夜を狩るもの 終末のディストピアⅡ meaning hidden

人類の終焉に死神が人類側に味方した物語
主道 学
主道 学

40

公開日時: 2024年12月6日(金) 13:41
文字数:524

 腐敗臭漂う中央に着地すると、ゾンビの群れは一斉に大口を開けモートに襲いかかった。


 だが、モートは銀の大鎌を周囲のちょうど、ゾンビの首の辺りに円を描くように振った。ぐるりと、周りにいるゾンビの数多の首が真っ黒な血を吹き上げて、飛び撥ねていく。


 それから、モートは一体のゾンビの脇に狩り込んでは、そのまま右首へと銀の大鎌を下から振り上げた。


 ガッパリと身体の脇から裂けて、右首が吹っ飛んでいった。気付くと、クリフタウン一帯のゾンビが、モートに集まり始めていた。目と鼻の先の数十ブロックの方角から漆黒の魂のゾンビが埋め尽くしていく。


 辺りを壮絶な腐臭が充満した。


「クッ!」


 モートは強力な腐敗臭に、顔をしかめた。銀の大鎌を握る手に力が入っていた。そして、モートはもっと素早く狩ることにした……。ゾンビの群れから後方へ軽いステップをすると、飛翔してから上方から大勢のゾンビの首を一振りで真横に狩る。


 着地すると、そのまま銀の大鎌を振り上げて、襲ってくる複数のゾンビの腹から、腕から、足から、斜めに首を飛ばしていく。


 しばらくして、モートの狩りで溢れかえるようなゾンビの群れは僅か数分で、首なしの胴体へと変貌し、地面にびくびくと微かに動くだけの亡骸として静かに横たわった。

 

読み終わったら、ポイントを付けましょう!

ツイート