怪談∞(エイト)

二階堂次郎
二階堂次郎

「ガードレール」

公開日時: 2020年9月6日(日) 20:00
更新日時: 2020年9月6日(日) 22:47
文字数:521

第6夜

友達のKくんは毎日徒歩で駅まで通勤してるのだがその途中の交差点に、やけに目につくガードレールがあるそうだ。


そこだけ変に突出しているとか、街灯の真下だとか、そういった特徴があるわけではなくて、ただ気がつくと目で追っているというか、なんか気になるガードレールらしい。


で、ある日の仕事帰り、いつもの通りそのガードレールのある交差点で信号待ちをしていたそうだ。


今日も疲れたなぁ、なんて思いながらボンヤリとそのガードレールに視線をやっていると、次の瞬間、Kくんのすぐ真横を車が猛スピードで通り過ぎていって、直後、ズガン! っていう音が鳴り響いた。


軽自動車がそのガードレールに激突したらしい。

信号無視だ。


あまりのことに最初は呆然としたんだけど、ハッと我に返って運転席に駆け寄って、窓ガラスを叩くと、不幸中の幸いというか運転手は無事で、エアバックから顔をあげて、ポカンとしていたらしい。


念のため運転手が運転席から下りるのを手伝うと、「あのガードレールが目について、気がついたらぶつかってた」なんてうわ言のように呟いたんだそうな。


結局、運転手が無事ってことでほかに怪我人もいなかったから、そのまま家に帰ったそうだが。そのガードレールはいったいなんだったろうか。

こんばんエイト〜! 私です!


先日、体験談蒐集のために飲み会に参加したのですが、なんの成果も得られませんでした!

ないところにはないんですね〜、怪談。


それでは、明日もまたこの時間にお会いできれば!

読み終わったら、ポイントを付けましょう!

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