぎる世話焼きっぷりであった。
沙羅は、文武両道、才色兼備の完璧な幼馴染ではあるが、性格は極めて豪快で、思考回路のリミッターが常に外れているため、ときに常識的にあり得ない、無茶苦茶な行動に出ることもしばしばであった。
そんななか、ある日、突然、海人は学園内でも有名な、小動物系の可愛い後輩である、『来栖 桃花』から告白される。これはチャンスとばかりに、海人はこの告白を受けることにした。
しかし、これで沙羅からの過剰な世話焼きから解放されると思っていた海人の思惑は見事に外れ、沙羅に丸め込まれて、同じ屋根の下で暮らすことになってしまったのだ!
こうして、海人の周りは瞬く間にトラブルの絶えない、ある意味うらやましくも、ときには辛く、ときには悲しく、ときには楽しい環境となってしまったのであった。