夜を狩るもの 終末のディストピアⅡ meaning hidden

人類の終焉に死神が人類側に味方した物語
主道 学
主道 学

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公開日時: 2024年8月7日(水) 15:21
文字数:468

 次にモートが向かったのは、赤い馬の男が示したクリフタウンだった。激しい血の雨によって、真っ赤になったホワイトグレートに赤黒い雹が降り続ける。


 そこへモートが駆け寄ると、ホワイトグレートの麓の一軒家に、黒い魂を発見した。その黒い魂は一つで、ログハウスの中だ。その近くには一つの黄色い魂があるだけだ。他に周囲には見える魂は何もない。


 モートはログハウスへと入った。

 中は持ち主が几帳面な性格なのだろう。整った家具が、設置されていて、掃除も行き届いている。木の香りが仄かに漂う。暖かい住居だった。


 だが、モートは地下へと続く階段を見つける。

 そこに黒い魂と黄色い魂が見える。


 地下へとモートは石階段を降りていった。


――――


 リリー・フィラデルフィアは暗闇の中で目を覚ました。

 今朝も、空から血の雨が降ってきたので、学校は休みだった。都内のノブレス・オブリージュ美術館に遊びに行こうと友達に誘われ、市営バスに乗ったまではいいものの。

 

 その後の記憶が、まったくといっていいほどなかった。

 どうやら、身体が固定されているようだ。


 パタンっと、ドアの開閉の音が遠くでした。

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