次にモートが向かったのは、赤い馬の男が示したクリフタウンだった。激しい血の雨によって、真っ赤になったホワイトグレートに赤黒い雹が降り続ける。
そこへモートが駆け寄ると、ホワイトグレートの麓の一軒家に、黒い魂を発見した。その黒い魂は一つで、ログハウスの中だ。その近くには一つの黄色い魂があるだけだ。他に周囲には見える魂は何もない。
モートはログハウスへと入った。
中は持ち主が几帳面な性格なのだろう。整った家具が、設置されていて、掃除も行き届いている。木の香りが仄かに漂う。暖かい住居だった。
だが、モートは地下へと続く階段を見つける。
そこに黒い魂と黄色い魂が見える。
地下へとモートは石階段を降りていった。
――――
リリー・フィラデルフィアは暗闇の中で目を覚ました。
今朝も、空から血の雨が降ってきたので、学校は休みだった。都内のノブレス・オブリージュ美術館に遊びに行こうと友達に誘われ、市営バスに乗ったまではいいものの。
その後の記憶が、まったくといっていいほどなかった。
どうやら、身体が固定されているようだ。
パタンっと、ドアの開閉の音が遠くでした。
読み終わったら、ポイントを付けましょう!