若き葛藤の書物

原氷詩集
原氷
原氷

ライフ

公開日時: 2021年8月5日(木) 00:36
更新日時: 2021年8月5日(木) 00:42
文字数:691

「ライフ」

灰色のライフ

ただれた太陽

悪の華を理解するのに人生は短い

フランスの本の紙でゆびを切る

チェコの作曲家の轟にも似た旋律

果てる 宇宙の中で 幼子のようにまどろむ

一日一日が恋しい、また愛しい

ぼくらは星に乗った猿みたいなもの

ひくひくひく ほほが痙攣する

夢の中の夢、おびただしい死体をうむ紛争

フランスの傭兵が獅子に食われる

ぼくの嫁が子を孕むころ

ぼくは年を取り、老いた人になる

何もかもすて虚空をかけていく鳥たち

ライフの短きこと、ポエジーの理解に至らない


「Oi」

Oi(オワ)oi oi oi

おお崩れていけ

星座、シリウス、アルタイルよ、

全部崩れていけ、そして人間を一掃しろ

Zeeeeeeeeeezeeeeeeeeeee

人間地球の害悪 はたまた神か

みな正常の人のふりして狂人

神の孤児 人間

莫迦みたいに美しい神々はただの想像物

実体のないもの 人がつくったもの

みな狂っている、ラプソディーよ

Ragazzo みんなragazzo いかれたragazzo

フランス詩人は阿片によって書を孕む

くるえくるえくるえくるえくるえ

テレビ中毒、アメリカの変態子供

神の孤児、全て正常な人たちに告げる

くるえくるえくるえ もうなしくずしの肉体の男女

Pianoが壊れている――そこにぼくの空蝉を見る


「重い」

花びらが重い、まるでぼくを地に沈める

重いものが重いものがぼくを沈める

鬱、憂愁の花びらが地に落ちていく

ぼくはここで嘆いている、心底震えている

神の一擲が投じられ

ぼくは流れて、流れて、脳内にひしめく電気信号を火星に飛ばす

やまない声、幻の声

ぼくの精神は病巣だ

そこからこんこんと流れ出る文章は怖ろしい魔物だ

ぼくを見限った神が泣いている

ぼくも神を見限る

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